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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第403号 2018.12.14.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】乙女高原自然観察交流会 12月01日(土)
NEW! 2.【活動案内】乙女高原自然観察交流会 2019年01月05日(土)
3.【活動案内】乙女高原草フォーラム 2019年02月17日(日)
4.【活動案内】乙女高原フェロー
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0.【ニュースニュース】
●1.12月1日に自然観察交流会が行われました。次回フォーラムのテーマであるコケをじっくり観察したそうです。レポートを山本さんがまとめてくださいました→1
●2.12月10日、乙女高原に向かう林道は冬季通行止めとなりました。これから長い長い「冬ごもり」の時期となります。もっとも車は通行止めですが、歩いてなら乙女高原に行けます。例年通りだと、通行止めの解除は来年のゴールデンウィークの直前です。
●3.来年2月17日(日)に行う第18回乙女高原フォーラムのちらし配布にご協力いただける方、ご連絡ください。すぐに送ります。なお、乙女高原ファンクラブのウェブサイト上にもちらしをアップしました
http://fruits.jp/~otomefc/2019forum.pdf
→3
●4.第18回乙女高原フォーラムのスタッフに立候補していただけませんか? 会場づくりをしたり、参加者の受付をしたり。フォーラムは2月17日(日)13時スタートですが、スタッフは11時30分に集まって準備を始めます。おいしいお弁当を事務局で準備しますので、お早めに「スタッフするよ」とご連絡ください→3
●5.第18回乙女高原フォーラムのテーマは「コケ」。それにちなんで、街の駅やまなしで乙女高原展シーズン16「乙女高原フォーラムと乙女高原のコケ」を行っています。お近くに来たおりには、お立ち寄りくださいね。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20181127
●6.「乙女高原フェロー」は、乙女高原でのイベントに参加すると1つスタンプがもらえ、10こ集めると、ステキな景品(ステンレスのマグボトル)がもらえる・・・というポイントカード制度です。10こ集めた方には乙女高原フォーラムの席上で、景品をお渡しします。10個集まった方は教えてくださいね→4
●7.ちょっと気が早いですが、今年度末から来年度は世話人の改選期です。とはいえ選挙ではなく立候補によりますから、改選というより改任です。できるだけ多くの方に世話人になっていただきたいと思います。また、できるだけ若い方に世話人になっていただきたいと思います。
立候補よろしくお願いします。また、「あの人に立候補していただいたら:いいんじゃないかな」という方がおりましたら、ぜひ教えてください。
●8.次回世話人会は12月20日(木)午後7:30から牧丘総合会館(=山梨市役所牧丘支所)で行います。世話人でなくても会員であれば、どなたでも参加できます。ぜひ、覗いてみてください。
●9.乙女高原でのイベントではありませんが・・・乙女高原の「兄弟草原」と言える甘利山の、乙女高原ファンクラブの「兄弟クラブ」といえる「甘利山倶楽部」総会後の講演会で、ウエハラが「小さな草原の、大きな挑戦~乙女高原の生物多様性保全大作戦」というテーマでお話させていただく予定です。一般の方も聴講可能だそうです。ご都合がつくようでしたら、どうぞ。2019年2月2日(土)1時から総会、1時30分から講演(90分間)、3時から交流会、3時30分終了の予定です。
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1.【活動報告】●乙女高原自然観察交流会● 12月01日(土)
牧丘道の駅に集合したのは井上さん、岡崎さん、鈴木さんと私の4人、午後3時には戻ってきたいという合意のもとで、私の車1台で出かけることにしました。
杣口林道の途中で車を止めて、まずはヤドリギの観察から。ここでは黄色い実と赤い実の両方を同時に見ることができます。赤い実はまだオレンジ色で、これから熟していくともう少し赤みが増してくるかと思います。鳥のレンジャク仲間が実をついばみに来るのを見てみたいとは思いますが、このあたりに渡って来る時期がわかりません。
今年はじめに山中湖畔に見に行った時には1月下旬から2月上旬にかけてヒレンジャクが渡って来ていました。そこでは毎年大勢の鳥写真家たちが撮影待ちしていますので、見逃すことはないでしょう。
草刈り後の乙女高原は散髪終えた後のさっぱり感を感じました。昨年はネズミの巣探しをしましたが、来年の乙女高原フォーラムでの講演が藤井久子さんのコケの話でもあり、今年塚田さんが調査してくれたコケの名札を頼りにコケを観察しようと森のコースを歩くことにしました。
さっそく草地にもコケがありました。花の時期だと誰にも気づかれずにいたと思いますが、草刈り後だと地面に青々としていて良く目立ちます。コケの名札がありました。ハイゴケです。ルーペを使って細部を観察します。そして井上さんが持ってきた図鑑を調べてくれます。日当たりの良い至るところで見られるポピュラーなコケで、葉先が鎌状に曲がっていて、乾くと枝が内向きにカールするのが特徴とあります。
少し進んでミズナラの広場のあたりに行くといろいろコケが出てきます。地上のあちこちに見られるのはシッポゴケです。図鑑によるとこれもポピュラーなコケで、近縁種のオオシッポゴケやカモジゴケとの区別が初心者には難しいとあります。茎の長さがシッポゴケとカモジゴケは10㎝ほどと長く、オオシッポゴケが名前とは裏腹に5㎝ほどと短く、シッポゴケの仮根は白色で、オオシッポゴケとカモジゴケの仮根は褐色とあります。またシッポゴケとカモジゴケの葉は針状に細いが オオシッポゴケは葉先まで一定の幅があり、乾くとシッポゴケの葉は茎に直角に向きはバラバラで、オオシッポゴケやカモジゴケは同じ方向に鎌状に曲がると書かれていました。近縁種が出てきた時に見分けられるでしょうか。
ミズナラの樹幹にも名札が付いています。ミノゴケとヒムロゴケでした。ミノゴケは茎が岩や樹幹を這い、1㎝ほどの枝をたくさん立ち上げ葉を密集させていて、葉は乾くと褐色がかり丸まって粒状になるとあります。またヒムロゴケは岩や樹幹を這う一次茎とそこから立ち上がった二次茎があり、一次茎には小さな葉が鱗状に付き、二次茎には樹状に枝や葉を伸ばしていて、乾くと二次茎がカールするので羽毛のように見えると図鑑に書かれていました。幹の地際近くにもう1種、コツボゴケもありました。胞子体の朔が提灯タイプで、直立茎と匍匐茎を併せ持ち長く伸びて先端に小株を作って群落を形成するツルチョウチンゴケの仲間で、葉の上半部に鋸歯があり葉先が鋭頭なのが特徴です。近縁種のツボゴケと専門家でも見分けが困難とありますが、ツボゴケは雌雄同株でコツボゴケは雌雄異株なので、造卵器と造精器が作られる時期に観察すれば判別できるかもしれません。同定するには時期を変えて何度も足を運ぶ必要があり、観察交流会の度ごとに観察を繰り返すことになりそうです。
樹幹や足元のあちこちにコケがあって、これは何々、あれは何々と、同じものか違うものか観察していると先になかなか進みません。
少し上がった木陰の林床にはさらにコケも多く見られ、新しい名札が何種類かありました。まずはヒノキゴケですが、ヒロハヒノキゴケという近縁種もあるようで、見分けるには朔柄が茎の途中から出ていればヒノキゴケで、茎の基部からだとヒロハヒノキゴケとのこと、コケの同定には胞子体を観察することも必要になります。続いてナミガタタチゴケです。スギゴケ科の1種で、葉は波打つような横ジワがあり乾くと縮れ、朔は細長く、他のスギゴケ科の仲間にある朔帽の毛がこのコケにはないのが特徴です。そしてコケのようには見えないハミズゴケがありました。これもスギゴケの仲間ですがまったく似ていません。配偶体としての葉が退化してほとんど見えない、だから“葉見ず苔”で、長い朔柄をもった胞子体でコケとわかります。胞子体の下で藻類のような青黒としたマット状のものは原糸体で、発達しない配偶体の代わりに光合成をしていると図鑑に書かれていました。
シダ植物を小さくしたようなといったトヤマシノブゴケ、それにシッポゴケと見分けが難しいと書かれていたカモジゴケがありました。カモジゴケの特徴を見分けるために細部を観察します。見分けられるようになるには何度も何度も観察する必要がありそうです。スギゴケ仲間のコセイタカスギゴケとコスギゴケもありました。コセイタカスギゴケの葉は鋸歯があり幅があるのが特徴で、コスギゴケの葉にも鋸歯があり乾燥すると不規則に縮むのが特徴とありました。
地面にかがみこんで観察していると体が冷え、手がかじかんできます。林床だけでなく樹幹上にもコケや地衣類が付いています。花の観察と違って同定作業に時間がかかります。今日は皆さんコケに夢中で、刈り残されたマルバダケブキの果実が今日は振り向いてもらえません。
いつもだと立ち寄る富士山展望地には寄らず、草原コースを下ります。遊歩道脇にあったはずのオオカサゴケの名札がありません。刈り払われて無くなってしまったかと思いましたが、ありました。塚田さんが新しく付けてくれていました。
すでに12時を過ぎてしまっています。雲がかかると風も強く寒いです。ロッジ入口で風をよけながら昼食をとりました。
昼食をとり終えた後は車で下の草原脇の駐車場まで移動し、湿地帯のコケ観察もしてみました。水辺にあったのはフロウソウでしょうか。何々ゴケとは呼ばれないコケの1種です。他にも岩に張り付いたコケたちがありました。クリンソウも果実から黒いタネをこぼれ出していましたが、観察対象からは外れて関心を持たれず、いつもは主役のヤチボウズも今日は寂しげでした。
焼山峠まで下っていくと、まだ少し時間があるので琴川ダム展望台の方へと回ってみようということになりました。展望台からは金峰山が良く見えていました。いつもとは反対側から見下ろす琴川ダムも新鮮でした。
焼山峠へと戻る途中で、このあたりにクロウメモドキの黒い実があったはずという場所で車を降りて探してみました。数個の実が枝に残っていました。また近くにはイケマの果実がたくさん付いていて、裂けて飛び出たタネの羽が日の光を浴びて輝いていました。ツルウメモドキの実も残っていました。オニツルウメモドキかもしれません。ツルウメモドキの葉は両面とも毛が無く、オニツルウメモドキの葉裏の葉脈上には毛があるということですが、残念ながらすでに葉は落ちてしまっていてわかりません。来年の課題にしておきましょう。
焼山峠の近くまで戻ったところで同乗者から「あの赤い実は何?」と声がかかり、カンボクの実ではないだろうか、そうであれば見てみたいと車をとめて降りてみました。ルビーのようなカンボクの赤い実がまとまって日に輝いていてきれいでした。
花のない時期でしたが、塚田さんが付けてくれた名札のお陰でコケ観察をして乙女高原を楽しむことができたことに感謝です。来年度のイベントの一つとしてコケ観察会を加えてもらってもいいのではないでしょうか。
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2.【活動案内】 ●乙女高原自然観察交流会● 2019年01月05日(土)
・日 時 01月05日(土)午前9時~午後3時ころ (小雨決行)
・集 合 道の駅 花かげの郷まきおか 9時
・持 ち 物 弁当・飲み物・雨具 その他、あれば観察用具
■乙女高原観察交流会■
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。
※今年度の予定
終了①04月07日(土)集合:09:00・道の駅 兼:ヤマアカガエル産卵調査
終了②05月13日(日)集合:13:00・乙女高原 兼:スミレ観察会
終了③06月02日(土)集合:08:30・道の駅 兼:黄色いスミレ観察会
終了④07月07日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:谷地坊主観察会
終了⑤08月04日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
終了⑥09月08日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
終了⑦10月06日(土)集合:09:00・道の駅
終了⑧11月03日(土)集合:09:00・道の駅
終了⑨12月01日(土)集合:09:00・道の駅
【2019年】
⑩01月05日(土)集合:09:00・道の駅
⑪02月02日(土)集合:09:00・道の駅
⑫03月02日(土)集合:09:00・道の駅
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3.【活動案内】●乙女高原フォーラム● 2019年02月17日(日)
日 時 2019年 2月17日(日) 午後1時~3時30分
※スタッフ集合は11時半です。
スタッフにはお弁当を用意しますので,立候補される方は事前にご連絡ください。
※終了後、会場で講師を囲んでの茶話会をします。参加自由です。
場 所 山梨市民会館4階 401号室 ※駐車場は市役所跡地
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
■フォーラムのテーマ・・・「コケの世界にようこそ」
あなたはコケを知っていますか? 「苔寺」「苔むした岩」などのコケです。乙女高原ばかりでなく、家の庭、コンクリートのすきまなど身近なところにもいっぱいです。都会から高山・極地と地球上あらゆるところに生育し、ときどき「緑のじゅうたん」となって地面や岩・木の幹をおおう姿が見られます。コケたちは体が小さく目立たないし、きれいな花を咲かせることもありません。乙女高原に自然観察しに来る人はたくさんいますが、コケをじっくり見ようという人はあまりいません。わたしたちもそうでした。
ところが、ルーペを使ってコケを見てみると、そこはまるで小さな森。いろいろな色や形があり、日によって季節によって見える世界が違います。今回のフォーラムでは、目立たないけど、乙女高原の大事な仲間である「コケ」にスポットを当てます。ゲストに藤井さんをお迎えし、コケとはどんな生きものなのか? コケはどんな暮らしをし、どんな一生を送るのか? コケは自然の中でどんな役割をになっているのか?-など、コケ観察の入門ともいえるお話をしていただきます。藤井さんは「コケはともだち」と公言しているコケガールです。藤井さんのお話をお聞きし、コケに目を向けてみましょう。
■ゲスト・・・藤井 久子さん
ふじい ひさこさん。兵庫県出身・在住。幼少のころから自然が好きで、やがてコケに魅了されるようになる。編集ライターという仕事のかたわら、全国各地でコケ観察会やコケ講演会でその魅力を伝えている。著書に『コケはともだち』(リトルモア)や『知りたい 会いたい 特徴がよくわかるコケ図鑑』(家の光協会)などがある。岡山コケの会、日本蘚苔類学会会員。
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4.【活動案内】●乙女高原フェロー●
乙女高原ファンクラブの活動(※)に参加してスタンプ10個集めると「乙女高原フェロー」と認められ、乙女高原フォーラムで記念品が贈呈されます。
乙女高原ファンクラブ会員がこの奨励制度に応募するには「フェロー制度参加証」を発行してもらい、裏面に「乙女高原スタンプ」を押してもらうことが必要です。
フェロー制度参加証の有効期間は発行日から3年間です。
参加証発行日以前に参加した活動については、2017年4月1日以降の活動に限り、かつ、発行日から過去1年間に遡り有効です。
※乙女高原ファンクラブの活動
・乙女高原フォーラムに参加すること(必須 ただし中学生以下は必須としない)
・遊歩道作りに参加すること(必須 ただし中学生以下は必須としない)
・草刈りに参加すること(必須 ただし中学生以下は必須としない)
・世話人会に参加すること
・スミレ観察会に参加すること
・マルハナバチ調べ隊に参加すること
・ヤマアカガエル産卵調査に参加すること
・自然観察交流会に参加すること
○メールマガジンや会報、ブログでお知らせした活動で、重複して参加できます。
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