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 乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第436号  2020.8.10.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】乙女高原案内人・夏のボランティアガイド
NEW! 2.【活動報告】マルハナバチ調べ隊~盛夏編 08月01日(土)
NEW! 3.【活動報告】花と昆虫のリンク調査    08月02日(日)
NEW! 4.【活動案内】マルハナバチ調べ隊~盛夏編 09月05日(土)
    5.【活動案内】乙女高原自然観察交流会
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0.【ニュースニュース】

●1.長い長い梅雨がようやく明けたと思ったら、連日の猛暑。しかも、コロナ禍はとどまることを知りません。マルハナバチ調べ隊~初夏編、谷地坊主観察会に続いて、笛川小学校5年生の自然観察学習も雨で中止せざるを得ませんでした。ですが、夏のボランティアガイド活動→1やマルハナバチ調べ隊~盛夏編→2、そして、「花と昆虫のリンク」の調査→3を行うことができました。じっくりお読みください。

●2.コロナ禍に関係なく、乙女高原には夏がやってきています。シカ柵設置によって、花の種類も数も増えました。日陰にはフシグロセンノウが群れ咲いています。シモツケソウがたくさんあるところは、お祭りのわた菓子屋さんみたいです。「森のコース」途中の枯死したウラジロモミの大木周辺は、以前はマイヅルソウとコケばかりでしたが、陽当たりがよくなったせいで、いろいろな植物が見られるようになりました。昨日の帰り、車載温度計で確かめてみたら、乙女高原と自宅周辺では10℃も気温が違っていました。涼むには最高の季節です。見ごろの花の情報については、乙女高原ファンクラブのトップページをご覧ください。
http://fruits.jp/~otomefc/index.htm

●3.日本山岳遺産基金のウェブサイトで、乙女高原とファンクラブの活動が紹介されました。ご覧ください。
https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=1085

●4.(再掲)6月以降の開催行事について、告知方法を「ホームページ掲載」のみにしています。ちらしを作ったり、マスコミ等に告知依頼をしておりません。参加人数が多すぎないようにという配慮です。ご理解ご協力をよろしくお願いします。

●5.(再掲)次回世話人会の開催予定を載せたいのですが、コロナの影響でまだ市内の施設が夜間利用できません。次回世話人会の開催は未定です。
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1.【活動報告】●乙女高原案内人・夏のボランティアガイド●

 2004年に始まった「乙女高原案内人 夏のボランティア案内 自主活動」ですが、2009年まで6年間続きました。その後、「夏の自然観察会」「乙女高原を歩こう」などに形を変えて続きましたが、2016年から再開。再開から今年で5年目となります。夏の土日を中心に、乙女高原案内人が交代でロッジ前に「待機」し、訪問者の希望に合わせて説明したり、案内したり、場合によってはパンフレットをお渡しするだけだったり…。今年は7月下旬から8月上旬の土日祝日の7日間を活動日とし、23日に案内人有志が集まり、担当日や留意点について話し合いました。

 案内人の山本さんが、まるで日記のように記録を紡いでくださいました。その努力があったので、皆さんと案内人の活動について、皆さんと共有することができます。

●7月25日(土) シカ柵の扉のフックが…
 今日雨が降っていましたが、乙女高原へ行ってきました。着いたのは10時少し前でした。ロッジの窓を2か所だけ明けてから、それほどひどい降りではなかったので草原を散策していました。
 11時少し前にタクシーが5台上がってきたのでロッジに戻りました。毎年この時期に毎日新聞旅行が主催している乙女高原観察会のツアー団体でした。男性3名、女性11名、合計14名が、11時から12時まで約1時間の散策をしていきました。本来は焼山峠から乙女高原まで歩きの予定が、悪天候のためロッジ前までタクシーで来たようです。2時間半の歩きの計画が、1時間の散策で終わり、不満をもらしていたメンバーもおりましたが、ほとんどの方はこんな天気でも花が見れてよかったと言ってました。
 ツアー団体が帰るころには雨も上がってきて、時々パラパラ来ましたが薄日もさしたりしました。1時を少し過ぎたころに春日部ナンバーの車が1台到着しました。乙女高原は初めてという男性1名、女性2名のグループでした。小1時間ほど散策して帰られました。
 実は午前の団体が帰った後も、午後の小グループが帰った後も、扉のフックが外れたままでした。最後の人がフックを戻すように注意する必要があると思いました。展望台にも行っているようなので、外れたままになっていないか見にいき、大丈夫だったことを確認してから帰りました。午後にはオオマルハナバチとトラマルハナバチは訪花しているのを確認しました。また、咲いている花の掲示板をアップデートしておきました。

●7月26日(日) 雨がよく降りますが…
 前日の天気予報では、午前中は夜来の雨が残るも午後には雨も上がるということだったので、昼近くになったら乙女高原に行ってみようかと思っていたところ、雨が早めに上がったので、少し出遅れましたが、案内人活動に出かけてきました。駐車場に着いたときに角田さんご夫婦とお友達二人がちょうど着いたところでした。渡辺さんに連絡したから後から来るよと言って、4人で草原の中へと入って行きました。
 しばらくして渡辺さんが来られ、二人で話しながら草原を眺めていたら、下の駐車場の方からツツジコースを歩いてきたご一行が草原コースへと現れました。ロッジの方を向いて、案内人がいるようなことを男性のリーダーが説明していましたが、そのほかのメンバーは全員女性のようでした。昼時になってブナ爺さんの所まで行ってきたという角田さんたちが戻って来て、ご一行に出会ったよ、全員マスクして歩いていたよと教えてくれました。ベンチの所で昼食をとっているとご一行もやってきて、あずまやの所で昼食をとるようでした。
 草原にはやはり下の駐車場からツツジコースを通って草原コースへと歩いてきた数名のグループがいて、展望台の方へは行かずに草原コースから駐車場へと戻っていきました。
 また、お一人で焼山峠から歩いてきたと言う年配の男性がシャクナゲを見たいようなことを言ってましたが、大窪山はアズマシャクナゲなので終わっており、大弛峠まで行けばハクサンシャクナゲなのでまだ見れるでしょうという話をしましたが、車ではないので行けないようでした。
 天気が怪しくなってきたので、ロッジ軒下へ移動して角田さんたちとおしゃべりしていてアサギマダラの話になり、渡り蝶の習性の話から北アメリカの渡り蝶の話をさせてもらいました。雨も激しくなってきて本降りとなり止みそうもなかったので、あずまやのご一行はまだ雨宿り状態を続けていましたが、早めに活動を終了して帰ることにしました。

●8月8日(土) 虫取り網を持った人がいました
 今日は井上さんと鈴木さんと私の3人参加しました。草原を散策する人たちもまばらで大半は草原駐車場を利用されてました。所沢のご夫婦は毎年来られているようですが、以前東京で植原さんの講演を聞いてメルマガ会員になっていた経緯があり、以来乙女高原が好きになったようです。
 虫取り網をもっている男性がいましたが、草原には入らないで、道路沿いで虫取りをしていました。
駐車場で涼むといった人たちはいませんでした。
鈴木さんは時間前に帰りましたが、私は井上さんと草原内のマツヨイグサを除伐して帰りました。
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2.【活動報告】●マルハナバチ調べ隊●  08月01日

 特に何にも告知はしていませんが、当日は10人がマルハナバチ調べ隊のために来てくださいました。スタッフで話し合い、本日の調査はコロナ感染拡大防止のため、午前中のラインセンサス調査のみにし、短時間で終了させることにしました。もちろん、説明時には人と人の距離を取り、スタッフは必ずマスクをすることにしました。
 全体の司会進行は鈴木さん。それに三枝さん、芳賀さん、井上さんがサポートしてくださいました。
 紙芝居は、芳賀さんのお孫さんグループが一手に引き受けてくれました。この子たち、紙芝居上演はもう何回目になるでしょうか。
 トイレや持ち物など少し準備の時間をとった上で、ラインセンサス調査のために草原内に入っていきました。曇りがちで気温も低く、マルハナバチがどれくらいいるか心配でしたが、その心配はすぐになくなりました。次から次へとマルハナバチが見つかるのです。しかも、気温が低いせいか、動きが鈍く、いつもだとハチの動きが忙しすぎるので見にくい花粉団子の様子もばっちり観察できます。「ミヤママルハナバチ、働きバチ、花粉団子は無し、蜜を吸ってる、来ている花はノハラアザミ」といった具合に、調査票に記入していきました。
 結果、1時間のラインセンサスで113頭のマルハナバチが観察できました。内容は以下の通りです。

・トラマルハナバチ  計03頭。 ノハラアザミ2 ノアザミ1
・オオマルハナバチ  計77頭。 ノハラアザミ36 クガイソウ20 タチフウロ16 キリンソウ4 ヒメトラノオ1
・ミヤママルハナバチ 計33頭。 ノハラアザミ26 タチフウロ6クガイソウ1

 113頭というのは17年間のマルハナバチ調べ隊の中でも3本の指に入る大記録です。「たくさんいて、うれしいな」と思っていましたが、調査をしていくうちに、だんだんその思いがしぼんできました。
 なぜかという出会うマルハナバチのほとんどの動きが緩慢なのです。さっきも書きましたが、最初は気温のせいかと思っていましたが、たぶん違います。ハチたちの毛並みが悪いのです。つまり、年寄りのマルハナバチなのです。年寄りだから、動きが鈍いのではないかと思われました。
 もう一つは、花粉団子を付けていないハチの多さです。花粉団子を付けていたのは113頭のうち3頭だけでした。この時期、マルハナバチの巣の中ではたくさんの幼虫が、働きバチが届ける花粉団子を待っているはずです。なのに、花粉団子を付けていないとは、どういうことでしょうか? 幼虫の成長に何か問題があったのでしょうか?
 考えているうちに、一つの仮説が思い浮かびました。今年は梅雨の雨が多く、しかも長引きました。それは、地面の下に巣を作るマルハナバチにとって、とても迷惑なことで、例年だとそんなことはないのですが、浸水被害 (?)が生じてしまい、次世代の幼虫たちが育っていないのかれしれません。あるいは、長雨で、十分な餌を確保できず、子育てに支障があったのかもしれません。その結果、「新しく・若々しい」働きバチが少なく、「年寄りの毛並みの悪い」働きバチが多くなり、また、巣には幼虫がおらず、そのため花粉を集める必要がなくなってしまったのではないでしょうか。
 もし、9月の調査で、マルハナバチが減っていれば、この仮説が正しい可能性が大きくなります。9月の調査が楽しみですが、怖くもあります。
 午後からは、植物の解説カードを取り付ける作業を行いました。
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3.【活動報告】●花と昆虫のリンク調査●  08月02日

 2013年、麻布大学・高槻研究室の学生・加古さんが「花と昆虫のリンク」の調査・研究を乙女高原で行いました。この場合のリンクというのは、花と昆虫の結びつきということです。5月から10月まで何度となく乙女高原を訪れ、どんな花にどんな昆虫が来ているかなどを根気強く調べ、卒業論文にまとめました。すごい労力だったと思います。
 高槻先生の提案によって、今年、これと同様の調査を行い、2013年の結果と比較してみようということになりました。2013年からの7年間に、乙女高原では大きな環境変化がありました。2015年に草原をぐるっと囲むシカ柵ができたのです。状況はあきらかに変化しています。それを解き明かそうというのです。ところが、この調査は「いい天気」の日でないとできません。いい天気でないと、昆虫たちが活発に活動しないからです。最初設定した7月11日は天候不順で中止。12日も、18日も、19日も、東京オリンピックの開会式のはずだった4連休もだめでした。そうこうしているうちに東京でコロナ感染が拡大し、そもそも高槻先生が山梨に来れなくなってしまいました。

 そこで、高槻先生なしで、高槻先生から事前に送っていただいた調査マニュアルを見ながら、調査を行ってみることにしました。マルハナバチ調べ隊の翌日、8月2日です。この日は静岡からの団体を案内する予定日でしたが、そこは山本さんと渡辺さんにお願いし、三枝さん・芳賀さん・井上さん・鈴木さん・角田(晴)さん・植原の6名が2人ずつ3グループに分かれて調査しました。ちなみに、この日は角田(敏)さんが遊歩道等の草刈りをしてくれ、遊歩道を歩きやすくしてくださいました。

 高槻先生の送ってくださった遊歩道地図には、ポイントポイントに1から16の番号がついています。そして、1と2の間はA、2と3の間はBというように、各区画にアルファベットが割り振られていました。今日はAを三枝・鈴木グループが、Cを井上・芳賀グループが、Dを角田・植原グループが調査することにしました。
 所定のスタート・ポイントに行き、出発時刻を調査票に書き込みます。そして、遊歩道の右側2m範囲内で花に来ている昆虫を探して1歩ずつ歩きます。このとき、歩数を数えておきます。花に来ている昆虫を見つけたら立ち止まり、発見時刻・歩数・花の種類・昆虫の種類を調査票に書き込みます。花は種名まで書きますが、昆虫ではそれはむずかしいため、わかる範囲で書きます。基本的には、1ハチ 2ハエ・アブ 3チョウ 4ガ 5甲虫(コガネムシなど) 6その他(カメムシ、アリなど)…の6群に分けられればいいことにします。ゴール・ポイントに着いたら、今度は来た道を戻り、やはり右側(行きとは反対側を調査することになります)で花に来る昆虫を見つけながら歩いて、スタートまで戻ります。一つの花(またはひとかたまりの花)にたくさんの昆虫が来ていることがありますが、その場合「ハエAが3匹、ハエBが2匹」などと記録することにしました。
 どの区画も調査するのに1時間前後かかりました。そして、たとえば、ウエハラが角田さんと行ったD区画では108もの「花を訪れる昆虫」が記録されました。

 調査方法が妥当かどうか高槻先生に確かめたかったし、天気も怪しくなってきましたし、なにより、調査票がなくなってしまいそうだったので(こんなに多くの「リンク」が記録されるとは…)、午後の調査は行わず、午前で打ち切ることにしました。

 1週間後の8月9日、乙女高原の案内活動を行いながら、調査の続きをしました。芳賀さんにも手伝っていただきながら、さらに7区画の調査を行いました。これで10区画の調査が終わり、残る区画は8つとなりました。
 調査結果を高槻先生がどのようにまとめてくださるか楽しみです。
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4.【活動案内】●第18期 マルハナバチ調べ隊~初秋編● 09月05日(土)

 今年も愛くるしく,乙女高原随一のインタープリターであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。

■日 時 09月05日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)

※乙女高原ファンクラブでは年に3回ずつマルハナバチ調べ隊を行っています。
 初夏編 女王バチが見られる…かも
 盛夏編 たくさんの働きバチ
 初秋編 超レアなオスバチが見られる…かも
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5.【活動案内】●乙女高原自然観察交流会●

・集 合 「原則」午前9時 道の駅 はなかげの郷牧丘(国道140号沿い)
     乗り合わせて乙女高原に向かいます。
・持ち物 弁当,水筒,あとは観察用具。標高が高いので防寒着も用意してください。
・参加費 無料。

 【乙女高原観察交流会 覚書】scince2015.12
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。

※今後の予定
⑥09月05日(土)10:00~14:30兼・マルハナバチ調べ 乙女高原グリーンロッジ集合
⑦10月03日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
⑧11月07日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
⑨12月05日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
⑩01月09日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
⑪02月06日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
⑫03月06日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
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