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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第439号 2020.10.25.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】10月25日の乙女高原
2.【活動案内】第21回草刈りボランティア 11月23日(月・祝)
3.【活動案内】乙女高原自然観察交流会 11月07日(土)
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0.【ニュースニュース】
●1.【お願い】再三お知らせしていますが、今年の『草刈りボランティア』は草の運び出しなし・豚汁なし・キッズのブナじいさんなし…と、規模を縮小して行います。ちらしも作りません。したがって、参加者が少なくなる可能性大なので、11月7日(土)の「下準備の会」でロープ回収など、できるだけ作業を進めてしまう段取りになっています。
11月7日(土)の作業は午前9時スタート。スタッフは弁当持ちで、午後まで作業するつもりでいます。この日もできるだけ多くの方に参加していただきたいと思っています。もちろん、それぞれご都合があるでしょうから、9時に間に合わなくても、1日じゅうでなくても結構です。ぜひ多くの方に力を貸していただきたいと思います。よろしくお願いします。雨天決行です。
●2.来年1月31日(日)に開催予定だった乙女高原フォーラムですが、冬の感染拡大(コロナ+インフル)が心配ですし、草刈りや観察会と違ってインドアでの催しですから感染リスクが高くなります。そんなことから、10月22日の乙女高原連絡会議で、涙を呑んで延期する決断をしました。丸々1年延期します。ですから、次回の乙女高原フォーラムは2022年の1月ということになります。
スペシャルゲストをお知らせしておきますね。鷲谷いづみさんです。日本を代表する保全生態学者です。以前、鷲谷さんの書いた『サクラソウとトラマルハナバチ』という文章が小学校5年生の国語の教科書に載っていて(※)、マルハナバチ調べ隊で紹介したり、街の駅やまなしでの乙女高原展で触れたことがあります。フォーラムでは「改めて、生態系・生物多様性とは何か」「生態系・生物多様性を保全するために何をしなければならないか」「その際の市民(活動)の役割は」「草原の生態系・生物多様性を保全するときの注意点は」といったことをお話しいただきたいと考えています。
フォーラム開催までに十分な時間ができましたので、鷲谷さんの著作を図書館で借りたりして読んでおいたらいかがでしょうか? ちなみにウチの本棚には鷲谷さんのこんな本が並んでいます。一部紹介します。
・サクラソウの目~保全生態学とは何か~ 地人書館
・<生物多様性>入門 岩波ブックレット№785
・実践で学ぶ<生物多様性> 岩波ブックレット№1015
・自然再生~持続可能な生態系のために~ 中公新書
・さとやま~生物多様性と生態系模様~ 岩波ジュニア新書
・よみがえれアサザ咲く水辺~霞ヶ浦からの挑戦 文一総合出版
・花はなぜ咲くのか 山と渓谷社
※平成17-22年の光村図書の国語教科書5年(上巻)
●3.山梨県立大学・箕浦一哉先生の授業「環境論」の一コマをいただき、ゲスト講師として「市民による自然保護活動の実践事例紹介(もちろん乙女高原のことです)」をさせていただいています。今年で6年(回)目になります。今年はコロナの影響で、大学の授業はリモートになっていました。ですから、今年は講義室ではなく、箕浦先生の研究室にお邪魔して、パソコン前での授業になりました。なんだか、ラジオの深夜番組のDJをやっている気分です。どうしても一方通行になってしまいそうなので、こちらから質問を投げかけて、その答えをチャットに書くようにお願いしました。チャットに寄せられた文を読み上げ、こちらからコメントを加えました。ますます「リスナーからのリクエストカードを読み上げるDJ」みたいになりました。
●4.10月25日、乙女高原へ行きました。快晴でした。すでに先週から、冬鳥であるアトリの群が来ています。他の冬鳥たちもそろそろ登場してくると思います。
ちょっと気になっているのがツグミの状況です。毎年、家の近く(従って、ほぼ毎日観ている)でツグミを確認する前に乙女高原で声を聞いたり、姿を見たりしています。乙女に行っているのは、どんなにがんばっても1週間おきなのに…です。やっぱり北の方から順々に渡ってきているのでしょうか? ちなみに、今日はヒヨドリの声も聞きました。これも気になります。→1
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1.【観察報告】●10月25日の乙女高原●
1日快晴でした。真っ青な空。太陽の光が紅葉に降り注ぐと、そこだけ赤が見事に浮かび上がり、どきっとするほどきれいです。乙女高原に向かう林道の途中で、何度も車を止めては、紅葉の写真を撮りました。後で写真を見ると、「こんなんじゃなかったんだけどな」って、いつも思うんですけどね。
乙女高原に着きました。気温は10℃以下。もちろん暖かなジャンバーを着ていますが、ちょっと肌寒いです。草原は一面のススキ原。草原の向こうで、ダケカンバはすでに冬のいでたち、シラカバは落葉の真っ最中。そんな木々の中で、葉を落とさないウラジロモミの緑が存在感を増していました。
この時期のちょっとした楽しみはコオニユリの実。どういうわけか横っ面に穴が開いているのが多くて、自分は鳥の仕業じゃないかと思っているのですが(嘴でつついたように見えるので。それに、マツムシソウの実を鳥がつついているのを見たことがあるので)、井上さんから「えーっ、虫じゃないですか」と反論され、いつか現場を見てやるぞと思っているところです。
・・・って、そのことじゃなくて、実を見つけると、指ではじいてみるのです。スイカがおいしいかどうか指パッチンする感じです。すると、まだ熟してないやつは、中身が詰まっていて、まさしくスイカのコンコンといった感じがするのですが、実が熟してくると、なんとなく中が空洞で、軽くて、マラカスみたいな感じになってきます。そうなったら、もう少しで縦に割れ目が入ります。その割れ目にはスケスケのレースが付いています。お、実際に、割れ目まで入っている実もありました! そしたら、割れ目に向かって横から息を吹きかけます。すると、レースから入った空気がたねを押し上げて、実の上からたねがこぼれ落ちました。たぶん少しでもたねを遠くまで落とすための工夫だと思うのですが、割れ目にレースが入ることによって、割れ目から直接たねはこぼれ落ちずに、ある程度以上の風が吹いたときだけ、風の力によって、たねが実の上から飛び出すしかけになっているようなのです。ユリの実であれば、このレースが付いていますので、フーッと息を吹きかけてみてください。
そういえば、アヤメの実も、ヤマオダマキの実も、トリカブトの実も、レースこそありませんが、上が開いていて、上からたねがこぼれ落ちるようになっています。
この時期は、ほかにもいろいろな実・たねが見られ、おもしろいですよ。
ノハラアザミ、ハバヤマボクチ、ハンゴンソウ、マルババタブキ、ヨツバヒヨドリ、シラヤマギク、ゴマナなどは、タンポポみたいな綿毛を持ったたねです。でも、綿毛の形状が違います。タンポホみたいにたねから柄が出て、その先が無数に分かれていて、打ち上げ花火みたいになっているものから、柄がなくて、たねからいきなり花火が打ちあがっているもの、綿毛にさらに枝が付いているもの・・・などなど。同じ綿毛といっても、いろいろな様式美があって、ルーペでみると、さらにおもしろいです。
綿毛と同じく散布のために風を利用しているたねでも、イタドリやオオバギボウシはたねをラミネートした感じです。たねをはさまずにラミネートフィルム同士が直接接着した部分がたねのまわりに広くあって、それが翼の代わりをしています。
マユミの真っ赤な実もちょうど見ごろでした。濃いピンクの実(たねのカバー)が二つに割れて、中から朱色っぽいたねがのぞいています。両方ともビビットな赤で、その対比が面白いです。
そうそう、エイザンスミレの実がよく見られるのもこの時期です。まったくスミレにはだまされます。春先、小さな葉を出し、可憐な花を見せてくれるので、か弱いイメージがありますよね。ところが、夏には春とは似ても似つかない、大きな葉を出します。かよわいというイメージはまったくありません。エイザンスミレにいたっては、葉の形もまったく違います。大きく3つに裂けた葉です。そして、晩秋になると、花らしい花をつけないのに、実を付けてしまいます。これを閉鎖花と呼ぶそうです。自家受粉しちゃうのだから、わざわざきれいな花を咲かせなくてもいいでしょ、省略省略・・・ということでしょうか。みもふたもない感じです。森のコースで見られますよ。
いろいろな木を見上げると、この時期、葉が薄くなっているのでしょうか。ステンドグラスみたいに光を通して、とてもきれいです。ミズナラは明るい黄緑色、ハウチワカエデは朱色、ヒトツバカエデはクリーム色。葉脈がアクセントになっています。遠くに、雪をかぶった富士山の姿もよく見えました。
ツツジのコースを歩いていると、ヒッヒッヒッと小さな声が聞こえてきました。アトリの群です。しばらく立ち止まって、彼らが近寄ってくるのを待ちました。お日様の光が横から直接、アトリの体に当たるので、色がくっきりと見えます。きれいですね。次から次へとやってきて、そして、飛び立っていきます。しばらく見ていました。動きが速すぎてはっきりしたことはわからないのですが、アトリたちはどうも木の芽を食べているようです。ふと、「なんの木の芽を食べているんだろう」と疑問を持ち、アトリの止まっている木に着目してみました。不思議なことに、アトリの止まっている木はすべてシラカバでした。近くにミズナラやアカマツ、ズミもあるのに、シラカバばかりです。アトリはシラカバの木の芽がお気に入りなのかもしれません。
結局、30分そこにとどまり、ゆっくりバードウォッチングを楽しみました。アトリの群の中に一羽だけマヒワが混ざっていました。また、群の最後近くに、ルリビタキもいました。もっとも、この子は偶然アトリと一緒にいただけだったのかもしれません。
今日は特に調査など「乙女高原でやらねばならない」ことはなく、また、夕方に用事はありましたが、それまで十分時間があったので、ゆっくり自然観察を楽しむことができました。自然の中でゆったりした時間を過ごすと、なんか癒されて、心が豊かになった感じがしますね。ミヒャエル・エンデの『モモ~時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語』を思い出しました。
ロッジに戻り、秋の日に照らされた草原を眺めながらベンチでお昼を食べ、ゆっくりコーヒータイム。そして、森の木々のステンドグラスを見上げながら林道を歩いて自然観察し、乙女高原を後にしました。焼山峠で、駐車場が空いているのに、林道に路駐したり、トイレの横にまで車を入れているのを目にしました。きっと今日は大勢の人が小楢山に登ったのだと思います。車が駐車場にいっぱいだったので、やむなく路駐等をしたのだと思います。
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2.【活動案内】●第21回 草刈りボランティア● 11月23日(月・祝)
コロナ感染拡大防止のため、規模を縮小して行います。
◎コロナ対策で規模等を縮小して、できる範囲で草刈りを行う。
※期日前に中止判断をする可能性もある。
◎準備は参加者・スタッフが少ない想定で行う。
◎半日開催(昼食をとるのは自由。密を避けて)
・実施日は11月23日(月・祝)。
荒天の場合、29日(日)に延期。(林道の通行は天候等による)
・ちらし→作成配布しない。
・往復バスの運行→中止
・豚汁づくり→中止
・キッズボランティア→中止
・ごみ収集車での刈草運搬→行わない
・記念写真は人との間隔を取って撮る。(少ない参加者)
●ちらしは作らず、参加者が少なくなりすぎる可能性があります
メールマガジンを読まれた方はできるだけ参加をお願いします
●作業の重点は、
①とにかく草を刈る
②遊歩道へ敷き入れる
③旧谷地坊主遊歩道の急坂への敷き入れをしっかり行う。
●11月7日(土)午前9時からのの準備作業を充実させる
こちらへの多くの方の参加を望みます!!!
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3.【活動案内】●乙女高原自然観察交流会● 11月07日(土)
今回は急遽変更して、草刈りボランティアの準備を行います。
とはいえ、この時期の乙女高原の自然を観察することもできます。
・集 合 午前9時 乙女高原グリーンロッジ前
・持ち物 特にありませんが、標高が高いので防寒着も用意してください。
11月上旬といえば、初雪が降ります。
弁当,水筒等をご用意ください。
午後までかかってしまうかもしれませんが、都合のある方は午前中のみでも結構です。
・内 容 ロッジ等のそうじ、ロープの回収等、草刈りボランティアの準備作業
【乙女高原観察交流会 覚書】scince2015.12
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。
※今後の予定
⑨12月05日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
⑩01月09日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
⑪02月06日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
⑫03月06日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
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