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 乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第447号  2021.2.13.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】乙女高原自然観察交流会 02月06日(土)
    2.【活動案内】乙女高原ファンクラブ20周年展
    3.【活動案内】乙女高原ファンクラブ総会03月14日(日)
    4.【活動案内】乙女高原自然観察交流会 03月06日(土)
NEW! 5.【活動回顧】⑤ 誕生、乙女高原ファンクラブ(2000-2001年)
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0.【ニュースニュース】

●1.乙女高原ファンクラブのニュースレター2004号(2020年度の第4 号)を発送しました。このコロナ禍だというのにページはてんこ盛りの12ページ! 今号も多くの皆さんの協働作品です。編集は井上さん、岡崎さん、植原。編集長は鈴木さん。印刷は芳賀さん、三枝さん。発送作業は井上さん。
 今号は普通会員のみにお送りしました。会員には普通会員とサポーター会員の2種類があり、サポーター会員には年に1 度、普通会員には年4回ニュースレターをお送りしています。両方とも年会費等はないので、できれば普通会員に登録していただければと思います。「会員の多さ=乙女高原を守る力の大きさ」とも言えるので、多くの方にご入会いただきたいです。

●2.ニュースレターに乙女高原ファンクラブ2020年度総会の出欠ハガキを同封しました。できるだけ早く投函をお願いします。
 出欠ハガキには「世話人に立候補しませんか?」という項目もあります。乙女高原ファンクラブはボランティアの会なので、世話人改任は「立候補→総会で承認」という手順を踏みます。乙女高原の自然を次世代に引き継ぐため、ぜひ立候補をよろしくお願いします。すでに立候補いただいている方もおります。このメールに返信でも結構ですし、総会の出欠ハガキに記入し、投函いただいても結構です→3

●3.「乙女高原ファンクラブ20周年展」が3月12日(金)~16日(火)まで、山梨市駅前の「街の駅やまなし」で行われます。コロナ禍の中ではありますが、感染対策を万全にしながら実施します。ぜひおいでください。
 なお、乙女高原展には受付係が必要です。すでに5人の方から立候補いただいておりますが、多くいれば、それだけ一人の負担は少なくなります(一人で受付席に着かなくてもよくなります)。また、開催前の展示作業、開催後の撤収作業も必要です。求む、ボランティア!!→2

●4.乙女高原自然観察交流会は野外での活動ですし、人と人との距離を十分取れば大丈夫だろうと考え、続けています。2月の交流会の様子を山本さんがレポートしてくださいました→1

●5.メールマガジン445号でお伝えした「カヤネズミの球巣が見つかったかもしれない」件の続報です。1月の自然観察交流会で、井上さんに見つけた場所を教えてもらい、ススキの株の地上70cmのところにあったということがはっきりしました。茎上巣です。巣の中に見つかった糞を高槻先生経由で麻布大学の村上先生にお送りし、DNA解析をしてもらいました。結果、解析するのに必要なDNA量が十分に抽出できないか、あったとしても、ネズミなどではないDNAの可能性が高かったそうです。
 今年の夏はぜひ草原内で茎上巣を見つけ、糞をゲットしましょう!

●6.2021年1月31日付け山梨日々新聞の「時標」というコラムに記事を書かせていただきました。乙女高原ファンクラブ設立20周年を迎えての文章なのですが、乙女高原のこと、ファンクラブの活動のことを紹介する…というより、自然を守る(市民)活動として大切にしていることを書いて、活動の参考にしてもらおう…という気持ちで書きました。このメールマガジンにしては珍しいのですが、新聞をスキャンしてPDFにしたものを添付します。よろしければご笑覧ください。

●7.2021年が乙女高原ファンクラブ創設20周年となることから、乙女高原の保全活動の歩みを回顧する連載をしています。今回はその第6弾。ウエハラが農文協の雑誌『食農教育』2005年7月号に書かせていただいたものをベースにしています→5

●8.乙女高原案内人でもある、北杜市在住の竹内時男さんが事務局を務める八ヶ岳野鳥クラブが『八ヶ岳南麓の野鳥~鳥類目録2021』というA4版オールカラー144ページという立派な冊子を作成しました。まず、表紙にびっくり。日本を代表する動物(特に鳥)画家である小林重三さんと薮内正幸さんの絵が表紙を飾っていました。内容もすごいです。毎月1回、清里湖周辺で12年、井富ため池周辺で11年、ラインセンサス調査をした結果がまとめられています。そんな地道な努力があったからこその冊子です。2021年1月5日の山梨日々新聞でも取り上げられました。
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1.【活動報告】●乙女高原自然観察交流会● 02月06日(土)

 山本義人さんがレポートをお寄せくださいました。

 前日までの強風も収まり、寒さも和らいだよく晴れた日和でした。植原さんが参加できないということでしたが、初めての方がお二人いたので参加者は5人でした。お二人は相談して一緒に参加されたのではなかったものの、お互い別の場所でお会いしたことがあった方どうしでした。

 先月同様にカエル池とサワラ天然林に立ち寄ってみました。カエル池にやはり水はなかったものの、少しだけですが薄い氷があったので、水気はあるようなのですが、溜まるほどになるのか心配です。このままだとカエルも別の産卵地を探して移動してしまうのでしょうか。見つけられればいいのですが。サワラ天然林のカメバヒキオコシの氷華も小さなものがまだありました。沢の水は凍ってなくて流れていました。
 柳平までの林道には雪はありませんでしたが、ゲートから先トンネルを抜けて橋を渡ると、その先は路面に残った雪が凍っていました。今回は焼山峠での観察をパスして、まずは乙女高原まで行ってしまうことにしたので、いつもだと乙女高原に着くのがお昼時で、昼食をとってからの観察になりますが、この日着いたのはまだ10時半だったので、観察して戻ってから昼食をとることにしました。

 草原は雪の解けてしまった場所もありましたが、大方は残っていて25cmほどの場所もありました。雲一つなく風もなく雪の上を歩いていくと厚着をしているので暑さを感じるほどでした。ゴマナやキオン、チダケサシ、キリンソウ、アキノキリンソウなどのドライフラワーや、レンゲツツジやオオカメノキ、ツノハシバミなどの冬芽を観察しながら富士山展望地へと上りました。動物の足跡が少なく、残っていてもはっきりとしてないので何の動物かわかりません。ウサギの足跡が見られませんでした。雪の積もった後寒くて出歩かなかったのでしょうか。いつもだと小鳥をたくさん見かけますが見かけません。展望地からは富士山がよく見えました。南斜面となる草地の雪は解けてしまっていました。ヨモギ頭からは木々の間に南アルプス、八ヶ岳、金峰山がよく見えました。植原さんの記事に出てくる「第二乙女高原」というのはどこかという話が出て、一度植生を見比べる観察をしてみたいという提案がありました。
 枯葉をたくさんつけたままにしているのはヤマコウバシでしょうか。クロモジの仲間なのでやはり枝を削れば香るのでしょうか。冬の枝でも香りがするのか、新緑の頃が一番香るのか。ズミの枝にはまだドライフルーツがついていました。ズミの花はきれいで花の咲く頃に来たいという話になりました。落ちていたアオナシの実の食痕はネズミの仲間が食べた痕でしょうか。県内の山に自生しているのはヤマナシではなくアオナシで、果実になってもガクが残っていて目立つが、花で見分けるのは難しいようです。兜山の登山口駐車場にはヤマナシが植栽されているので比べてみることができるという話もありました。

 ロッジ前のベンチで昼食をとり終えたのが1時で、いつもよりずっと早いのですが、ヤチボウズの湿地を覗いてから帰ることにしました。ヤチボウズの頭には雪の帽子をかぶっておらず、水も流れていました。焼山峠の駐車場にも立ち寄って林縁を観察してみると、ツル植物がより糸状に絡み合ってカラマツの枝に登っているのを見つけました。乙女高原の防鹿柵の金網にからみついているのと同じものをこの辺りで見たということから、カラハナソウでしょうか。S巻になっているものとZ巻になっているものが見られましたが、違う種類のものが混生しているのか、状況によってどちらにでも巻くのか花の時期に確認してみたいです。道の駅に戻ったのがいつもよりも早く2時を少し回ったところでした。立春を過ぎこれから暖かくなるに伴い乙女高原の自然の新たな営みが始まるかと待ち遠しく思える1日でした。
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2.(再掲)【活動案内】●乙女高原ファンクラブ20周年展●

 2021年4月22日、乙女高原ファンクラブが設立20周年を迎えるのを記念して、この20年間の活動を振り返れるような展示会を開催します。

○主催 街の駅やまなし  ○共催 乙女高原ファンクラブ
○会期 3月12日(金)~16日(火)
○時間 10時~16時
○会場 街の駅やまなし
 https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html
○内容例 乙女高原ファンクラブ20年のあゆみ(年表と懐かしい写真)
     新聞記事で振り返るファンクラブの20年
     乙女高原の春夏秋冬
     乙女高原の地形(立体模型)などなど

○求む、ボランティア!
 ①展示作業 3月11日(木) 17:30~ 街の駅やまなし
   展示ボードや長机を設置し、パネルや展示物を設置していきます。
   1時間以内に終わる予定です。
 ②展示受付 3月12日(金)~16日(火)  10時~16時 街の駅やまなし
   受付机に座っていて、見に来てくださった方に記名してもらい、検温します。
   会期中の10時から16時の間で、ご都合のいい時間帯をお知らせください。
 ③撤収作業
   3月16日(火) 16:00~ 街の駅やまなし
   片付け作業です。机等は消毒していただきます。消毒液は会場で準備。

 ボランティアに立候補いただける方は、このメールにご返信ください。
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3.(再掲)【活動案内】 ●2020年度総会● 03月14日(日)

日 時 3月14日(日)午後2時~(準備は1時半から)
場 所 街の駅やまなし
 https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html

次 第
 1.開会のことば
 2.代表世話人あいさつ
 3.議 事
  ①2020年度活動報告
  ②2020年度収支決算報告
  ③会計監査報告
  ④2021年度活動計画提案
  ⑤2021年度収支予算提案
  ⑥世話人の承認 → 世話人の互選により代表世話人を選出
  ⑦新旧世話人あいさつ
 4.その他
 5.閉会のことば

※今回は2年に一度の「世話人改任」です。多くの方に立候補していただきたいと思っています。世話人あっての乙女高原の活動です。ぜひよろしくお願いします。---------------------------------------------------------------------

4.(再掲)【活動案内】●乙女高原自然観察交流会● 03月06日(土)

・雨や雪の場合、決行するか中止するかは連絡しません。
 各自でご判断ください。
・集 合 午前9時 牧丘の道の駅集合
・持ち物 弁当,水筒等をご用意ください。
     帰りの時間は、集まったメンバーで協議して決めます。

 【乙女高原観察交流会 覚書】scince2015.12
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。
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5.【活動回顧】⑥ ●誕生、乙女高原ファンクラブ●(2000-2001年)

■乙女の草原は自分たちで守る!
 『乙女高原の保全と活用に関する提言』により,乙女高原の草原部分は草原のまま保つことになりはしましたが,スキー場を管理するための草刈りはもう行われないのですから,何か具体的な活動をしない限り,草原は維持できません。
 ぼくらはボランティアを募集して草刈りができないだろうかと考えました。乙女高原を愛する人たちに呼びかけて,年に1度集まり,乙女高原のために一緒に汗をかきませんかというイベントです。草刈りの適時と定例的に行うことを考え,草刈りの日は11月23日,勤労感謝の日としました。
 乙女高原の森の体験プログラムの1つとして実施することになりました。県や町との協働イベントです。カラーのちらしを印刷したり,町の広報の2ページを割いて募集記事を載せてもらったり。マスコミにも告知と取材をお願いしました。また,森林関係の団体や環境ボランティア団体,町内の諸団体にも広く参加を呼びかけました。
 この草刈りは参加費100円としました。ボランティアによる作業ですから保険料ぐらいは自己負担でいいだろうと判断したからです。ぼくの町のような田舎では,草刈りといった作業は日当をもらうのが当り前。反対に「100円払って,草刈りをさせていただきます」というこのイベントに,そんなに人が集まるわけはないというのが下馬評でした。
 ところが,ふたを開けてみると,当日の参加者は約200人。100人も集まればありがたいというぼくらの予想の倍以上でした。200人もの人が草原にちらばって作業をしている景色はそれはそれは壮観でしたよ。町長さんも教育長さんも多くの町議会議員さんも参加してくださいました。そして,参加費100円で作業をするイベントに,こんなに多くの人が集まったことに,しきりに感心してました。

■乙女高原を守る会を作ろう
 「乙女の草刈りなんていう大規模な新しい事業に,行政がよく取り組んだねえ」自然観察の仲間から不思議がられます。それはそうです。行政は基本的に保守的。新しいことはあまりやりたがりません。
 じつは,この時,すごい追い風が吹いていたのです。県で森林文化の森(乙女高原の森)事業が始まっていたことはすでに述べました。乙女高原を守る活動は,これに乗っかったのです。さらに,町でも機構改革があり,地域活性課という新しい課ができ,この課が乙女高原の担当部署になりました。新しい部署ですから,前例に縛られずに新しい事業に取り組める環境があったということです。
 しかも,担当者は加々美修さんでした。ぼくと同級生で,高校時代に乙女高原でスキーの練習をし,全国大会にも出場という経歴の持ち主です。ぼく以上に乙女への思い入れの強い彼が,乙女高原を守る活動にてこ入れしてくれました。
 追い風に乗って200人も集める保全活動が成功したことで,さらに1歩,前進しようとはずみがつきました。
 それは乙女高原の自然を守っていくための市民団体の立ち上げです。すでに乙女高原の森の連絡会議があり,草刈りイベントなどをプロデュースしていました。でも,この会議はあくまで県から委嘱された人間がメンバー。個人の意志で自由に入退会できる会ではありません。また,乙女高原の様々なイベントに参加してくれた人がその後もつながりあえるようなネットワーク作りはつねに課題としてありました。
 何回かの設立準備会を開催し,立ち上げる会のあり方を検討しました。そして,他の市民団体にはない,2つの大きな特徴を決めました。
 1つは,町役場内に事務局を置くということです。多くの市民団体が頭を抱える問題が、事務局になった者の仕事の多さです。自分の仕事を持ちながら市民団体の事務局もこなすなんて大変なことです。事務作業を町の担当職員がやってくれることは,専任の事務局員を雇ったのと同じくらいの効果があります。加々美さんがそれを決断してくれました。
 もう一つは入会金・年会費を廃止したことです。作りたいのは乙女高原の自然を守る会です。この目的以外の煩わしいことはできるだけ排除したいと考えました。市民団体の事務局をやったことのある人なら,会費授受に関する事務の大変さは分かっていただけると思うのですが,そんなことに会のマンパワーやエネルギーを使いたくなかったのです。
 そして,会の名前を『乙女高原ファンクラブ』と決めました。乙女高原にはいろいろなファンがいます。昔スキーをしたというファン。乙女の星空に惹かれているファン。乙女の自然に魅力を感じているファン。…。どんなファンにしろ,誰でもがゆるやかにつながりあえることを願って,名付けました。

■乙女高原ファンクラブ発足
 2001年4月,町民文化ホールで乙女高原ファンクラブの設立総会を行い,乙女高原の自然を守る新たなステージが始まりました。いよいよ行政(県・町)と対等に話のできる市民団体が誕生したわけです。
 設立後,乙女高原における具体的な保全活動の多くは県・町・乙女高原ファンクラブの三者による共催事業として行っています。
 5月には遊歩道の整備。遊歩道に沿って杭を打ち,ロープを張り,草原の中に人が入らないようにしています。土壌流失がひどかったり,裸地が広がったりえぐれてしまったりした箇所があったので,全面的に遊歩道のコースを替えました。
 6月には野鳥の,8月には植物の,9月には巣箱の中をのぞくという自然観察会を行いました。そして,11月23日には第2回目となる草刈り。この年は作業終了後,ロッジに泊まり込み,遅くまで乙女の今後について語り合いました。翌1月にはふもとの公民館を会場に座談会を行いました。参加者みんなで車座になって語り合おうというものです。話題提供者として,乙女高原をスキー場として開発することに骨を折った三枝 功さんと飯島穣治さんに来ていただき,当時の様子を話していただきました。
 このように2001年から乙女高原の自然を未来に引き継いでいく「しくみ」が本格的に動き始めたのです。(またもやつづく)
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