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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第454号 2021.5.24.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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▲▼▲ もくじ ▼▲▼
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】第22回遊歩道づくり 05月23日
NEW! 2.【活動報告】スミレ観察会 05月23日
3.【活動案内】「スミレの観察会」シリーズ
NEW! 4.【活動案内】第19期マルハナバチ調べ隊 06月27日
■乙女高原観察交流会
■「街の駅やまなし」乙女高原展
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0.【ニュースニュース】
●1.5月23日(日)、延期となった「第22回遊歩道づくり」が無事終了しました。晴天に恵まれ、35人の参加者が新緑のまぶしい草原で、気持ちのいい汗をかきました。参加された皆さん、本当にありがとうございました。
●2.遊歩道づくりが早く終わったので、午前中1時間、午後1時間のスミレ観察会を行うことができました。スミレだけでなく、春の乙女高原を存分に楽しみました。「蜘蛛の子を散らす」を実際にやっちゃいました。
●3.5月19日(水)に放映されたUTYテレビ山梨の「山梨県広報番組 いいトコ山梨」は乙女高原周辺がテーマでした。番組終了後、ユーチューブで公開されていますので、見逃した方はぜひ見てください。
https://www.youtube.com/watch?v=TofsSHpx804
●4.JAフルーツ山梨の広報誌『ふるーつふる』2021年5月号で乙女高原が取り上げられました。「広大な乙女高原に咲くアヤメ」というテーマです。
●5.乙女高原ファンクラブの次の活動は6月5日の「黄色いスミレ・ハイキング」です。今年は花の開花が全体的に早いので、黄色いスミレの花を見ることができるかビミョーですが・・・。乙女高原自然観察交流会の一環として行うので、ケガも弁当も自己責任でお願いします。
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1.【活動報告】●第22回遊歩道づくり● 05月23日 (報告:植原)
このところ、山梨は梅雨のような天気。5月中下旬にこの気候は反則でしょう…と不満たらたら。というのも、先週の遊歩道づくりが雨で延期になってしまい、今日も雨だったらどうしようと思っていたからです。
ふたを開けてみたら、この日は絶好のボランティア日和。よかったです、いい天気で。おかげさまで、エゾハルゼミの大合唱をBGMに作業がはかどりました。
この日はとにかく「来た人から作業を始める」ということだったので、受付やロープの縛り方練習場の準備をしたら、作業に入りました。市(観光課)の担当の方々も県(峡東林務環境事務所・県有林課)の担当の方々も勢ぞろいしてくださいました。ロータリークラブの皆さんも来てくださいました。親子連れも何組か。おかげさまで、とてもにぎやかになりました。結局、総勢35人でした。
作業は、まず、杭がグラグラしていないか確認し、グラグラしていたら「かけや」で打ち直し、交換が必要だったら、新しい杭に変えて、打ち込みます。そしたら、ロープを延ばして、端から杭に縛り付けていきます。杭に穴を開けてロープを通すとかではなく、単純に杭に縛り付けるのが乙女流。「とっくり結び」という結び方です。これだと半年たっても、ロープがゆるむことはありません。ロープや杭を運ぶのが結構めんどくさいです…というか、いちいちロッジまで取りに行かなければならないので、その往復、結構歩くんですよね。本当にご苦労様でした。
ある程度ロープ張りが終わったら、ロープに植物の解説カードや 現在地入り地図、「虫や花を採らないでね」看板、「ロープの中に入らないでね」看板を付けました。看板といっても、パソコンでプリントアウトしたものをラミネートし、パンチ穴を開けた手作り品です。これを小さな結束バンドで付けていきます。一人でやっていたら、「手伝いましょうか」と声をかけてくださる方がいたので、本当に助かりました。途中から、子どもたちも手伝ってくれたので、ますます助かりました。一昨年くらいまでは、みんなでやるロープ張りの作業が終わった後、「残り勉強」みたいに、一人で付けてまわっていたので、本当にいい時代になりました(笑)
みんなの作業が終わったので「終わりの会」をやって、きりをつけました。市の角田課長の司会で、ファンクラブ角田代表世話人がお礼のあいさつをし、三枝代表世話人が諸連絡を行い、今年の遊歩道づくりが無事、終了しました。皆さんのおかげで、草原の中に遊歩道が張り巡らされ、草原の植物たちを守りながら、多くの方に自然を楽しんでもらえるようになりました。
さて、皆さんが作業しているその間、雨宮さんは車をロッジの玄関前に付けていしたので、?と思っていましたが、分かりました。なんと、雨宮さんはボロボロになってきた百葉箱の屋根の新しいのを作ってきてくださり、交換しようというのです!! 車から屋根を下ろし、古い屋根を下ろして交換。金具で取り付け、白いペンキを塗って・・・。10年にも渡って乙女高原の1時間おきの気温が計れているのも雨宮さんのおかげです。おかげさまで今後もしばらくは大丈夫そうです。
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2.【活動報告】●スミレ観察会● 05月23日 (報告:植原)
遊歩道づくりが終わった後、昼食まで時間がありそうなので、スミレ観察会をやっちゃうことにしました。講師は依田さんと井上さん。少し説明したあと、さっそく森のコースを歩き始めました。
草原のあちこちにキジムシロの黄色い花。キジがいたるところでたむろしていそうです。サクラスミレもいっぱいです。草原にこんなにたくさんのサクラスミレがあったっけ?と思いました。スミレの花を見かけるたびに「いもむしはいないか? 」と探すのですが、見つかりませんでした。
森の中に入ると、シロバナエンレイソウやタチツボスミレの花が見つかりました。先週はエイザンスミレの花もあったのですが、今日はもうありません。でも、エイザンスミレの大きな夏葉がたくさんありました。
コケに詳しい塚田さんも一緒でした。「この緑色のも、茶色く枯れていそうなのも同じ種類のコケです。スギゴケの仲間です。茶色くなっているのに、水をかけると…」と、スプレー瓶から水を吹きかけると、あら不思議。みるみるうちに、茶色のコケが鮮やかな緑色になりました。
さらに歩くと、マイヅルソウのちっちゃな白い花がたくさん咲いていました。マイヅルソウの花といえば6月というイメージがあるのですが、今年は季節の進み具合が早いのかな。
森を抜けると、今度はシロバナエゾノタチツボスミレが咲き始めていました。乙女高原のスミレの最後を飾るスミレで、スミレのくせにたいへん背高のっぽです。
富士山がよく見える「展望台」でスミレ(マンジュリカ)やアケボノスミレの観察をし、草原のコースを下って、ロッジまで戻りました。
みんなでゆっくりお昼を食べ、午後の部をスタートさせました。
午後の部は、谷地坊主を観察することから始めました。ロータリークラブで作っていただいた看板を見ながら、その成り立ちを説明しました。今、谷地坊主は、頭のてっぺんから新しい緑の髪の毛がポツポツと生え始めたところで、とてもかわいいです。湿地では、ツボスミレ(ニョイスミレ)やシロバナノヘビイチゴ、クリンソウの花を見ることができました。
オオミズアオという大型のガもいました。水色で、翅にアゲハチョウのようなしっぽがついている、とってもエレガントなガです。触覚がまるで葉っぱみたいです。こんなに大きな触覚を持っているのはオスのガ。大きな触覚でメスの匂いをかぎ取ります。
そこから少し森に入ると…ありました! 白いサクラスミレ。とってもきれいです。シロバナサクラスミレ。
湿地をぐるっと一回りし、草原に戻りました。草原の中にお星様がポツポツと光っているように見えるフデリンドウの花を見つけたかったからです。ところが…ない、みつからない! ようやく見つけることができましたが、見ると、花が閉じています。触ってみると、蕾と違って柔らかいので、一度咲いて閉じた花です。リンドウの仲間は日中咲いた花が閉じて、また翌日咲きます。
一度見つけることができると、どんどん見つかるようになります。小学生の男の子、フデリンドウを見つけるのが早いこと早いこと!!
ここで面白いものを見つけました。生まれたばかりのクモの赤ちゃんです。たまごを固めて産んだのでしょう。クモの赤ちゃんもかたまっています。しかも、足を折りたたんで、じっとしています。小さめのビーズが集まって、オレンジ色のダイズ大の塊がいくつかあるようにしか見えません。さっきの男の子に、マスクを外して息を吹きかけてもらいました。すると、吹きかけるたびにオレンジ色の塊が解けて、フツフツとクモの赤ちゃんが動き始めました。これぞクモの子を散らす! クモの子ですから、まわりはクモの糸だらけ。男の子は近くにあった枯草をはしのように使ってクモの糸をひっかけ、持ち上げました。そして、一言、「納豆みたい」。確かにクモの糸のところどころにクモの赤ちゃんの小さな粒々が付いているところは、納豆みたいです。うまい表現だなと思いました。
クモの納豆に盛り上がったところで、駐車場まで戻り、今日の観察会を終了しました。
まだまだ物足りない方々は、帰る途中、車を止めて、いろいろ観察していったようです。
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3.【活動案内】 ●「スミレの観察会」シリーズ●
今年も「スミレの観察会」シリーズを開催します。スミレに特化した観察会を開催するのは11年目になります。乙女高原で見つかったスミレの種類は変種や交雑種を含めて、なんと31種類。とはいえ、一回の観察会で全部を観ることは不可能です。スミレの種類によって、開花の時期が違うし、好みの場所も違うからです。同じような姿かたちなのに、こんなにたくさん! まさに生物多様性そのものです。
ぜひ、複数回参加して、多様なスミレの世界を楽しんでください。
済①5月16日(日)→中止
済②5月23日(日)→16人の参加者で、楽しく実施
③6月5日(土)集合8:30牧丘の道の駅 ~15:30 参加無料。
乙女高原自然観察交流会③を兼ねて。
1日かけて標高2000mほどのところに広がるキバナノコマノツメ群落を
観察しに行きます。キバナノコマノツメは黄色い花をつけるスミレです。
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4.【活動案内】●第19期 マルハナバチ調べ隊~初夏編● 06月27日(日)
今年も愛くるしく,乙女高原随一のインタープリターであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。
■日 時 6月27日(日) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
※行事災害保険にはファンクラブで加入します。
【今後のマルハナバチ調べ隊】
盛夏編 08月07日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
初秋編 09月04日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
※時間やプログラムは6月の回と同じです。
※乙女高原ファンクラブでは年に3回ずつマルハナバチ調べ隊を行っています。
初夏編 女王バチが見られる…かも
盛夏編 たくさんの働きバチ
初秋編 超レアなオスバチが見られる…かも
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■乙女高原観察交流会■
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。
※今年度の予定
済①04月03日(土)集合:09:00・道の駅 兼:ヤマアカガエル産卵調査
済②05月16日(日)集合:13:00・乙女高原 兼:スミレ観察会(中止)
③06月05日(土)集合:08:30・道の駅 兼:黄色いスミレ観察会
(スミレの開花状況によっては前倒し実施するかもしれません。メールに要注意)
④07月03日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:谷地坊主観察会
⑤08月07日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
⑥09月04日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
⑦10月02日(土)集合:09:00・道の駅
⑧11月06日(土)集合:09:00・道の駅 兼:草刈り準備
⑨12月04日(土)集合:09:00・道の駅
【2022年】
⑩01月08日(土)集合:09:00・道の駅
⑪02月05日(土)集合:09:00・道の駅
⑫03月05日(土)集合:09:00・道の駅
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■「街の駅やまなし」乙女高原展■
●中央線山梨市駅すぐ北(北口から出て、すぐの信号を渡り、北に向かって歩いてください。郵便局の北です)の「街の駅やまなし」には常設の乙女高原コーナーがあります。
https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html
●今はシーズン25「乙女高原のスミレ30」の展示をしています。乙女高原で見られる30種類のスミレのパネルを展示しています。
●それにしても、スミレを見ていると、「スミレは生物多様性そのものだなあ」とつくづく思います。「花は筒状で、全面に大きく花びらを開く。背が低くて、春先に咲く」という似たような体つき、似たような暮らしぶりであるにも関わらず、乙女高原エリアだけで30種類もの「多様な」スミレが「共存」しています。多様なスミレが共存できているのには理由があります。
一つは場所によってすみ分けていることです。草原が好きなスミレ、落葉樹の森の中に咲くスミレ、針葉樹の中でよく見られるスミレ、湿地に見られるスミレ、道端に多いスミレ…などです。
もう一つは時期によるすみ分け(…というより咲き分け)です。咲き始める順番はヒナスミレ、タチツボスミレ、アカネスミレ、マルバスミレ、フモトスミレ、ミヤマスミレ、エイザンスミレ…といった感じでしょうか。もちろん花期の長さも違います。短い期間に咲き終わってしまう代表はヒナスミレ、長く咲いている代表はタチツボスミレとサクラスミレでしょうか。咲くのが一番遅いのはエゾノタチツボスミレで、梅雨の頃にも咲いています。さすがにこの時期はまわりの草も背を伸ばしているので、エゾノタチツボスミレはとてものっぽで、そういった意味ではスミレっぽくありません。ツボスミレも花期の初めの頃は背丈が低いですが、だんだん背丈が高くなります。花期の多様さがあるからこそ、長い期間、スミレ観察が楽しめます。
そして、標高によるすみ分けもあります。低いところから高いところまで見られるもの、「里山」でないとみられないもの、乙女高原の標高にならないとみられないもの、もっと高くならないと見られないものもあります。たとえば、黄色いスミレ・キバナノコマノツメです。
そんなスミレたちに思いを寄せながら、この展示を見てください。
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