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 乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第455号   2021.6.7.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼▲ もくじ ▼▲▼
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】スミレ観察会        05月23日
NEW! 2.【活動報告】黄色いスミレハイキング   06月05日
    3.【活動案内】第19期マルハナバチ調べ隊 06月27日
NEW! 4.【活動案内】第06期谷地坊主の観察会  07月03日
   ■乙女高原観察交流会
   ■「街の駅やまなし」乙女高原展
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0.【ニュースニュース】

●1.05月23日のスミレ観察会のレポートを、乙女高原でのスミレ観察の中心人物である依田さんが書いてくださいました。依田さん、ありがとうございました→1


●2.6月5日、今年も黄色いスミレに出会ってきました。黄色いスミレ・キバナノコマノツメ以外にも亜高山帯(しかも乙女高原より高標高!)の植物たちにたくさん出会いました。また、コマドリ、キビタキ、オオルリ、コルリ、ジュウイチ、ツツドリ、ホトトギスなど、鳥たちのコーラスを聞きながらのハイキングはとても気持ちのいいものでした。レポートを井上さんが書いてくださいました。井上さん、ありがとうございました→2

●3.乙女高原はレンゲツツジがきれいです。焼山峠付近は6分咲き、草原で3分咲きです。また、森の中はマイヅルソウの群落が絨毯をひいたように広がっていて、たくさんの花が咲いています。幽霊のようなギンリョウソウも咲き始めています。この花にマルハナバチが訪れているシーンをぜひ一度見たいのですが…。

●4. メルマ第443号(2020.12.17.)に「これでいいのか生物多様性「山梨県」地域戦略」という記事を書きました。簡単にいうと「山梨県の生物多様性戦略はとても薄っぺらなものだ、これで本当に山梨の豊かな生物多様性が守られていくのか心配だ」というものです。その続きの話です。
 県は「山梨の自然を守るために 今、私たちにできること」という子ども向けのパンフレットを作りました。A4版の1.3倍くらいの大きさの紙に両面印刷。それを4ツ折りにしたものです。内容は「生物多様性とは」「生物多様性には3つのレベルがあるよ」「生物多様性には4つの恵みがあるよ」「どうして生物多様性は危機に直面しているの」「絶滅危惧種を守ろう」「外来種は何がいけないの」「私たちにできること」と、とてもいいものです。以下で実際のパンフレットを見ることができます。
https://www.pref.yamanashi.jp/shizen/documents/tannpeiji.pdf
 とてもいい内容だけに、県の生物多様性地域戦略のお粗末さとのギャップが大きすぎます。もっというならば、まずは今の大人が山梨の生物多様性をきちんと守っていく、その後ろ姿を見せることこそが子どもたちにとって、あるいは教育にとって大事であって、子ども向けのいいパンフを作るのが「第一に」大事なこととは思えないのです。うがった見方をすれば、大人(県)は生物多様性を守っていく責任を果たす覚悟をきちんと示さず(=ちゃんとした「生物多様性地域戦略」を作らず)、次の世代に責任を先送りしているように見えます。
「これからこの世を背負っていく若者に、今この世を背負っている大人の…我らの生きざまを見せんでなんとする」ということです。
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1.【活動報告】●スミレ観察会● 05月23日

 前号でスミレ観察会の報告はしましたが、依田 昇さんがさらに観察会のレポートを書いてくださいました。依田さん、ありがとうございました。

 先週16日の遊歩道づくりとスミレ観察会は雨で中止となりました。それでも雨の中を遊歩道づくりに参加された方がおり、今日はその残りの遊歩道づくりとスミレ観察会に決まりました。遊歩道づくりが10時ころ終了したため、10時半より昼食までと午後1時よりのスミレ観察会となりました。参加者は16名。
 井上さんを先頭に森の道を歩き始めるとミツバツチグリ、キジムシロが目に入りました。サクラスミレも顔を出し始めました。花は少し小さいもののかなりの数が迎えてくれました。この道の中ほどはエイザンスミレが多く咲きますが、今年は花が見当たりません。もう夏葉になりかけた株も含め、全体に小さな株ばかりでした。この周辺でマイヅルソウの大群落に、久々にはシロバナエンレイソウの群落を目にし、うれしいながら、驚いてもいます。高原も少し変化していくのかと思い、タチツボスミレ、アケボノスミレ、シロバナエゾノタチツボスミレも数は少ないながら見ることができました。
 ヨモギ頭もスミレはほとんど終わっており、スミレ(マンジュリカ)が数株確認できました。
 昼食後、下の駐車場に移動。たくましい谷地坊主を見ながら観察を始めました。湿地に近いため、ニョイスミレ(ツボスミレ)が足元に咲いていました。沢に咲き始めたばかりのクリンソウが見つかりました。小さな株もたくさんあり、今後に期待できそうです。
 この道周辺もサクラスミレがたくさん咲いていました。大きく整った花が草原より多く見られました。今年も数は少ないですが、シロバナサクラスミレを見ることができました。「幸せいっぱい」でした。2年前には他の所でも見ることができました。来年以降のお楽しみです。
 時間もスミレの数も少ない観察会で残念でしたが、今年の観察会を終了することにしました。新型コロナウイルス感染症拡大がおさまり、乙女高原に大勢で集まれるよう願いたいです。
 いつ来てもすばらしい乙女高原でした。
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2.【活動報告】●黄色いスミレハイキング●   06月05日

 6月の観察交流会は乙女高原を離れ、大弛峠へ向かう途中の鶏冠山西林道を歩いて、黄色いスミレ、キバナノコマノツメの観察です。
 牧丘の道の駅に集まったのは13名。初めて参加される方も何人かいらっしゃったので、自己紹介をしてから、各自、車に乗り込み、出発しました。途中でガスってきて、視界が50mくらいになり、これはガスの中を歩かなくてはならないかなと心配しながら登っていくと柳平でガスは晴れてきました。そしてレンゲツツジが鮮やかに咲いています。林道では白い木の花が目につきました。トチノキやガマズミ、アイヅシモツケ、ウワミズザクラなどです。

 鶏冠山西林道ゲート前に到着。車を降りると、カッコウやウグイスのさえずりと新緑が初夏を感じさせます。ゲート前にはミヤマハンショウヅルが咲いていました。
 ゲートをくぐって、道端のシロバナヘビイチゴや背の高く伸びたセイヨウタンポポを見ながら歩き出すと、大株のミヤマハンショウヅルが花をたくさんつけていて、皆で写真撮影。オオルリやヒガラ、ウグイスなどの鳥のさえずりに耳をかたむけつつ、道端の植物(白花のクリンソウ、ヤマハタザオ、ミヤマハコベ、ミヤマスミレ、ズダヤクシュなど)に足を止めたりしながら、カラマツの植林地やミズナラなどの落葉樹林、モミなどの針葉樹林の中を歩いていきます。青空と木々の新緑がとても美しく、コロナ禍も忘れ、新鮮な空気をたっぷり吸いました。エゾハルゼミも鳴きはじめました。
 途中、キシャヤスデを発見。この虫は落葉や腐植層を食べて土を作り、森を豊かにしてくれます。8年ごとに出現するのですが、昨年秋に乙女高原や、その他いろいろなところでも出現したのを見ました。そして大発生の翌年5、6月頃に交尾のためにもう一度現れると聞いていたのが、ここで見られたのでちょっと嬉しかったです。これから産卵して、新しい世代が土の中で成長し、7年後に現れてくれることでしょう。
 金峰山修験道の名残の祠があるちょっと平らになった所で小休止。スミレの葉を食べているヒョウモンチョウの幼虫がいました。黒くて枝分かれしたトゲトゲがいっぱい。(帰宅後調べたら、ミドリヒョウモンのようです)林の中にマムシグサの仲間が5本まとまって咲いています。黄緑色で葉は対生で2本つき、掌状に5列していて、普通のマムシグサとは違うようです。(家に帰って調べたら、ユモトマムシグサのようでした)植原さんがマムシグサの仲間の不思議な生態をレクチャーしてくれました。雌雄異株ですが、栄養状態によって性転換することもある、雄株から花粉を運んだ虫は雌株に受精するとそのまま花の中から出られないなど、おもしろいけどちょっと怖い。
 その先では、メボソムシクイのさえずりも聞こえ、亜高山帯に来たことが感じられます。苔むした斜面にツバメオモト、イワセントウソウ、イチヨウラン、タケシマラン、オサバグサなどの花が咲いていました。今年はイチヨウランやツバメオモトがたくさん見られました。木の間ごしに八ヶ岳や金峰山の五丈岩が見えました。双眼鏡で覗くと金峰山の頂上に人がいるのも見え、盛り上がりました。道端にアミガサタケが数本でているのも見ました。見た目はグロテスクだけど、おいしいのだとか。

 昼過ぎにキバナノコマノツメが群生する標高2000m近い渓流に到着。昨年よりも少ないという声もありましたが、たくさん咲いていました。林道の下の方にも咲いています。種子が流れて広がっているようです。ここで昼食。雲で富士山は見えませんが、近くの山はよく見えます。今年は春が異常に早く、花なども早く咲いてしまいましたが、この場所も例年より少しだけ季節が早いようです。近くに見える山のダケカンバ、昨年は芽吹き前で白い幹が目立ちましたが、今年は新緑でした。ホトトギスやジュウイチの声も聞こえてきました。キバナノコマノツメをアップで、望遠でと、各自思い思いに写真撮影をしたり、眺めたりして、帰路に向かいました。
 行きに見た花をもう一度見たりしながら下りました。途中でまだ開いていないミヤマハンショウヅルがあり、丸いつぼみに触ってみると意外と硬く弾力があってびっくり。行きには気づかなかったツリバナの花も。帰り道は長く感じられましたが、3時前にゲートの所に到着し、解散となりました。
 気持ちのよい新緑の中、たくさんの鳥のさえずりを聞きながら、いろいろな花やたくさんのキバナノコマノツメ、チョウなどの虫もいくつか見ることができた楽しい観察会でしたが、気になったのは、笹が枯れ始めていること、シカによるモミなどの皮はぎの食害。この先、森はどうなっていくのか、心配です。今後も継続して観察をしていきたいです。

(追記 植原) 帰り道、あまりにもプラスチックゴミが目に付くので、ゴミ拾いをしながら歩きました。林業の施業で使ったと思われる赤と青のビニールテープが一番多く、そのほか、食べ物の包装に使われたビニールや空き缶がありました。つぶれたペットボトルも2つ。井上さんも一緒に拾ってくださり、結局、ゴミはレジ袋(この言葉ももうすぐ死語になりそうですね)3袋分になりました。
 ゴミは1個拾えば、必ず1個自然の中からなくなります。一番簡単な自然保護活動です。
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3.【活動案内】●第19期 マルハナバチ調べ隊~初夏編● 06月27日(日)

 今年も愛くるしく,乙女高原随一のインタープリターであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。

■日 時 6月27日(日) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)

※行事災害保険にはファンクラブで加入しています。

  【今後のマルハナバチ調べ隊】
盛夏編 08月07日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
初秋編 09月04日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで

※時間やプログラムは6月の回と同じです。

※乙女高原ファンクラブでは年に3回ずつマルハナバチ調べ隊を行っています。
 初夏編 女王バチが見られる…かも
 盛夏編 たくさんの働きバチ
 初秋編 超レアなオスバチが見られる…かも
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4.【活動案内】●谷地坊主の観察会● 07月03日(土)

・日  時 7月3日(土) 午前10時~午後3時ころ (小雨決行)
・集  合 乙女高原グリーンロッジ前
・定  員 どなたでも30名
・参 加 費 無 料(保険料はクラブで負担)
・持 ち 物 弁当・飲み物・雨具 その他、あれば観察用具
・内  容 谷地坊主をじっくり観察し、それから谷地坊主の身体測定を行います。
      (昨年からどれくらい成長したかを調べます)

 【谷地坊主】
乙女高原の湿地に行くと、草の株がこんもり盛り上がり、「露天風呂に多くの人が肩までつかっている」ように見える場所があります。しかも、ただの人ではなく、長い毛がふさふさと伸びたゲゲゲの鬼太郎のよう。これを谷地坊主といいます。口や目を描くと、ゆるキャラみたいです。
たくさんのゲゲゲの鬼太郎が湿地の中に並んでいる光景は乙女高原では珍しくありませんが、こんなに多くの谷地坊主が見られる場所はそうありません。いくつもの条件が奇跡的に重ならなければ、草の株はこんな形に茂らないのです。
 2018年2月、山梨市の天然記念物に指定されました。
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  ■乙女高原観察交流会■

●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。

※今年度の予定

済①04月03日(土)集合:09:00・道の駅  兼:ヤマアカガエル産卵調査
済②05月16日(日)集合:13:00・乙女高原 兼:スミレ観察会(中止)
済③06月05日(土)集合:08:30・道の駅  兼:黄色いスミレ観察会
 ④07月03日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:谷地坊主観察会
 ⑤08月07日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
 ⑥09月04日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
 ⑦10月02日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑧11月06日(土)集合:09:00・道の駅  兼:草刈り準備
 ⑨12月04日(土)集合:09:00・道の駅
【2022年】
 ⑩01月08日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑪02月05日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑫03月05日(土)集合:09:00・道の駅
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  ■「街の駅やまなし」乙女高原展■

●中央線山梨市駅すぐ北(北口から出て、すぐの信号を渡り、北に向かって歩いてください。郵便局の北です)の「街の駅やまなし」には常設の乙女高原コーナーがあります。
https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html

●今はシーズン26「乙女高原の草花」の展示をしています。乙女高原で春から秋に見られる代表的な草花18種類のパネルを展示しています。
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