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 乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第459号 2021.8.14.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼▲ もくじ ▼▲▼
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】夏の案内人活動  07月31日
NEW! 2.【調査報告】マルハナバチ調査       08月07日
NEW! 3.【調査報告】「花と昆虫のリンク」調査   08月08日
NEW! 4.【調査報告】チョウは減っているのか?
NEW! 5.【活動案内】マルハナバチ調べ隊~初秋編  09月04日
   ■乙女高原観察交流会
   ■「街の駅やまなし」乙女高原展
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0.【ニュースニュース】

●1.7月24日(土)から乙女高原案内人による乙女高原案内活動が始まりました。7/24,25,31,8/1日は実施しました。が、それ以降は山梨県知事の臨時特別協力要請(今月22日までのイベント等中止・延期要請を含む)に従い、中止としました。31日の案内活動の様子を角田さんがレポートしてくださいました→1

●2.8月7日(土)は今年2回目のマルハナバチ調べ隊の予定でしたが、●1同様、山梨県知事の臨時特別協力要請に従い、「マルハナバチ調べ隊」は中止としました。でも、マルハナバチのラインセンサス調査は実施しました。1時間で80頭もカウントできました→2

●3.急きょ8月8日(日)に計画した「花と昆虫のリンク」調査ですが、雨に降られることもなく(ちょっと降られましたが) 無事、実施することができました。花を訪れている昆虫を片っ端から記録するというこの調査、たいへんでしたが、たくさんの記録がとれました→3

●4.当メルマ前号で「今年は高原等でチョウが減っている」という小澤さんのご意見と、2015年7月31日に乙女高原でチョウの種類と数をカウントした記録が見つかったことを紹介しました。今年も同様のカウントをしてみました。その結果を報告します→4

●5.2021年8月11日付け山梨日々新聞「顔」欄に、ファンクラブ会員でもある古屋さんが取り上げられていました。古屋さんは毎年、草刈りボランティアの最後に集合写真を撮って下さっています。その写真は翌年の草刈りボランティアのちらしの写真になります。
 記事は「・・・スタジオとギャラリーを備えた写真工房『hicari(ヒカリ)』を開設。乙女高原のブナ林やサワラの自然林で撮影した作品展を開いた・・・」という内容です。皆さんもぜひ一度、『hicari(ヒカリ)』へ!!

●6.当メルマ451号(2021.4.17)に「生態系の動態に大きな影響を与えている種をキーストーン種といいます。たとえば乙女高原の草原におけるマルハナバチ類が、乙女高原の自然(生態系)にとってのキーストーン種です。春早くから秋遅くまで連続的に、多くの植物の送粉者となっているので、マルハナバチ類の減少は乙女高原の植物全体に悪影響を及ぼします。キーストーン種と同様、数が少なかったり、面積的には狭かったりしても、地域生態系にとって非常に重要な個体や場所があります」と、「地域生態系における『キーストーン事物』の保全」という記事を書きました。この文章は「要望書」として峡東林務環境事務所と峡東建設事務所にお送りしました。そうしたら、両者とも、ファンクラブとの話し合いを希望してくださったので、事務局・植原が対応しました。結論から言うと、両者の話し合いとも「『キーストーン事物』の保全に努めたい」「事業を行う際はファンクラブと情報共有したい」という方向でまとまりました。

●7.メルマ前号で、7月31日~9月29日まで、山梨市立図書館にて「ちかく探検」の展示が行われることを紹介しました。また、8月22日(日)10:30-11:30の「ウエちゃん&リッスのギャラリートークショー」の告知もしました。ところが、●1と同じく、県知事の要請を受けて、市民図書館も閉館となってしまい、8月22日(日)のイベントは中止となりました。

●8.次回の乙女高原連絡会議・乙女高原ファンクラブ世話人会は9月に開催する予定です。
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1.【活動報告】●夏の案内人活動● 07月31日(土)

 角田さんがレポートを書いてくださいました。

 今日は10時から15時20分まで家内、渡辺さん、井上さんと私で案内人をやりました。
 静岡からの団体20名様が昨年に続き、乙女高原を訪れて下さいました。11時30分頃から13時頃まで2班に分かれて頂き、1班(10名)は渡辺さんが、2班(10名)は井上さんが、森のコースから草原のコース、つつじのコースと案内しました(出発前に雨具を用意して下さいとお願いしてからの出発)。あと少しで案内が終了するという時、皆さん雨に降られてしまいました。雨を避けられる場所でお昼を食べていただきました。昼食が終わる頃には雨が上がり、晴れ間が見えて来ました。お見えになったみなさんが大変案内が良く喜んで下さり、引率者の先生からもお褒めの言葉を頂きました。
 私と家内は、ロッジ前の案内の席で待機しておりました。その間、4組の方が来ましたが、2組は昼食のみで、後の2組は家族で来て、高原内を散策して帰りました。

(植原追記) 翌08月01日(日)は芳賀さん、角田敏さん、角田晴さん、植原の4人で案内活動をしました。遊歩道の植物解説カードの古いものを取り、新しいもの(これからの時期に咲く花)を付けました。
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2.【調査報告】●マルハナバチ調査●  08月07日  植原記

 長崎知事の臨時特別協力要請が出されたのが前日の6日だったので、本当に困りました。電話とメールマガジン臨時号の配信、ホームページでの告示によって中止のお知らせをし、当日は調査のみを行いました。
 とはいえ、当日は調査希望者が自分も含めて8名も来てくださいました。マルハナバチ・ファンの層の厚さを感じました。かくいうぼくも、マルハナバチ・ファンクラブの熱狂的な一員です。
 さて、いつものマルハナバチ紙芝居は省略し、さっそく調査開始です。シカ柵を作って6シーズン目にして、ようやくオオバギボウシが戻ってきました。「おかえりなさい」といったところです。いえ、そういっているのはトラマルハナバチ。オオバギボウシにはミーでもなくオオでもなく、トラちゃんばかりが訪れていました。トラちゃんたちも、ようやく相棒に会えた!という感じでしょうか。花の中に潜り込む様子がこの日の午前も午後も、何度となく観察できました。

 たくさんのマルハナバチに出会えたので、15分超過の1時間15分かけてコースを一周しました。
 出会ったマルハナバチは全部で80頭でした。2004年から、年に3回の調査をしていますが、「盛夏(8月)」の結果としては3番目の多さです(1位は2006年8月の295頭。ダントツです。2位は昨年8月の113頭)。中身を詳しくみると、以下の通りです。

・ミヤママルハナバチ 計45頭(ノハラアザミ13、ヤマハギ11、タチフウロ8、ヒメトラノオ5、クガイソウ5、シモツケ1、シモツケソウ1、クルマバナ1)
・トラマルハナバチ 計30頭(ノハラアザミ24、オオバギボウシ4、クガイソウ1、シモツケ1)
・オオマルハナバチ 計5頭(クガイソウ2、ノハラアザミ1、タチフウロ1、ヒメトラノオ1)

マルハナバチに好かれる花ランキング/ベスト5は、
・ノハラアザミ 38(トラ24、ミヤマ13、オオ1)
・ヤマハギ 11(ミヤマばかり11)
・タチフウロ 9(ミヤマ8、オオ1)
・クガイソウ 8(ミヤマ5、オオ2、トラ1)
・オオバギボウシ4(トラばかり4)

 この日はマルハナバチ・ラインセンサスのみを行いましたので、時間に余裕があり、気になっていたオミナエシのカウントを行いました。全部の遊歩道を歩いて、遊歩道から見えるオミナエシの花株を全部数えるというものです。アイテムとして双眼鏡とカウンターを使いました。「野鳥の会」が鳥を数えるときの道具です。471株でした。
 ちなみに、2010年は1株、2014年 3株、2017年 409株です。シカ柵を作ったのは2015年の晩秋でしたから、その後に激増しています。
 数を数えておくと、比較して増減がはっきり分かります。「定量調査」の大切さがよく分かります。ちなみに、「数えるときのルール」も記録しておいて、同じルールで数えることが大前提となります。

 草原内の外来種メマツヨイグサとヒメジオンも気になったので、それらの除去作業も行いました。草原内に入って作業していたら、ヤナギランの株がやたらと多いのに気が付きました。今年は、すでに去年よりずっと花が増えていますが、来年以降さらに増えそうです。楽しみですね。
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3.【調査報告】●「花と昆虫のリンク」調査● 08月08日

 井上さんがリポートを書いてくださいました。

 8月8日に行われた訪花昆虫調査に参加しました。
 この調査は、高槻先生の生徒さんが鹿柵設置以前に行ったもので、その後の変化をみるために続けて行われています。台風10号の接近でできるか心配しましたが、時々雨粒が落ちてはきましたが、晴れ間も見え、実施することができました。

 乙女高原に到着すると、高槻先生、植原さん、鈴木さんが来ていました。早速、高槻先生から調査のしかたについての説明を受け、メジャーと双眼鏡、記録用紙を持って、それぞれ割り当てられた場所へ行きました。私はツツジのコースへ。
 まずメジャーの端を決められた地点にペグで固定し、次の地点までメジャーを張ります。そして出発地点に戻り、遊歩道の右側2mくらいの範囲を見ながら、花に昆虫が来ていたら、時間、出発地点からの距離、花の名前、大まかな昆虫名を記録していきます。メジャーを張った地点まで行ったら、逆側を同様に見ながら出発地点まで戻ります。数十メートルを1時間くらいかけて歩きました。
一人で見て、記録して、なのでけっこう忙しい。記録しているうちに虫はどこかに行ってしまったり、また別の虫が飛んで来たり…。それに、あまり昆虫に詳しくない私には、ハチ、アブ、ハエの区別も難しかったです。

 それでもいろいろな花にいろいろな昆虫がきていることがわかりました。そして、それぞれ花によって訪れる虫も違うこともわかります。オミナエシやヨツバヒヨドリにはアブがきていることが多かったし、ヒメトラノオ、ヤマハギ、タチフウロなどにはマルハナバチがたくさん来ていました。この昆虫たちが花から花へと飛び回ることで、花は受粉でき、来年も花を咲かせることができるのです。虫さんたち、頑張ってねと言いたくなります。

 1区画終わった所で、早めの昼食をとっていると芳賀さんも来ました。芳賀さんは午後、気になっていた外来種のメマツヨイグサやヒメジョオンの除去作業をしてくれました。
 午後は日差しも出て暑いくらい。虫も活発に動き始めました。2区画の調査をしました。午前中よりもたくさん昆虫がいました。虫が多いということは花も多いという事だと思います。鹿柵ができて、年々花が増えています。
 ちなみに4年前に草原内のオオバギボウシは23本だったのが、今年は柵内には220本、柵の外の林道わきにも80本以上も咲いていました。オオバギボウシにはトラマルハナバチがたくさん来ていました。
 調査のまとめは高槻先生がしてくださいますが、どんな結果がでるか楽しみです。
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4.【調査報告】●チョウは減っているのか?●

 当メルマ前号で「野辺山や八ヶ岳、富士見高原、入笠山、茅が岳林道、北富士演習場等で全然蝶の姿を見ることが出来ず、いつもはオオムラサキが2~30頭見られる敷島のフィールドでも1頭目撃しただけ」という小澤さんの観察結果をご紹介しました。
 これもメルマ前号に書きましたが、植原は以前、乙女高原でチョウのラインセンサスをしたことがあり、その結果と今年行った調査結果を比較してみることにしました。

〇センサス・ルート ロッジ前→森のコース→草原のコース→ツツジのコース→木橋~谷地坊主湿地前→「島」東→ロッジ前
〇センサスのルール セセリチョウ・シジミチョウの仲間は調査対象から外す。

〇2015年7月31日のセンサス結果 計73頭
 ・ミドリヒョウモン  計62頭 ヨツバヒヨドリに56頭、マルバダケブキに6頭
 ・ギンボシヒョウモン 計03頭 ヨツバヒヨドリ
 ・アサギマダラ    計03頭 ヨツバヒヨドリ
 ・ヒカゲチョウ    計01頭
 ・クジャクチョウ   計03頭 ヨツバヒヨドリ
 ・キベリタテハ    計01頭

〇2021年8月01日のセンサス結果 計51頭
 ・アサギマガラ    6
 ・クジャクチョウ    1
 ・ジャノメチョウ    5
 ・ミドリヒョウモン   24
 ・ウラギンヒョウモン  1
 ・ヒョウモンの仲間  6
 ・ミスジチョウの仲間  3
 ・モンシロチョウ?  3
 ・スジグロシロチョウ  1
 ・キタキチョウ     1

・・・ということで、ちょうど6年前に比べ、全体の頭数で3割減っていました。正直、この程度の少なさでは、本当に減っているかどうか判断しかねます。調査日は1日しかずれていませんが、おそらく天候等によって、その日の頭数は大きく左右されると思います。
 ですが、ヒョウモンチョウの仲間を見ると、65頭→31頭と、半分以下です。確かに昨年までは「ごく普通に」見られたヒョウモンチョウたちが、今年は、草原を歩いていて「たまに見かける程度」という実感はあります。今後ともチョウの動向に注意する必要があります。
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5.【活動案内】●マルハナバチ調べ隊~初秋編● 09月04日(土)

■日 時 9月4日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)

  【今年度のマルハナバチ調べ隊】
済 初夏編 06月27日(日) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
済 盛夏編 08月07日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
次 初秋編 09月04日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで

※時間やプログラムは3回とも同じです。

※乙女高原ファンクラブでは年に3回ずつマルハナバチ調べ隊を行っています。
 初夏編 女王バチが見られる…かも
 盛夏編 たくさんの働きバチ
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  ■乙女高原観察交流会■

●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。

※今年度の予定

済①04月03日(土)集合:09:00・道の駅  兼:ヤマアカガエル産卵調査
済②05月16日(日)集合:13:00・乙女高原 兼:スミレ観察会(中止)
済③06月05日(土)集合:08:30・道の駅  兼:黄色いスミレ観察会
済④07月03日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:谷地坊主観察会 ※大雨のため中止
次⑤08月07日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
 ⑥09月04日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
 ⑦10月02日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑧11月06日(土)集合:09:00・道の駅  兼:草刈り準備
 ⑨12月04日(土)集合:09:00・道の駅
【2022年】
 ⑩01月08日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑪02月05日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑫03月05日(土)集合:09:00・道の駅
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  ■「街の駅やまなし」乙女高原展■

●中央線山梨市駅すぐ北(北口から出て、すぐの信号を渡り、北に向かって歩いてください。郵便局の北です)の「街の駅やまなし」には常設の乙女高原コーナーがあります。
https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html

●今はシーズン26「乙女高原の草花」の展示をしています。乙女高原で春から秋に見られる代表的な草花18種類のパネルを展示しています。
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