乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン > 第467号(2021.11.27)
□■□■□■□■□■□■□■■□■□■□■□■□■□■□■□
乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第467号 2021.11.27.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▲▼▲ もくじ ▼▲▼
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】工事予定地の視察 11月14日
NEW! 2.【活動報告】有志による草刈り・その2 11月23日
3.【活動案内】乙女高原自然観察交流会 12月4日
4.【活動案内】第20回乙女高原フォーラム 2022年1月30日
■乙女高原観察交流会
■「街の駅やまなし」乙女高原展
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□■□■
0.【ニュースニュース】
●1.「有志による」草刈り2021の第2日目(11/23)が無事終了しました。なんと66人の参加者! 皆さん、乙女高原のために集まってくださり、ありがとうございました→2
●2.次回自然観察交流会は12月4日です。今回は氷菓…ではなく氷華が観られるのではないかと楽しみにしています→3
●3.(再掲)次回世話人会は乙女高原連絡会議と兼ねて、12月16日午後7時から山梨市役所牧丘支所で行います。乙女高原フォーラムについて、次年度のファンクラブの活動について、話し合う予定です。
●4.(再掲)ファンクラブの活動ではありませんが、笛吹市春日居町の山梨岡神社の境内をフィールドに行っている自然観察会と絵本の読み聞かせのコラボ・イベントですが、次回は12月12日(日)9:30-12:30に行います。今回は、岡神社の裏山に登ります。積み石塚古墳もあるんですよ。主催・問い合わせは「おはなしのへや もも」の馬場さんまで。080-5046-9436。
●5. (再掲)乙女高原の自然を調べる活動を先導してくださっている高槻先生から「玉川上水(かつて江戸市中に飲料水を供給していた水路。取り入れ口は多摩の羽村)の保全に関するアンケートをしているので協力してほしい」とのメールをいただきました。以下にアドレスを載せますので、玉川上水を歩いたことのある方はぜひご協力ください。
https://forms.gle/Rn2B6RukJBBatUtV6
---------------------------------------------------------------------
1.【活動報告】●工事予定地の視察● 11月14日
本メルマ465号にもちらっと書きましたが、メルマ第451号(2021.4.17)に「地域生態系における『キーストーン事物』の保全」という文章を書きました。キーストーン事物とは、数こそ少なかったり、面積こそ狭かったりしても、地域の生態系において非常に重要な個体や場所のことです(うまいコトバが見つからないので、自分で勝手に考えました)。この文章は意見書として峡東林務環境事務所と峡東建設事務所に提出しました。そうしたら、両者から「今後、自然を改変するような事業を行うときには、ファンクラブの意見を聞くようにする」という回答をいただきました。
今回、峡東建設事務所から県道への落石防止工事についての説明を受けたので、その箇所を視察してきました。一か所(今年度工事)は旧杣口林道の「カエル池」から少し林道を登った右側、もう一か所(来年度工事)はサワラの学術参考林のちょっと北、大烏登山道のあたりです。視察結果は以下のようなレポートの形にして、建設事務所に提出しました。
メルマ465号→ http://fruits.jp/~otomefc/maga465.html
メルマ451号→ http://fruits.jp/~otomefc/maga451.html
※ ※ ※ ※
県道柳平塩山線防災事業の現地視察報告
11月14日に標記箇所の現地視察を行いました。保全について特段に配慮しなければならない「地域生態系におけるキーストーン事物」は見当たりませんでしたが、いくつか気づいたことがありますので、ご報告します。
■今年度工事個所について
1.急傾斜地にいくつかの大岩があり、落石の危険性を感じました。
2.比較的太いミズナラに青テープが巻いてありました。伐採予定木でしょうか。ミズナラのような広葉樹は根を広く深く張り、土地の土壌を広く抱え、このような急傾斜地での落石や土壌流失を防いでいる可能性があります。伐採については慎重なご判断をお願いします。
3.密に生えているヒノキ等針葉樹にも青テープがありました。ヒノキ等の針葉樹は根が浅く、広葉樹に比べ、土壌を抱える力は弱いのですが、密に生えることによって、互いに支えあっている可能性があります。その場所に生えているヒノキ等をいっぺんに伐採してしまうことによる落石や土壌流失を心配します。多くの広葉樹とちがって、ヒノキ等は一度伐採してしまうと、根もとから芽が出てくること(萌芽更新)はありませんので、注意してください。
4.急傾斜地なので、労務災害が心配です。もちろん、十分な注意が払われるとは思いますが、くれぐれも事故のないことをお祈りします。余談ですが、このような急傾斜地を歩くときには、私はいつも「けものみち」を見つけて、それをたどるようにしています。少しくらい遠回りしても、このほうが安全です。
■次年度工事個所について
1.時間があまりなかったので、伐採地に接する谷部のみ視察しました。
2.道路からも見えますが、いかにも古そうな堰堤があります。現地で採れた石を上手に組み合わせてコンクリートで目張り・仕上げています。両端から中心に向かって低くなっているので、流量が多ければ多くの水を短時間に流すことができ、流量の少ないときも、少しずつ流れ落ちるようになっていて、感心しました。土木遺産等(産業遺産?)に指定することはできないでしょうか。
3.伐採地の反対側の斜面はところどころにトチノキの巨木が観られる、とても質のいい雑木林でした。広葉樹の根がしっかりと土壌を抱えており、谷が深くなったり、大岩が落ちたりするのを防いでいるようでした。トチノキの上部に大きな岩がある景観が観られましたが、前述の状況をよく現わしています。
https://blog.goo.ne.jp/otomefc/e/d2a9e5b83fb84f5641fb8008ad7c2cc3
3.たぶん堰堤がうまく機能していることに加え、雑木林が土壌の流失を押さえている(※)からだと思うのですが、堰堤の上流側の谷は、谷が深くえぐれることなく、また、岩石は地上に上部が露出しているのみといった景観です。このような形で谷が保全されれば、落石等の心配もないだろうと考えられました。
※秋には広葉樹がたくさんの葉を落とし、それが分解されて土壌を作っているのですから、土壌の流失を防ぐどころか供給もしていると考えられます
■むすびに
今後ともEco-DRR(ecosystem-based disaster risk reduction 生態系を活用した防災・減災)を考慮した(目指した)事業をお願いしたいと思います。
---------------------------------------------------------------------
2.【活動報告】●有志による草刈り・その2● 11月23日
今年は「イベントとしての」草刈りは行わず、「マスコミやちらしによる人集めはせず」「有志で」「2日に渡って」草刈りを行いましたが、11月6日も23日もよい天気に恵まれ、楽しく作業を進めることができました。たいへんでしたが、今年くらい草の刈り残しや草の敷き入れ残しが少なかった年はなかったのではないかと思えました。いつもの年だと23日の午前中にいっぺんに「エイ、ヤーッ」と行っているので、それだとどうしても「やり残し」が出ちゃうのかなと思いました。
今年はいつもの年以上に、県による事前の草刈りや市の職員の皆さんによる草刈りのありがたさを感じました。1日目の事前と、2日目の事前に刈っていただいたので、その分、作業がスムーズに行えたからです。改めて、乙女高原の保全が行政(市・県)と市民(市民団体)との「環境パートナーシップ」で進められていることに誇りを感じます。
朝、7時前には乙女高原に到着し、一人でゆっくり準備をしました。受付用のテーブルを出したり、配るペットボトル茶や作業手袋を並べたり、鎌やヘルメット、ゴーグルなどを運んだり。裏の倉庫からは刈草を載せて運ぶためのビニールシートや熊手を一輪車に載せて運びました。一通り準備ができたので、カップに一杯用コーヒードリッパーを載せ、水筒からお湯を注いで、一服しました。寒かったので、熱いコーヒーがおいしかったです。
そのうち、だんだんと人が集まってきたので、残りの準備作業をお願いしました。
毎年、この行事は七夕みたいだなと思います。この日に1年ぶりにお会いする人が多いのです。久々に懐かしい顔を見られるのも楽しみの一つです。
さて、大工の雨宮さんは「今日は別行動するよ」と宣言し、ロッジの雨戸やぼっとんトイレの柱を直してくださいました。今度、乙女高原に行く機会があったら、ロッジ駐車場の脇にあるブロック製のトイレの入り口を見てみてください。柱の下部が接ぎ木してあるように見えます。腐りかけていた柱の基部を取り除いて、そこに新たな丸太材をはめ込んであります。すごいアイデアと技術だなと思いました。
今年の草刈りは開会式をやらないで、来た順に作業を始めてもらうことになっています。これも三密を避ける一つの手段なのですが、そうなると、受け付けですべてを説明し、作業を選んでもらわなければなりません。ご本人の希望する作業を聞いて、場所と作業をお願いするのですが、「なんでもいいですよ」という方やグループには、グループの人数や年代を見ながら、作業を「あっせん」しました。
いつ来ても、いつ終わってもいいことになっていたし、前回よりも多くの参加者が見込まれたので、今回、自分は作業をしないで受け付けに徹しました。
結局、今日の参加者は66人でした。それらの方々に、草刈りが必要な個所、草の敷き入れが必要な遊歩道が色分けされた草原地図をお渡しして、作業をしていただきました。
「ツツジのコース」はツツジの株がたくさんあるので、機械だとツツジごと刈ってしまいます。ここは鎌を持って、人力で刈って、遊歩道に刈り草を敷き入れてもらいました。シラカバやドロノキ、ズミなど木々の若木も生えてきているので、間伐用のこぎりや剪定ばさみを持って行ってもらって、伐ってもらいました。
面積が広かったので30人ほどに投入しました。お昼前には終了しました。
男の子が「こんなもの見つけた」とツツジの枝に架けた鳥の巣を教えてくれました。おそらくホオジロの古巣だと思います。
ゲレンデのような草はらは刈り払い機で草刈りしてもらいました。遊歩道の近くから刈ってもらって、刈った草をすぐに遊歩道に入れられるようにしました。割り当てられた区画を刈り終えた方が、地図を見ながら別の場所に自主的に移ってくださり、ありがたかったです。
なんといっても重労働なのが「草の敷き入れ係」です。刈り草を集めてビニールシートに載せ、それを引きずって運んで行き、遊歩道に、進行方向に垂直に敷き入れていきます。
ビニールシートの四隅には丈夫な紐を輪にして結んであります。シートを広げて、その上に草を載せ、ギョウザを作るように包み込みこみ、四隅の紐を持つと、それが取っ手の役割をして、とても運びやすくなります。甘利山倶楽部の皆さんに教わった秘伝です。この作業を15分も続けると、汗が出てきます。
草刈りが終わった斜面に赤いコーンを2つ並べておき、お昼の20分前になったら、集まってもらい、コーンの間に並んでもらいました。記念写真を撮るためです。今年も「乙女高原の写真屋さん」古屋さんに撮影をお願いしました。
撮影後、「中締めの会」を行い、代表世話人の角田さんが参加者の皆さんへの感謝の気持ちを伝えました。
今年も保健師の町田さんと三枝さんに救護係をお願いしましたが、この係にやっかいになる方がいなくて、よかったです。
ここで帰られる方も大勢いましたが、半数くらいの方が残って、お昼を食べ、午後も残りの作業を続けてくださいました。
午後は敷き入れの作業が中心でした。草を運び込むのが大変な森の中の遊歩道は、まわりの落ち葉を敷き入れました。こんなの乙女高原の草刈り22年の歴史で初めてでした。特に森の中の遊歩道は土壌流失が続いてしまって、まわりの地面より低くなっているのが気になっていたので、これはありがたいなと思いました。落ち葉のアイデアは杉田さんです。
2時半にはすべての作業が終了しました。今年もつつがなく作業が終わってほっとしました。
草刈りが終わると、いよいよ乙女高原は長い冬が始まります。
---------------------------------------------------------------------
3.【活動案内】 ●乙女高原自然観察交流会● 12月4日(土)
・日 時 12月4日(土)午前9時~午後3時ころ (小雨決行)
・集 合 道の駅 花かげの郷まきおか 9時
・持 ち 物 弁当・飲み物・雨具 その他、あれば観察用具
※昨年12月の交流会の様子はこちらから・・・
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/815fc6d5221218d47eb002f2a2652566
※一昨年前の12月の様子はこちら。氷華がいっぱい見られました。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/bab85c5f79b38f0e4f3dcfce4bf7ec00
---------------------------------------------------------------------
4.【活動案内】●乙女高原フォーラム● 2022年 1月30日(日)
日 時 1月30日(日) 午後1時~3時
※スタッフ集合は11時半です。
スタッフにはお弁当を用意しますので,立候補される方は事前にご連絡ください。
場 所 夢わーく山梨(予定) ※駐車場は市役所跡地
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
定 員 未定(コロナ感染状況による) 要事前申込み。
参加費 無 料
■フォーラムのテーマ・・・「生態系パートナーシップで草原を守る!」
気候危機に加えて生物多様性危機ともいうべき環境危機が進行する現代、日本ではまだあまり聞き慣れない「生態系パートナーシップ」という言葉が欧米ではよく使われるようになり、地域規模から広域、地球規模までの自然環境の保全・再生の活動を支えている。地域ではそれらの取組は、SDG'sに掲げられている人類が現在抱えているさまざまな問題と関連させながら取り組むことが重視される。講演では、1930年代の生態学から生まれ、その後、自然、社会、科学の変化に応じて発展してきた「生態系パートナーシップ」にもとづく草原・湿原再生を取り上げ、それを支える科学と倫理について紹介する。また、炭素貯留、災害防止、生物多様性の保全など「自然にもとづく解決法」の統合的実践に寄与する「自然再生推進法」を活用した自然再生の可能性にも言及する。
■ゲスト・・・鷲谷いづみさん
わしたに いづみさん。東京大学名誉教授。東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。専門は生態学。東京大学大学院教授、中央大学理工学部教授などを歴任。主な著書として、『さとやま―生物多様性と生態系模様―』、『生物多様性入門』、『実践で学ぶ生物多様性』(以上岩波書店)、『生態学-基礎から保全へ』培風館、『なっとく大学一年生の生態学』、『絵でわかる生物多様性』、『新版 絵でわかる生態系』(以上講談社)、『たねはどこからきたか』(山と渓谷社)など、最新の翻訳書として『生態学大図鑑』(三省堂)がある。
■新型コロナ感染対策のお願い
・事前の申し込みをよろしくお願いします。
・感染状況によっては、中止や規模縮小をするかもしれません。ホームページ等でご確認ください。
・発熱等かぜ症状のある方はご遠慮ください。
・マスクを着けてご参加ください。
・会場内は換気のため、窓を開けます。暖かい服装でご参加ください。
・入口で検温・アルコール手指消毒をさせていただきます。アレルギー等のある方はお伝えください。
・受付でお名前・連絡先等をご記入いただきます。万が一の場合、お知らせするためです。
・会場内では大声での会話はお控えください。
---------------------------------------------------------------------
■乙女高原観察交流会■
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。
※今年度の予定
済①04月03日(土)集合:09:00・道の駅 兼:ヤマアカガエル産卵調査
済②05月16日(日)集合:13:00・乙女高原 兼:スミレ観察会(中止)
済③06月05日(土)集合:08:30・道の駅 兼:黄色いスミレ観察会
済④07月03日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:谷地坊主観察会 ※大雨のため中止
済⑤08月07日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
済⑥09月04日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
済⑦10月02日(土)集合:09:00・道の駅
済⑧11月06日(土)集合:09:00・道の駅 兼:草刈り
次⑨12月04日(土)集合:09:00・道の駅
【2022年】
⑩01月08日(土)集合:09:00・道の駅
⑪02月05日(土)集合:09:00・道の駅
⑫03月05日(土)集合:09:00・道の駅
----------------------------------------------------------------
■「街の駅やまなし」乙女高原展■
●中央線山梨市駅すぐ北(北口から出て、すぐの信号を渡り、北に向かって歩いてください。郵便局の北です)の「街の駅やまなし」には常設の乙女高原コーナーがあります。
https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html
●今はシーズン27「乙女高原のきのこ」の展示をしています。乙女高原で春から秋に見られる代表的なきのこの写真パネルを展示しています。
---------------------------------------------------------------
乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン > 第467号(2021.11.27) →ページトップ