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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第476号 2022.4.26.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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▲▼▲ もくじ ▼▲▼
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】4月25日の乙女高原
2.【活動案内】遊歩道づくり 5月15日(日)
3.【活動案内】「スミレ観察会」シリーズ
NEW! 4.【活動案内】マルハナバチ調べ隊① 6月26日(日)
NEW! 5.【活動案内】谷地坊主の観察会 7月02日(土)
■観察交流会年間計画
■「街の駅やまなし」乙女高原展
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0.【ニュースニュース】
●1.いよいよ乙女高原に通じる林道の冬季閉鎖が解除されました。乙女高原まで車で行けますよ。連休にはぜひ乙女高原においでください。
●2.4月25日に乙女高原まで行ってきました。途中の林道での出会いも含め、この日に観察できたスミレは9種類。いよいよ乙女高原まで春が達しました→1
●3.(再掲)市・県ファンクラブ協働で行う「遊歩道づくりの下見・準備」は5月10日(火)。10:00 グリーンロッジ前集合です。遊歩道を歩いて杭の状態を確認したり、トイレ等の掃除をしたりします。午前中で終わる予定です(弁当持参で、午後からゆっくり草原の自然観察をしませんか?)。ご参加いただける方は、このメールに返信をお願いします。
●4.(再掲)5月15日(日) 9:30~12:30に行う予定の「遊歩道づくり」。受付・参加者の誘導などを行うスタッフに立候補していただけませんか? スタッフは参加者より30分早く9時に集合し、打ち合わせを行います。このときに、スタッフの仕事内容を説明します。立候補してくださる方は、このメールに返信を→2
●5.(再掲)遊歩道づくり5月15日(日)の午後は、乙女高原自然観察交流会も兼ねて、スミレの観察会を行います。遊歩道づくりにはぜひお弁当をご持参ください➝3
●6.(再掲)「花と昆虫のリンク」調査ですが、今年度第1回を5月28日(土)または29日(日)に行う計画を高槻先生と立てています。万が一、天候が雨や曇りの寒い日だったら、そもそも昆虫は活発に活動できないので調査ができません。そこで、あらかじめ候補日を2日間とっておき、1日目がダメなら2日目に行おうと考えたからです。調査参加を希望される方は、このメールに返信ください。なお、昨年度の調査の様子は以下のブログを。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/4abdd623b9a0bb2ee93c8ba27df06d0c
●7.メルマ474号で、渡辺さんがレポートしてくださった「雪解け後の草原に観られるソーセージのような土塊」の続編です。まずは、渡辺さんのレポートから引用します。「草原のあちこちにあったソーセージのように長く伸びた土塊についてみんなで考察しました。ソーセージの先端には地中に向かってに穴があったこと、土に混じっている糞はネズミのものであることまではわかったのですが、出来上がるまでのプロセスなどは依然として謎のままです。謎は簡単にわかってしまうと面白くありません。いろいろな可能性を考えることが楽しいのです」
以前から不思議だったこの土塊(たとえば、メルマ69号2003.4.19)。土塊の中から見つかった糞を麻布大学に持ち込み、高槻先生のお口添えで分子生物学研究室の村上賢先生にDNA分析をお願いしました(以前、カヤネズミ?のDNA分析をお願いしたのも村上先生です)。高槻先生から結果のメールが来ました。いずれもハタネズミだったそうです。土塊(私は個人的に「えぼじ」と呼んでいます)の作成者はハタネズミで決定です。では、ハタネズミがなぜ、どうやって、この土塊を作るのか?? 疑問は続くよ、どこまでも・・・です。
※メルマ69号 ➝
http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/69.txt
●8.2022年度第2回の乙女高原連絡会議兼乙女高原ファンクラブ世話人会は6月16日(木)午後7時から、山梨市役所牧丘支所の1階相談室です。ご都合の付く方は覗いてみてください。
●9.(再掲) 街の駅やまなしでの乙女高原展シーズン29「乙女高原のスミレ」を開催中です。とはいえ、乙女高原には30を越えるスミレの花が咲くので、いっぺんに紹介するのは無理。今回はその前編です。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20220306
※乙女高原ファンクラブ2022年度活動計画
➝
http://fruits.jp/~otomefc/2007schedule.html
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1.【観察報告】●4月25日の乙女高原● 植原 彰
この日はちょうど林道の冬季閉鎖が解除される日でした。朝から太陽が照り付け、乙女高原でも暑いくらいの陽気でした。平日でも大手を振って自然観察できる身分になった幸せを噛みしめながら、のんびりと乙女高原を目指しました。
まずは旧杣口林道入口の湿地。2014年まではヤマアカガエルの産卵が見られましたが、それ以降、ぷっつりと見られなくなってしまいました。今年もダメでした。ヒキガエルの卵塊もありませんでした。でも、ミソサザイやウグイスの声がずっと聞こえていて、オオルリが杉の木のてっぺんで元気にさえずっていました。いつもオオルリを探すときには、「木のてっぺんのちょっと下の横枝」を探すのですが、ほんとにてっぺんでした。足元では、湿地が好きなニョイスミレが咲き始めていました。
カエル池の水はかなり少なくなっていました。昨日、雨が降ったにも関わらず・・・です。カエル池が干上がってしまったのは昨年からで、昨年は卵まで干上がってしまいましたが、今年は今のところ、ぎりぎりセーフ。3月21日に初認したヤマアカガエルのおたまじゃくしは2cmほどの大きさに成長していました。4月17日に初認したヒキガエルの卵はソーメン状のままでした。
ヤブサメの声を今年初めて聞きました。ヤブサメはウグイスやセンダイムシクイの仲間で、とっても小さな夏鳥です。一回だけですが死体を拾ったことがあって、測ってみたら体重は9gしかありませんでした。こんな小さな体で海を渡ってくるのですから驚きです。
カエル池からちょっと車を走らせたところの山の中に、林道からもはっきり見える巨大なフェンスができているのを4月2日には観ていました。気にはなっていましたが、今日は一人だし、ゆっくり見ていくことにしました。それにしても、すごい構造物ですよ。高さは4mくらいあるでしょうか。幅は30mくらい。さしずめ山の谷地に設置された落石防止の「巨大ダム」といった風貌です。フェンスを支える、銀色ににぶく光る金属製の柱が4本。断面は正方形で、一辺が10cmはありそうです。その柱を直径1cmはある丈夫なワイヤー何本かで固定してありました。これで落石を受け止め、下の道路に落とさないようにするのでしょうね。
フェンスの上も下も樹木が伐採されていました。まあ作業効率を考えると仕方ないかなあとも思いますが、倒れたらフェンスに影響を与えてしまう上部はともかく、下部には木が生えていたほうがいのではないかと思いました。根が張り、地面を支えてくれるし、雨が降ったときに葉が雨を受け止めてくれるので、直接、雨粒が表土に落ち、地面を穿つことはないし、落ち葉がダムの働きをして水を受け止めてくれるし、さらに、木々は落ち葉を「生産」しているので、それを原料に土が作られるし・・・と、落石防止や斜面崩落防止には木々は本当に役立つと思います。そんな木の「能力」を活用して防災すればいいのに・・・と思いました。レポートをまとめて、県の建設課に提出します。ちなみに、自然の力をうまく活用して減災・防災することを最近の専門用語でEco-DRR(エコ - ディー アール アール ecosystem-based disaster risk reduction)というそうです。
次に、谷川の脇に大きなカツラの木があるところで車を止めました。芽吹いた直後のカツラの新芽は真っ赤で、遠くから見ると、枯れ木に赤い小さな花が散りばめられているように見えるのですが、もうその時期は過ぎていました。それにしても、すっくとそそり立つカツラの幹は大好きです。斜面を降りると、ヤマエンゴサクやコガネネコノメの可愛い花。でも、そのわきに空き缶だの空き瓶だの石油ポリタンクだのと、ごみがいっぱい。斜面の上から捨てられたものに違いありません。どうしてこんなことができるのか不思議です。
ニリンソウやユリワサビ、フデリンドウの花に見とれ、ふと視線を上げると、カスミザクラ(たぶん)の濃いピンク色の花びらが次から次へと舞い降りてきました。頭の中のBGMは、もちろんケツメイシ。
焼山峠に車を置いて、湿地に向かいました。何やらカエルの声が聞こえるのですが、ヤマアカガエルにしては低いし、タゴガエルとも違うし・・・なんだろう・・・と歩みを進めたら、地面を歩くガサッという音。音の主はヒキガエルでした。山に向かっていました。合計3匹のヒキガエルを見つけました。みんな山に向かっていたので、もう産卵という一大イベント・お祭りは終わり、それぞれ家に(山に)帰るところかなあと思い、斜面の上から湿地を双眼鏡で探しましたが、卵塊は見つかりませんでした。
カラマツ林の中を探したら、ありましたありました、ヒナスミレの花。そして、ミヤマスミレの花。たくさんあります。そして、ミヤマスミレとエイザンスミレのあいの子・フギレミヤマスミレの花も。
こんな感じですから、なかなか乙女高原にたどり着きません。手前の湿地ではヤマアカガエルの産卵調査をしました。「木道湿地」と「梨高湿地」には新卵はありませんでしたが、「木橋湿地」には計5腹の新卵がありました。サンリンソウやクリンユキフデが咲き始めていました。
ここでは、アオゲラの夫婦とヤマドリの夫婦に出会いました。歩いていたら、突然バタバタという大きな音がして、ヤマドリの夫婦が飛び出しました。自分から60mは離れていたと思います。こんなに距離が離れているのに、もう逃げだすんだと思いました。
やっと乙女高原に着き、遅いお昼を食べました。午後からは草原の中を歩きました。
キジムシロが黄色い花を咲かせ始めていました。草原内で咲いている花はこれだけ。
でも、富士ビューのところで、ヒナスミレ、タチツボスミレ、アカネスミレ、そしてミツバツチグリの花を見つけました。
帰りは焼山林道を下りました。
薄いクリーム色のヒカゲツツジと真ピンクのミツバツツジがきれいでした。カジカエデやイタヤカエデも花を咲かせていました。
自然観察路入口で車を止め、周辺を見て回りましたが、フモトスミレがいっぱい咲いていましたよ。沢水の下からはタゴガエルの声が聞こえていました。
いよいよ乙女高原にまで春が到着しました! 林道のゲートも開いたことですし、ぜひ、乙女高原においでください。
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2.【活動案内】●遊歩道づくり● 5月15日(日)
◆下見や準備を5月10日(火)10:00から行います。遊歩道を歩いて杭の状態を確認したり、トイレ等の掃除をしたりします。午前中で終わる予定です。ご参加いただける方は、このメールに返信をお願いします。
◆受付をしたり、参加者を誘導したりするボランティアの「スタッフ」を募集しています。応募してくださる方は、このメールに返信してください。
古くなった杭を交換し,ロープを張り巡らし,遊歩道をはっきりさせます。春の乙女高原で,いい汗をかきましょう。ただし,天気が悪いと寒いです。防寒具もお忘れなく。また、コロナ対策として、マスクを持参してください。体調が悪いようでしたら、ご遠慮ください。
なお、午後はスミレ観察会をします。よろしければこちらも予定に入れておいてください。
■主催 山梨市 山梨県 乙女高原ファンクラブ
■日時 5月15日(日) 午前9時半から12時半ごろまで
※スタッフは9時集合
(少雨決行。雨天の判断は各自でお願いします)
(荒天の場合,23日(日)に延期予定)
■集合 乙女高原グリーンロッジ前
■持ち物 雨具,軍手。希望者はべんとう
かけや(大きなトンカチ),なたなど道具がある方はご持参ください。
■服装 作業のできる服装(まだ寒いので,防寒の準備も)
■問い合わせ・申し込み先 山梨市役所観光課 電話0553-22-1111(代表)
※保険には主催者で加入します。
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3.【活動案内】 ●第12期「スミレの観察会」シリーズ●
今年も「スミレの観察会」シリーズを開催します。スミレに特化した観察会を開催するのは12年目になります。乙女高原で見つかったスミレの種類は変種や交雑種を含めて、なんと31種類。とはいえ、一回の観察会で全部を観ることは不可能です。スミレの種類によって、開花の時期が違うし、好みの場所も違うからです。同じような姿かたちなのに、こんなにたくさん! まさに生物多様性そのものです。
ぜひ、複数回参加して、多様なスミレの世界を楽しんでください。
①5月15日(日)集合13:00乙女高原グリーンロッジ ~16:00 参加無料。
乙女高原自然観察交流会②を兼ねて。
この日の午前中は「遊歩道作り」というボランティア作業。
こちらにもぜひご参加ください。
②5月22日(日)集合10:00乙女高原グリーンロッジ ~14:00 参加無料。
乙女高原とその周辺でスミレを観察します。
③6月4日(土)集合8:30牧丘の道の駅 ~15:30 参加無料。
乙女高原自然観察交流会③を兼ねて。
1日かけて標高2000mほどのところに広がるキバナノコマノツメ群落を
観察しに行きます。キバナノコマノツメは黄色い花をつけるスミレです。
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4.【活動案内】●第20期マルハナバチ調べ隊~初夏編● 06月26日(日)
今年も愛くるしく,乙女高原随一のインタープリターであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。
■日 時 6月26日(日) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
※行事災害保険にはファンクラブで加入しています。
【今後のマルハナバチ調べ隊】
盛夏編 08月06日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
初秋編 09月03日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
※時間やプログラムは6月の回と同じです。
※乙女高原ファンクラブでは年に3回ずつマルハナバチ調べ隊を行っています。
初夏編 女王バチが見られる…かも
盛夏編 たくさんの働きバチ
初秋編 超レアなオスバチが見られる…かも
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5.【活動案内】●谷地坊主の観察会● 07月02日(土)
・日 時 7月3日(土) 午前10時~午後3時ころ (小雨決行)
・集 合 乙女高原グリーンロッジ前
・定 員 どなたでも30名
・参 加 費 無 料(保険料はクラブで負担)
・持 ち 物 弁当・飲み物・雨具 その他、あれば観察用具
・内 容 谷地坊主をじっくり観察し、それから谷地坊主の身体測定を行います。
(昨年からどれくらい成長したかを調べます)
【谷地坊主】
乙女高原の湿地に行くと、草の株がこんもり盛り上がり、「露天風呂に多くの人が肩までつかっている」ように見える場所があります。しかも、ただの人ではなく、長い毛がふさふさと伸びたゲゲゲの鬼太郎のよう。これを谷地坊主といいます。口や目を描くと、ゆるキャラみたいです。
たくさんのゲゲゲの鬼太郎が湿地の中に並んでいる光景は乙女高原では珍しくありませんが、こんなに多くの谷地坊主が見られる場所はそうありません。いくつもの条件が奇跡的に重ならなければ、草の株はこんな形に茂らないのです。
2018年2月、山梨市の天然記念物に指定されました。
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■乙女高原観察交流会■
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。
※今年度の予定
済①04月02日(土)集合:09:00・道の駅 兼:ヤマアカガエル産卵調査
次②05月15日(日)集合:13:00・乙女高原 兼:スミレ観察会
③06月04日(土)集合:08:30・道の駅 兼:黄色いスミレ観察会
④07月02日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:谷地坊主観察会
⑤08月06日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
⑥09月03日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
⑦10月01日(土)集合:09:00・道の駅
⑧11月12日(土)集合:09:00・道の駅 兼:草刈り準備
⑨12月03日(土)集合:09:00・道の駅
【2023年】
⑩01月07日(土)集合:09:00・道の駅
⑪02月04日(土)集合:09:00・道の駅
⑫03月04日(土)集合:09:00・道の駅
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■「街の駅やまなし」乙女高原展■
●中央線山梨市駅すぐ北(北口から出て、すぐの信号を渡り、北に向かって歩いてください。郵便局の北です)の「街の駅やまなし」には常設の乙女高原コーナーがあります。
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https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html
●現在、シーズン29「乙女高原のスミレ・前編」の展示をしています。乙女高原で見られる約30種類のスミレの半数を展示しています。
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https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20220306
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