乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン > 第521号(2023.9.28)
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第521号 2023.9.28.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▲▼▲ もくじ ▼▲▼
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1. 【活動報告】植 生 調 査 9月23日(土)
NEW! 2.【活動案内】花と昆虫のリンク調査10月 10月 7日(土)
3. 【活動案内】第22回草刈りボランティア 11月23日(祝/木)
NEW! 4.【 書 評 】高槻成紀著『都市のくらしと野生動物の未来』
■乙女高原自然観察交流会
■街の駅やまなし・乙女高原展
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
0.【ニュースニュース】
●1.【緊急・重要】10/7(土)は「乙女高原自然観察交流会」の予定ですが、急きょ、「花と昆虫のリンク調査」と兼ねて行うことになりました。よって、集合時刻・場所も変わって、「9:40・乙女高原グリーンロッジ前」となります。ご注意ください。今年最後の調査です。大勢のご参加をお待ちしています→2
●2.9/23(土)の植生調査、無事に終了しました。高槻先生を含め8名の参加者がありました。井上さんがレポートを書いてくださいました。井上さん、ありがとうございました→1
●3. 11/23(木・祝)「草刈りボランティア」のちらし配布にご協力を。PDFでも用意されていますので、必要ならばご活用ください→3
https://fruits.jp/~otomefc/2023kusakari.pdf
●4.「草刈りボランティア」に「一般参加者」としてではなく「スタッフ」として参加していただけませんか?? 受付や駐車場整理、各班のお世話係など、多くのスタッフが必要なんです。よろしくお願いします→3
●5. 「草刈りボランティア」の準備を11/10(金)に行うことになりました。もともとは翌11/11の予定でしたが、11/10に「観光地美化清掃」の予定が入り、それならば、11/10に一緒にやってしまおうということになりました。美化清掃から参加だと弁当が出ます!! そのかわり、事前申し込みが必要です。希望者はこのメールに返信をお願いします。ロッジのホールやトイレのそうじ、キッズボランティアの準備などを行います。9:00焼山峠集合です→3
●6.街の駅やまなし「乙女高原展」の展示替えをしました。シーズン39は「草刈りボランティア」です。乙女高原の草原を保全するために草刈りが必要な理由、草刈りしなくなったらどうなるかなどを説明しています。ここにもちらしを置いておきました。自由にお取りください。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20230926
●7.来年2024年に開催予定の第21回乙女高原フォーラムですが、開催日は1/21(日)、会場は山梨市内、そして、スペシャルゲストは日本高山植物保護協会会長の
岩科 司さんにお願いすることになりました。岩科さんは茨城県つくば市にある国立科学博物館 筑波実験植物園の園長や日本植物園協会の会長などを歴任されています。どんなお話が聞けるのか楽しみですね。なお、この乙女高原フォーラムは、日本高山植物保護協会(JAFPA)の協賛で行われます。
●8. (再掲) 2023年度第4回の乙女高原連絡会議・乙女高原ファンクラブ世話人会は10/19(木)午後7:00から山梨市役所牧丘支所(旧牧丘町役場)です。ご都合がつく方は、ぜひのぞいてみてください。
●9. (再掲)新刊ガイドブック『乙女高原の自然観察』はA5判32ページ、オールカラーで、1ページに1テーマずつ記事を載せています。実費300円でお分けます。送付を希望される方は、送料込みの金額を送金ください。金額分の切手でも結構です。送料は1冊だと140円、2~8冊だと180円です。
●10. (再掲) 山梨CATV制作「教えてうえちゃん いつでもどこでも自然観察・乙女高原スペシャル」動画がユーチューブ・チャンネルで公開されています。約1時間、乙女高原三昧の番組です。
https://youtu.be/g_9EuQ3A3f4
●11.韮崎市・甘利山の草原の保全活動をしている「甘利山倶楽部」では「秋の草刈り」へのボランティアを募集しています。10/22(日)、10/28(土)、10/29(日)の三日間のうち、9:00~15:00の間ならいつでも。弁当持参で行けば、軍手・鎌・刈り払い機燃料は準備してくださるそうです。詳しくは0551-22-6682(小林さん)まで。
------------------------------------------------------------------------
1. 【活動報告】●植 生 調 査● 9月23日(土)
※井上さんがレポートを書いてくださいました。
シカ柵設置直前から年に一度行っている、高槻先生指導の植生調査を実施しました。調査地点は草原内に10か所。ポールが立っているのですが、毎年、そこの植生を調査します。
今年の調査に集まったのは8名。
いつもは入れない遊歩道のロープの中に入っていきます。ポールが立っている所で、折り尺2本を使って、1m四方の方形を作って、その中にどんな植物があるかを調べます。まず10cm×10cmの中の植物、次に10×25、25×25、25×50、50×50、50×100、100×100というふうに範囲を広げていって、あった植物を記録していきます。もう花の咲き終わったものが多く、葉で植物名を同定しなくてはなりません。特に根生葉のものや小さな葉のものは何の植物なのか、判断の難しいものもありますが、高槻先生や植原さんが植物名を同定していきます。他の人たちは周りでその様子を見ていますが、植物の同定では、葉の形や葉柄など、植物をよく観察しなくてはならないことがわかり、皆、興味深げでした。私は記録を担当しました。
1m四方の中の植物の同定が終わると、高槻先生がその植物の「被度」(調査区内で出現した各植物種が、どの程度の面積を占めているのかを示す尺度)と「高さ」も見ていき、それを記録します。その後、1m方形の外側1m×2mと2m×2mに新たに見られた植物も記録して、1区画の調査が終わります。
午前中5か所、午後5か所の調査をしました。記録していくと1か所で30種類くらいの植物があり、植物が増えてきているのがわかります。また、同じ草原内でも地点によって、見られる植物が少しずつ違うことも興味深いです。
参加した何人かは始めは調査の様子を見ていましたが、特定外来植物のヒメジョオンをあちこちに見つけて、この駆除作業をおこなってくれました。
1週間前に比べると、夏の花はほとんど終わっていますが、ヤマラッキョウが花盛り。やはり増えているようで、たくさん咲いていました。ノハラアザミは次々に咲くようで、咲き終わりもあるけれど、まだきれいに咲いているものも多かったです。これらの花にはウラナミシジミやセセリチョウ、アブやハムシがきていました。ノダケの上には、キアゲハの幼虫がいっぱい。2,3歳のものから終齢のものまでさまざまな時期の幼虫がいました。1つのノダケには8匹もいました。花や葉を食べつくしていて、これから寒くなるのに大丈夫かと気になりました。
-------------------------------------------------------------------------
2.【活動案内】●花と昆虫のリンク調査10月● 10月7日(土)
・9:40~ 雨天中止 集合 乙女高原グリーンロッジ
・高槻先生の指導で、花に来ている昆虫をはじから記録していきます。
・乙女高原自然観察交流会と兼ねて行います。
・弁当、水分、帽子、筆記用具、時計(腕時計、スマホの時計など)。
・おそらく終わるのは15:00くらいになると思います。
※参加いただける方は、このメールに返信をお願いします。
-------------------------------------------------------------------------
3.【活動案内】●第22回草刈りボランティア● 11月23日(祝/木)
今年の草刈りボランティアは「コロナ前」の形に戻して実施します。山梨市駅と乙女高原を結ぶ送迎車を準備しますし、豚汁も作ります。勤労感謝の日は、乙女高原のために勤労し、心地よい汗をかきましょう。皆さんにお会いするのを楽しみにしています。
なお、多くのボランティアを受け入れるためには、そのためのスタッフも数多く必要になります「今までスタッフをやったことのない方」もスタッフに立候補していただけるとありがたいです。スタッフにはスタッフ用のマニュアル・資料をお渡しします。「スタッフに立候補するよ」というメールを、ぜひ、このメールマガジンに返してください。よろしくお願いします。
●日時 11月23日(木・勤労感謝の日) 9:30~12:30
・荒天の場合26日(日)に延期。
延期の場合、送迎車、豚汁、パッカー車による草の搬出はなし。記念写真はあり。
・12:30に終了後、豚汁を各自持参のお弁当とともに食べていただき、順次解散。
●11月10日(金)に準備作業を行います。
・この日に山梨市主催の「観光地美化清掃」もあるので、それと兼ねて行います。
・弁当が出ます。人数を把握するため、事前に申し込んでください。
・ロッジのホールやトイレのそうじ、キッズボランティアの準備などを行います。
・9:00焼山峠集合です。
●無料送迎車→運行予定 (山梨市駅-乙女高原) ※延期の場合なし。
・メールのみの受付となります。
https://blog.goo.ne.jp/otomebus
●キッズボランティア (ブナじいさんの根本に落ち葉のお布団を) ※延期の場合なし。
・「保護者は草刈り、お子さんはブナじいさん」という参加可。
◎キッズ・ボランティアを支えてくださるスタッフを募集します。
●(株)田丸様のパッカー車による刈り草の搬出 ※延期の場合なし。
・乙女高原の刈り草を残土置き場に運び入れて、「第2乙女高原」を創ります。
●草刈り後の草原で記念写真
・12:15の予定。写真を撮るまでは帰らないでくださいね!!
●豚汁の無料提供
・藤巻様から提供していただいた豚肉とごぼう等をもとにスタッフが腕を振るって作ります。
・お弁当を持ってきて、お弁当と一緒にお食べください。
-------------------------------------------------------------------------
4.【 書 評 】●高槻成紀著『都市のくらしと野生動物の未来』●
植原 彰
1か月に1回以上、東京から乙女高原に通って楽しく調査くださっている高槻さんが、岩波ジュニア新書として『野生動物と共存できるか』(2006)、『動物を守りたい君へ』(2013)に続いて、3作目として書かれた本です(2023)。読後、最初の感想は「この本は、今の社会、今の地域環境・地球環境の中で、人はどう生きていけばいいのかを考える『座標』を与えてくれる本だな」でした。『座標』というのは、今の私たちの暮らしの『立ち位置』といった意味です。私たちは、やれ今日も猛暑日でクーラーをつけようだの、やれガソリンが180円を越えてたいへんだのと、身の回りの狭い範囲、今日明日といった短い時間帯でものを考えがちです。でも、もうちょっと、自分が今、立っている場所(暮らし、ものの見方・考え方、生き方、…)を広い視野・長いスパンで考えたり見たりしてみると、まったく別の「景色」が見えてくるのではないか。もちろん、生きるためには狭い範囲・短い時間帯で考えなくてはならないことが多いけれど、そんな「広い景色」を意識しながら生きる・暮らしていくことは、とても大切なんじゃないの??と、問いかけられているような気がします。
本のタイトルからして「野生動物との付き合い方」を論じている本だと思って、ページを開けると、きっとびっくりしますよ。第1章「東京のタヌキ」はわかるとして、第2章は「昭和という時代」です。ん? 野生動物の本で、昭和?時代?? でも、「この本は自分たちの立ち位置を確認するための本だ」と思うと、合点がいきます。
第1章は野生動物が生きる・暮らすというのはどういうことなのかが論じられています。そして、そこには生き物同士のリンク(つながり)があることが強調されています。ヒトも元々は(?)野生動物です。ヒトのリンクは大丈夫でしょうか。
そして、第2章では、高槻さんが見聞きした範囲での、日本人の暮らしぶりの変化を記しています。その中でヒトの「リンク」はどう変化していったでしょうか。人の野生動物や自然との関わり・リンクはどう変化したでしょうか。そして、それが第3章「都市と人のくらし」に続きます。そうです、今です。
拡張してきた「都市」で「野生動物」がどういう状況に置かれているかを論じたのが第4章「都市と野生動物」で、まとめとして第5章「みなさんと生きものの未来」があります。「みなさん」を待っている未来と「生きもの」を待っている未来は同じ未来です。そうです、未来は一つです。だから、みなさん「と」生きものの未来なのです。
未来のことを考えると暗い気分になりそうですが、希望があります。ちょっと長いですが、引用します(198ページ)
※ ※ ※
私がみなさんに伝えたいのは、都市生活をしていると、動植物と距離ができるために正しい感覚が持てなくなることを自覚してほしいということです。
そのためには、動植物のことを正しく知る必要があることを書きました。そして正しく知ることは、動植物の名前を知るだけでなく、その動植物がどういう生き方をしているかを知り、ほかの生き物とどういう関係を持っているかを知ることであり、そのために無用な偏見を持たないようにしようということも書きました。
アメリカの生物学者ジャレド・ダイアモンドは、人類が、例えばイースター島のように自分たちの社会を崩壊させた例や、マンモスやモアのような動物を捕り尽くして絶滅させた悲劇は無数にあることを説明した後で、次ように書いています。
実は、過去において生態学上の悲劇的な失敗を犯した人と私たちのあいだには決定的な違いが二つある。こうした人たちに欠けていた科学的な知識が私たちにはあること、その知識を伝えあい、共有できる手段が私たちにはあることだ。 (『若い読者のための 第三のチンハンジー)
※ ※ ※
本の中で私的に一番印象に残ったことは、上皇様のタヌキのウンチ調査の話です。上皇様が東京のド真ん中・皇居で5年間に渡って調べたことにより、東京のタヌキの食性が明らかになったという話なのですが、印象に残ったのは、調査日です。「糞を回収した日だけでなく、回収されなかった日も書いてあります。そして、私が気づいたのは2011年の3月以降は回収日の間隔が広くなったことです。」高槻さんは「東日本大震災後、両陛下が被災地を訪問されたからだ」ということに気づきます。そして、「調べなかったことも正直に書かれた陛下のご姿勢に、科学者としての誠実さ」も感じています。科学者とは、こういうことに気づける人・感じる人であってほしいと思いました。
実は私、今夏に、甲府地方気象台の全気温データを調べる機会がありました。1945年6月1日から7 月6日にかけて、データのない項目がいくつも見られました。1945年7月6日というと甲府空襲があった日です。気象台に電話をかけて聞いたところ、空襲によって、前月の6月と、7月の当日までのデータ(紙)が燃えてしまったためということでした。戦争の爪痕が気象データにまで残されていたということです。空襲は6日の深夜から7日の未明にかけて行われたそうです。でも、7日以降のデータはちゃんと残されていました。気象台の職員たちは、気象台が焼けてしまったにもかかわらず、また、自分の生活が大変だったはずなのに、翌日には観測を始めていたということです。当時の職員の皆さんの仕事に対する矜持を感じました。
調査は人がやることです。ですから、データにはその人の魂が宿ります。そんなことをきちんと感じ取れる感性を持っていたいと思いました。ちょっと脱線しましたね。
-------------------------------------------------------------------------
■2023年度 第8期 乙女高原観察交流会■
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。
※今後の予定
⑦10月07日(土)集合:09:40・乙女高原 兼:花と昆虫のリンク調査
⑧11月10日(金)集合:09:00・焼山峠 兼:草刈り準備
⑨12月02日(土)集合:09:00・道の駅
【2024年】
⑩01月06日(土)集合:09:00・道の駅
⑪02月03日(土)集合:09:00・道の駅
⑫03月02日(土)集合:09:00・道の駅
---------------------------------------------------------------------
■街の駅やまなし・乙女高原展■
中央線山梨市駅すぐ北(北口から出て、すぐの信号を渡り、北に向かって歩いてください。郵便局の北です)の「街の駅やまなし」には常設の乙女高原コーナーがあります。
https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html
現在、シーズン39「乙女高原の草刈り」の展示をしています。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20230926
--------------------------------------------------------------------
乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン > 第521号(2023.9.28) →ページトップ