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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第274号 2012.8.11.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】8月 5日 マルハナバチ調べ隊U
NEW! 2.【観察報告】8月 9日の乙女高原
3.【活動案内】8月18日 杭づくり
4.【活動案内】8月19日 乙女高原自然観察会
NEW! 5.【活動案内】9月 9日 マルハナバチ調べ隊V
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0.【ニュースニュース】
●1.8月上旬に何度か乙女高原を訪れましたが,今年はマルハナバチもちょうちょもたくさんいるような気がします。もちろん,たくさんのお花も咲いていますが,花ばかりでなく,花に来ている虫たちにも目を向けてやってくださいね。お花たちと虫たちはよきパートナーで,この組み合わせがたくさんあることによって,多様な花と多様な虫,つまりは生物多様性が保たれています。
ぜひ観察ブログもみてくださいね。
http://blog.goo.ne.jp/otomefc/
●2.乙女高原案内人の雨宮さんの発案で,ロッジの庭の看板の修理をしました。ファンクラブ会員有志と山梨市観光課の職員の方とで,8月7日に行いました。立派なものができましたよ。その様子は「活動ブログ」でご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20120807
●3.乙女高原を歩こう(自然観察会)を開催します。8月19日(日)午前10時から12時までです。涼しい高原の風を受けながら,お散歩感覚で自然観察を楽しみましょう。じつは優雅に飛ぶアサギマダラの数は毎年お盆過ぎに最大になります。たくさんのアサギマダラが群れ飛んでいる様子を見に来てください。
●4.(再掲)次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は9月12日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。
●5.(乙女高原案内人の皆様へ)以前もメールでお知らせしましたが,8月31日の午前中,牧丘第一小学校の5年生35人の乙女高原案内を依頼されています。今のところ,内藤さんと竹居さんが案内してくださることになっていますが,35人相手だと,あと1〜2人の案内人がいないと大変です。ご都合のつく方はぜひお願いします。
●6.南アルプス市で行われる日本自然保護協会の自然観察指導員講習会の申し込み締め切り日は過ぎてしまいましたが,まだ少し空きがあり,継続して申し込みの受け付けをしているそうです。まだ指導員になっていない方,急いで!
■第464回NACS-J自然観察指導員講習会・南アルプス市
・開催日:2012年9月15日(土)〜17日(月・祝) 雨天実施
・会場 現地集合・解散 櫛形山県民の森ウッドビレッジ伊奈ヶ湖、グリーンロッジ
〒400-0317山梨県南アルプス市上市之瀬1760 пF055-283-8700
・費用 一 般 16,400円 (NACS-J会員は個人会費分5,000円減額)
(受講料、初年度登録料、NACS-J個人会費(裏面参照)、テキスト代、保険料含む)
*宿泊希望者は2泊6食で別途7,200円が必要です。
・定 員 60名
・参加資格
*満18才以上で、期間中のすべての講座および実習を受講できる方。
*自然保護教育の必要性を認識し、自然観察活動の推進に意欲があり、
できるところから実践の第1歩を踏み出す意欲のある方、
また現在活動されている方。
・申し込み方法 ホームページからも申し込みができます。
http://www.nacsj.or.jp/sanka/shidoin/seminar.html
・問い合わせ・申し込み先
〒400-0395 山梨県南アルプス市小笠原376 南アルプス市役所みどり自然課
TEL:055-282-7259 E-mail:midori@city.minami-alps.lg.jp
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1.【活動報告】 8月5日 マルハナバチ調べ隊U
すごくいい天気でした。でも,気温はせいぜい23℃。それに湿度も50%代。風も適度にあって,昼寝するには最高の希少条件です。そんな中,マルハナバチもいっぱい。今日は安心してマルハナバチ調べ隊を実施できます。
朝,あまりにも天気がよかったので,母母峠の富士山絶景ポイントに寄り道しました。そしたら,すでに先客がいました。案内人の井上さんでした。考えていることは同じです。岩の上にホツツジがきれいに咲いていました。富士山には少し雲がかかっていました。やっぱりもっと早い時間帯に来ないとだめみたいです。
マルハナバチの特徴と調査方法を知ってもらって,自主的にマルハナバチ調査をしてくれるような人材養成をしようというのがマルハナバチ調べ隊の当初のもくろみでした。(ボランティアの)調査員が増えれば,よりきめ細かいマルハナバチ調査ができるからです。
調査を始めて10年がたちますが,このもくろみは達成されていません。とはいえ,10年間のデータはたまりました。もっとも「たまった」だけで「整理」されてはいませんが・・・。
さて,今日の参加者は10人。定員より少ないですが,頭を寄せ合って小さなマルハナバチの観察をするにはむしろちょうどいいかもしれません。
まずは(いつものように)紙芝居を使ってマルハナバチの紹介をし,ラインセンサス調査をして草原内を歩いていきました。ラインセンサスのコースは10年前から変わっていません。同じコースを同じ時間(だいたい1時間)かけて歩き,見られたマルハナバチすべてを記録していきます。
歩き始めてすぐは,なかなかマルハナバチと遭遇できなかったですが,お,ついに発見しました。
「オオマルハナバチ」の「働きバチ」が「ノハラアザミ」に来ています。足には花粉団子を付け,蜜を吸っている動作も見せているので「蜜・花粉」です。「 」で書いたところを記録していきます。これで1レコードです。調査を重ねる中で調査用紙を改良し.できるだけ間違いなく,しかも短時間で記入しやすいようにしています。この調査用紙は,乙女高原グリーンロッジ玄関前のレターケースの中に入っていますので,活用される方はご自由に使ってください。そして,ファンクラブ事務局まで調査結果をご報告ください。
結局,1時間かけて合計65頭のマルハナバチと出会いました。その概要をいいますと以下の通りです。
・コマルハナバチ 計1(クガイソウ)
・トラマルハナバチ 計1(ノアザミ)
・ミヤママルハナバチ 計4(クガイソウ3,ヤマハギ1)
・オオマルハナバチ 計59(クガイソウ48,ノハラアザミ5,チダケサシ4,キンバイソウ1,タチフウロ1)
マルハナバチの種類をみると,圧倒的にオオちゃんが多かったです。また,マルハナバチに人気がある花は,なんといってもクガイソウでした。
これらが時期によってどう変化するのか,オオマルハナバチはこの時期だから多いのか,それとも全季節を通じて多いのか,去年と比べてマルハナバチの動向はどう変化しているのか・・・といったことは,より多くの,きめ細かいデータを重ねていかないかぎりわかりません。だから,「マルハナバチ調べ隊」なのです。だから,ボランティア調査員を養成したいんです。(もっと贅沢を言うと,データをとりまとめ,整理してくださる方もほしいです)。
午後からは「まちぶせ調査」をしました。これは,調査員がある花(1つの名の場合もあるし,集団で咲いている場合もあります。木の場合は,1本の木を決めることが多いです)の前でマルハナバチをまちぶせし,来たハチの頭数と行動とを記録するというものです。
一般的にマルハナバチ調査というと,この「まちぶせ調査」です。とはいえ,1回のまちぶせ時間が1時間とか2時間とか。半端ではありません。イベントとしてはやりにくいし,とりあえず調査を「体験」してもらえばいいので,1回を15分とか20分という時間にし,2ラウンドしてもらうようにしています。今回は時間があったので,いつもの15分ではなく20分を2回やってもらいました。
同じ種類の植物を数人で調査することになるので,結果的に一人で調査するより,より多くのデータを集めることができます。
調査方法について説明し,草原の中に散ってもらいました。2回の調査が終わったら,帰ってきて,調査結果を報告してもらいました。
たとえば,クガイソウをまちぶせ対象植物に選んだ人は,武川さん,風間さん親子,長田さん親子,三枝さん,芳賀さん,井上さんの8人ですが,井上さんは2回ともクガイソウでまちぶさをしているので,のべ9人分=180分のまちぶせ調査をしたことになります。訪れたマルハナバチの合計は,トラ1,オオ49,ミヤマ3,コ5でした。これを比較しやすいように,1時間あたりに換算すると,トラ若干,オオ16,ミヤマ1,コ2,計19となります。
これをほかの花のデータと比べればいいわけです。たとえば,イケマは三枝さん,芳賀さんのお二人が調べていて,合計40分。その間,オオ26です。1時間に換算すると(3/2倍すればいいわけで)39頭となります。
イケマのほうがたくさんのマルハナバチが訪れていますが,オオに偏っており,より多くの種類のマルハナバチに好まれているのはクガイソウのほうであることがわかりました。
調査結果の速報値と簡単な考察を報告し,「ひとことカード」を書いていただいて,交換にマルハナバチのポストカードを差し上げました。こうして,今年2回目のマルハナバチ調べ隊を終了しました。
こんな感想が「ひとことカード」に書かれていました。
・すごく楽しくて,すごくうれしいなと思いました。それと,はちにさわれて,すごくよかったです。
・すばらしい天気で,でも,涼しくて,最高でした。今日はオオマルハナバチがとても多くてびっくりでした。時期によって見られるハチもちがってくるのかなと思いました。こんなにハチが多いのは,花もたくさんあって,乙女高原の環境がよいということですね。
・天気もよく,たくさんのマルハナバチが見られてよかった。イケマの甘い香りの中,大ちゃん大好きトラちゃんにも会いたかったのが残念。
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2.【観察報告】 ●8月9日の乙女高原●
午前中休みをもらって,乙女高原に行ってきました。調査のためです。
林道の途中で車を止めました。ヤマユリの写真を撮ろうと思ってです。ヤマユリは急な崖のフェンスがあるところでしか見られません。フェンスがあればシカが歩きにくくなります。だから残っているのかなあと思い,その様子を写真に撮っておこうと思ったんです。
で,車を降りて,崖に近づいたら・・・大発見その1!
エイザンスミレの夏葉は以前から知っていましたから「お,エイザンスミレの大きな葉っぱ!」と思って近づいたら,おー,2枚の葉っぱの根元から花柄が延びていて,なんと咲かない花「閉鎖花」があるではありませんか。スミレの春先見せてくれるかわいい花には虫が訪れ,(同じ種類のスミレの)ほかの花からの花粉によって受粉します。遺伝子を交換し,多様性を高めるのです。一方,春を過ぎると,遺伝的には同じになってしまいますが,確実に効率的に子孫を残せる自家受粉のための閉鎖花を付けます。どうせ自家受粉ですから(虫を誘う必要はないので)目立たない,花らしくない花です。
写真を撮っていたら,大発見その2!
すぐ近くの葉っぱに,おー,すごいイモムシ! イモムシにたくさんの角が生えているのですが,その角からたくさんのトゲが出ているのです。食べている葉っぱがサルトリイバラで,この特徴的な形,これはルリタテハの幼虫に間違いありません。前から見たい見たいと思っていたイモムシの一つです。
こんなふうにいろいろな発見があるので,林道を車で通り抜けてしまうのがもったいなくてしかたありません。この2つの(大)発見とも,ブログに写真をアップしてありますので,ご覧になってください。
http://blog.goo.ne.jp/otomefc/d/20120809
焼山峠に着きました。
作業着を着ている方が10人くらいいました。声をかけたところ,東京電力下請けの会社の方で,今から高圧鉄塔の点検を行うのだそうです。あの鉄塔1本が120〜140メートルもの高さがあるそうです。100万ボルトに設計されていますが,今,流れているのは50万ボルト。柏崎の原発から電気を引いてくることになっていますが,今は原発は止まっているので,「群馬あたりで,かき集めているんじゃないですか」とのことでした。高電圧な環境で仕事をしなければならないので,アースにもなっている鉄塔を通じて電気を「逃がす」ために,特殊な服,ヘルメット,くつした,くつを使っているそうです。
さて,歩き始めました。イヌゴマやウツボグサがたくさん咲いています。ヤマハギにはブンブンとミヤママルハナバチがたくさん来ています。林道の南を平行して走る遊歩道を歩きました。湿地ではツリフネソウやキツリフネ,サワギクが咲いています。セリ科の花が2種類咲いているのですが,いまだに名前がわかりません。
木道湿地のところで林道に出て,そこからは林道を下りました。ノリウツギがとてもきれいに咲いています。ミソサザイの声も聞こえます。午後からは仕事が待っています。だんだん時間が少なくなってきて,あせり始めました。急ぎ足で歩いて,調査を終わらせ,焼山峠から車で乙女高原へ。
乙女高原でも,いろいろな方に会いました。
まずは山梨県森林総合研究所の研究員の方。山の中にどんな外来種が,どのように侵入してくるかの調査研究を,乙女高原をフィールドに行うそうです。乙女高原の草原に侵入してきた外来種をラインセンサス調査しています。調査のための杭を打っています。杭はほとんど地面に入っていますが,頭の赤い部分が地上に出ています。そんなことはないとは思いますが,つまづかないようにしてください。
次に,麻布大学の学生さん。遊歩道のロープに赤いテープ(距離を表しています)を付けて調査している方です。やはりラインセンサスで,花に来ている昆虫を記録しています。マルハナバチも訪花昆虫です。マルハナバチのラインセンサス調査だったら,10年分のデータがあります。それを参考にしてもらおうと,お貸しする約束をしたのです。
最後に会ったのは,看板修理の発案者である雨宮さんです。看板修理は一昨日だったのですが,今日はロッジ物置の屋根に積もりに積もった落ち葉や枯れ枝を,自主的にそうじしてくださっていたのです。
たくさんの方が関わって乙女高原の自然が守られていくんだなーということを実感した1日でした。おっと,早く帰らないと,仕事に間に合わない!
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3.【活動案内】(再掲) ●杭づくり● 8月18日(土)
遊歩道の整備で使う杭を,今年も手作りします。大勢でやれば,たくさんの杭が用意できるし,なにより早く作業を終えられます。できるだけ多くの方の参加をお待ちしています。
杭づくりは午後からの活動ですが,その準備として,間伐した丸太を運び出す作業を午前中からします。こちらにもご参加いただける方は,ぜひお願いします。こちらは午前9時に塩平バス停集合です。
■日 時 8月18日(土) 雨天決行 午後1時から4時くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 水筒等,軍手,(ある方は)カマ,ナタ。よごれてもいい服装で。
■参加費 無料。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
※行事災害保険にはファンクラブで加入します。
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4.【活動案内】(再掲) ●乙女高原自然観察会● 8月19日(日)
遊歩道の森のコース〜ブナじいさん〜草原のコース〜ツツジのコースをゆっくり歩きながら,自然観察を楽しみましょう。お昼に終了になりますが,乙女高原から下るには結構な時間がかかりますので,ぜひ,お弁当持参でご参加ください。
■日 時 8月19日(日) 雨天決行 午前10時から12時くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 雨具,水筒等,筆記用具,観察用具。
■参加費 無料。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
※行事災害保険にはファンクラブで加入します。--------------------------------------------------------------
5.【活動案内】 ●マルハナバチ調べ隊V● 9月 9日(日)
調べ隊ちらし→
http://fruits.jp/~otomefc/maruhana2012.pdf
今年も愛くるしく,乙女高原随一のインタープリターであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。
■日 時 9月9日(日) 雨天中止 午前10時半から午後2時くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
※行事災害保険にはファンクラブで加入します。
※年に3回調査をするマルハナバチ調べ隊は,今年で10年目。
第1回は6月24日(日) ・・・18人の参加者を得て,無事終了。
第2回は8月 5日(日) ・・・10人の参加者を得て,無事終了。
第3回は9月 9日(日)
時間やプログラムはすべて同じです。
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