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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第186号 2007.4.30.
発行者:植原 彰 (乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】4月30日の乙女高原
2.【イベント案内】第8回遊歩道作り 5月13日(日)
NEW! 3.【イベント案内】2007年度(第5期)マルハナバチ調べ隊
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0.【ニュースニュース】
●1.いよいよ乙女高原に通じる林道の冬季通行止めが解除され,乙女高原まで車で自由に行けるようになりました。でも,道はカーブが多いので,くれぐれも運転に気をつけてください。かくいうぼくも「あ,オオルリが鳴いてる」「お,ヒカゲツツジが咲いてる」と,どうも脇見運転の誘惑に勝てません。
●2.乙女高原では,少なくとも4月17日と28日に雪が降りました。4月になってから,こんなに雪が降るなんて,びっくりです。
●3.乙女高原の自然を保全するためのボランティア作業・第1弾として,遊歩道づくりを5月13日(日)に行います。ダメになった杭を新ため,ロープを張ります。おそらく,そのころはサクラスミレやフデリンドウがかわいく咲いていると思います。そんな乙女高原で,楽しく汗をかきませんか? 詳しくは,以下のアドレスへ。
http://www.kcnet.ne.jp/~otomefc/yuhodo.pdf
なお,乙女高原に行くようなことがあっても,杭に付いているピンクの紐を取らないでくださいね。交換が必要な杭の目印です。
●4.5月の乙女高原はスミレたちの天国です。乙女高原で見られるスミレたちをA4サイズ1枚にまとめました。言ってみれば1枚図鑑です。乙女のスミレを極めたい方,ぜひ,プリントアウトしてお持ちください。
http://www.kcnet.ne.jp/~otomefc/sumire.pdf
●5.次回世話人会は5月30日(水)午後7時半から9時までの予定で,牧丘町総合会館で行います。世話人でなくても参加自由です。ぜひ,おいでください。
●6.乙女高原で案内人の皆さんが中心となって進めている乙女高原の案内は,乙女高原での自然観察会とも言えます。その自然観察会をどのように進めていけばいいのかヒントが盛りだくさんの本が出ました。浜口哲一『自然観察会の進め方』(エッチエスケー)です。浜口さんは平塚博物館の学芸員(今は館長さん)で,長年,自然観察会に携わってきた方です。じつは,ぼくは,浜口さんが平塚で行っていたタンポポ調査をぜひ自分の大学の周辺でもやりたくて,学生時代に博物館まで押しかけたこと
があり,それ以来,親しくお付き合いさせていただいています。
この本の中で,特にお勧めなのが「リーダーとしての自分を磨くために」という章で,キーワードは好奇心,視点を変える訓練,スケッチをしよう,文章のスケッチといった項目が並んでいます。
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1.【観察報告】
●4月30日の乙女高原● 久しぶりのこごみ摘み
じつは,昨日(29日)も乙女高原に行っていたのですが,日陰には雪が残っていました。28日に降ったものにちがいありません。
28日午後,牧丘では急に曇ってきたかと思うと,強風と大雨にみまわれました。雨上がり,家から北西方向を見ると,木楢山のてっぺんが白くなっていて,びっくりしました。きっと乙女も雪だったに違いないと思いました。翌29日に行ってみると,案
の定,日陰には雪合戦ができるほどの雪が残っていて,子どもたちが季節はずれの雪遊びをしていました。
さすがに30日には雪は残っていませんでした。
乙女までの林道では,オオルリがいい声でさえずっていました。センダイムシクイやヤブサメの声も聞こえます。いよいよ夏鳥たちがやってきたのです。
林道の脇にはヤマブキやモミジイチゴの花。そして,「マメザクラの大木」にはコマルハナバチの女王たちが10頭も来て,さかんに蜜を吸ったり,花粉を集めたりしていました。たくさんのビロードツリアブたちがにぎやかさを倍増させています。
林道脇の池にはすごい量のヒキガエルの卵がありました。ヒキガエルの卵は細長い紐状ですが,乙女の遊歩道づくりで使うロープほどの太さのある卵が,おそらくは総延長7メートル以上あったと思います。
今日は糞のサンプリングのため,大窪山の遊歩道を歩きました。
集めているのはテンの糞なのですが,途中,黒々としたビロードのようなキツネの糞を見つけました。黒い糞の中に所々,白い骨が見えます。そのうち一つは明らかに小動物の下あごの骨だったので,興味を持ち,ビロードの細かい毛をピンセットで取り除いてみました。ネズミ? いえ,違います。ぼくは以前,フクロウのペリットに入っている骨を同定するために『日本産ほ乳類頭骨図説』なんていう本を買って,勉強したことがあるのですが,明らかにネズミ類の特徴ではなく,モグラ類の特徴を持った骨でした。糞・・・というより毛のかたまりをほぐしてみると,また,下あごの骨が見つかりました。おもしろくなって,さらにほぐしていくと,今度は上あごと下あごがセットで出てきたりして,合計7個,つまり,少なくとも4頭分の下あごの骨が一つの糞の中から出てきました。毛の色が茶色を帯びず,本当に真っ黒に見えたし,骨のサイズからして,おそらくヒミズの骨ではないかと見当を付けました。
キツネが4頭のヒミズを捕まえるのはたいへんな労力だったのでしょうか。ヒミズはまとまっていたのか,それともバラバラでいたのか,そんなことも知りたくなりました。
糞のサンプリングを終え,乙女で昼食を取り,まだ少し時間があったので,久しぶりに山菜を採りに行くことにしました。このところ,忙しくて「ヒミツのこごみポイント」に行くのは5年ぶりぐらいだと思います。
林道を途中まで降りてきて車を置き,沢沿いの道を歩きました。名前は分かりませんがスゲの花が咲いていました。でも・・・まわりを見ると,花を付けている株はそれ一つだけで,他の株はことごとく刈られたようになっていました。きっとシカにでも食べられてしまったのでしょう。コガネネコノメの黄色いかわいい花が咲いています。ミツバツツジのピンク色がモノトーンの雑木林で目だっています。そのうちの一株に数頭のハチが集まって,蜜を吸っていました。よく見ると,咲き出す直前の蕾を強引にこじ開け,蜜を吸っているようです。全身真っ黒でおしりが黄色いのでコマルハナバチのように見えますが,それにしては体が細長いような気がしました。 ホソミオツネントンボがスーッと飛んでは,枝に止まっていました。ちょっと目を離すと,もうどこにいるか分からなくなってしまうくらい,小さな枝にそっくりです。
こごみのポイントに着きました。以前は背が低かったヒノキもだいぶ大きくなり,日陰が多くなったからでしょうか。以前よりこごみが小さくなったような気がしました。それでもラッキーなことに,ちょうど採り頃だったので,おいしそうなのだけを選んで,しかも,一つの株に必ず2〜3本残すようにして,採っていきました。山菜採りは,あんまりがめつくならないことが大事です。ヤマエンゴサク,シロバナエンレイソウ,ヒトリシズカなどの花を楽しみながら,こごみ摘みも楽しみました。途中,いくつも炭焼き窯の跡を見ました。こういうものはエコミュージアムの格好の教材になるのですが・・・。
こごみの標準和名はクサソテツ。帰ってから軽く洗い,天ぷらとおひたしにしました。アクがまったくと言ってもいいくらい無く,ビールのつまみでどんどん食べてしまいました。抹茶と塩を混ぜて,天ぷらに付けて食べると,とてもおいしいです。
→この日の自然観察の内容を画像で見る
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2.【イベント案内】
●第8回 遊歩道づくり● 5月13日(日)
■時間 午前9時30分から午後2時までの予定(雨天の場合は?未定)
■集合 乙女高原グリーンロッジ前
■服装 作業ができるかっこう。また,寒くなるかもしれないので,防寒着。
■持ち物 べんとう,飲物,軍手。ある人はかけや,なた,のこぎり,ナイフ。
■内容 古い杭を新しいものに替える。杭にロープを張る。草原内のゴミ拾いをする。など。お子さんも活躍できます。
※遊歩道作り終了後,乙女高原案内人の会主催の勉強会が行われます。乙女高原の自然をみんなで楽しく勉強する会です。
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3.【イベント案内】
●2007年度(第5期)マルハナバチ調べ隊●
ずんぐりむっくりしていて毛むくじゃら。働き者で,いつもちょこまかと働いているマルハナバチ。いくら見ていてもあきません。しかも,めったなことで人を刺しません。マルハナバチをじっと観ていたら,彼女たちが乙女高原の自然にとってなくてはならない存在であることが見えてきました。
第1回 6月24日(日) 冬眠からさめた女王に会えるかな?
第2回 8月 5日(日) 働き蜂がいっぱい見られる!
第3回 9月 9日(日) 超レアなオス蜂に会えるかも??
※もちろん,どれか1回だけの参加も可。
■時 間 いずれも午前10時から午後2時30分まで。雨天中止。
■集 合 乙女高原グリーンロッジ前集合
■対 象 小学校4年生以上ですが,それより小さい子も保護者と一緒の参加なら可。
■定 員 20名。参加費無料(行事保険にはファンクラブの予算で加入します)。
■持ち物 筆記用具,弁当,飲物,雨具,帽子。なお,ルーペ,双眼鏡など観察用具があると便利です。
■申込み 乙女高原ファンクラブ事務局まで
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