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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第277号 2012.9.22.
  発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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  ▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【紙上討論】 乙女高原に増えたススキをどうするか?
NEW! 2.【観察報告】 9月16日の乙女高原
    3.【活動案内】11月23日 第13回草刈りボランティア
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0.【ニュースニュース】
●1.山梨CATVによる「マルハナバチ調べ隊」の放映日が近くなりました。山梨市在住の方はぜひご覧ください。
 山梨CATV11チャンネル『ほっと山梨』
 月日 9月24日〜27日
 時間 7時・13時・19時の1日3回

●2.記念すべき第1回乙女高原フォーラム(2002年3月)のゲストとしてお呼びした西丸震哉さんがお亡くなりになったことを『山と渓谷2012年10月号』で知りました。フォーラムで,ぼくが対談のお相手をさせていただいたことを懐かしく思い出しました。「すごくおしゃれな方だなあ」というのが第一印象です。西丸さんのフォーラムの様子は以下のメールマガジン・バックナンバーでお読みください。
http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/43.htm
謹んでご冥福をお祈りします。

●3.乙女高原の湿地に谷地坊主がいるのをご存知ですか? ゲゲゲの鬼太郎の首から上が湿地の水の中から多数顔を出しているといった感じの景観です。
http://blog.goo.ne.jp/otomefc/s/%C3%AB%C3%CF%CB%B7%BC%E7
 谷地坊主は釧路湿原が有名で,釧路市の天然記念物にも指定されています。
 冬,寒さのために土の中が凍って地面を持ち上げ,持ち上がった土を湿地の水の流れが削り去ってしまうのですが,スゲが生えているところは根が土を守るので土が流されないで残り,結果として「ゲゲゲの鬼太郎頭」になる・・・というメカニズムだそうです。
「釧路で天然記念物になっているのなら,乙女の谷地坊主も天然記念物にならないかなあ」と思っているのですが,どう思いますか? どなたか谷地坊主についての情報をお持ちの方,ぜひ教えてください。そもそも谷地坊主って珍しいものなのですか? よその地域,よその山では,どうなんでしょうか???


●4.「乙女高原のススキの現状について,どうお思いですか?」と投げかけたところ,さっそくお二人からご意見をいただきました。お読みになり,皆さんのご意見をお届けください。みんなで議論しましょう(→1)

●5.(再)来年1月27日の乙女高原フォ―ラムにお呼びするゲスト案を募集中です。「お呼びして話を聞きたい」という人がいましたら,お知らせください。

●6.(再)次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は10月17日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。
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1.【紙上討論】 乙女高原に増えたススキをどうするか?

 前回の高槻さんに続いて,お二人の方からご意見をいただきました。他の皆さんも,どしどし投稿をお願いします。

■高槻先生の実験に賛成です(乙女高原案内人の杉田さん)
 高槻先生の文章は単に植物、動物とのかかわりを調査分析しただけでなく,日本人の自然感にまでおよんでいて共感できます。
 乙女高原は自然と人が物語を創っている場所になる・・・というような魅力的な舞台として「乙女高原・実験観察フィールド」をスタートさせましょう。高槻先生が言われるススキの「叩き」実験囲い賛成です。

■ススキは抑制すべき(ファンクラブ会員で,自然観察指導員の佃さん)
 ススキは抑制すべきと考えます。
(1)あるエリアの自然景観の価値は「その地域ならではとか、その地域らしさ」と  いうことではないでしょうか。箱根仙石原のススキ原の風景は私もその時期訪れた事があり、とても美しいことは知っています。しかし乙女高原は亜高山性の草が色とりどりの花(昆虫が訪れる花)を咲かす草原風景こそがふさわしい景色と言えないでしょうか。現状はススキが繁殖し過ぎています。
(2)昔の本来の自然の姿の戻すべきという意見もあります。しかしいつの時代の姿に戻すのが良いでしょう。1000年前には直ぐ周りと同様の森林だったでしょう。ススキが原は自然が遷移していく途中段階で放置を続けるとやがて森林になるでしょう。そうでなく人が適度に関わり合って人と自然が調和する自然を目指したいと思います。そのことがファンクラブの目的として掲げている「自然と、人と自然の関わりを育む」ことでもあるでしょう。
(3)高槻先生が提案されているように50m角を試験地に定め草刈りを(来年夏のうちに)やってみることに賛成です。また今、ススキの圧力をあまり受けていないどこかのエリアで予防的かつ試験的に近傍のススキ群落を刈ってみるという実験も良いかもしれないと考えます。
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2.【観察報告】 9月16日の乙女高原

 朝,とてもいい天気でした。でも,天気予報は夕方から雨。明日も雨。そして,今日は巨峰の丘マラソン。きっと通行止めや交通渋滞で身動きがとれなくなります。そこで,朝,起き抜けで乙女へ。

 林道を走っていて,キバナアキギリの大きな株があるのを発見。車を止めて,カメラを持って近づきました。そこは林道脇のコンクリート製の石垣に鉄製のフェンスが張られているところ。きっと落石防止のために張ってあると思うのですが,フェンスの目から植物たちが顔を出しています。しかも,元気。「こんなキバナアキギリ,見たことない」というくらい,一株あたりの花の数が多かったです。他にもヒヨドリバナ,セキヤノアキチョウジ,ツリフネソウ,ミズヒキ,ヤクシソウ,フシグロセンノウなど。どれも元気もりもりという感じです。
 こんなふうにフェンスが張られていると,シカが侵入して草を食べることはできません。それで,元気に花を咲かせることができたのかなあと考えました。
 (落石の)危険防止のためにはフェンスが必要。でも,景観を損ねるし,野生動物の移動を妨げてしまう。でも,そのおかげで植物たちは元気。まさに「一筋縄ではいかない」を地で行っているような景色でした。そういえば,夏,ヤマユリの花を見ることができたのも,フェンスが張ってあるところでした。
http://blog.goo.ne.jp/otomefc/e/8fa1a54d1e86a0e14c63a62a9ea58c1f

 焼山峠に車を置いて,歩き始めました。テン糞のモニタリングです。晴天なのに,写真を撮ろうとするとシャッター・スピードが1/20とか1/30に設定されてしまいます。残暑が厳しいとはいえ,秋になって日差しが弱くなっているんでしょうね。
 焼山の頂上広場で一休み。ここは景観を確保するために,金峰山と富士山方向のカラマツなどを伐採したところなのですが(急な崖の木まで伐ってしまったので問題でした),山の姿はほとんど見ることができません。それもそのはず。木を伐採すれば,そこに「植物たちにとっての新天地」が生じるわけですから,まわりの木々が黙って見過ごしません。急に多くなった日の光をあびて,木が伐られたことによって生じたギャップを可及的すみやかに埋めようと成長していきます。結果,すぐに景観は悪くなります。
 ここで意地になって,再度木を伐ったところで,いたちごっこが再発するだけでしょう。無駄なことをしたなーと思いました。
 途中の道はコケがじゅうたんのようでした。「もののけ姫」のシシ神様が歩いた跡みたいです。
 小さな小さなカエルにも出会いました。体の大きさは1センチより少し大きいくらい。カエルの子はあくまでオタマジャクシなので,こんなに小さくても大人です。ヤマアカガエルでした。

 木道の湿地では,何年ぶりでしょうか,サラシナショウマの花を見ました。トリカブトも咲いていたので,ほっとしました。これは後日談になりますが,今日(22日)に行ったら,サラシナショウマの穂の部分だけが無くなっていました。これもシカが食べてしまったのでしょうか。トリカブトはとりあえず健在でした。
 以前は草原の中にもトリカブトが咲いていたのに,今年はありません。

 湿地に咲いているセリ科の白い花に悩まされながら(いまだに同定できていません)焼山峠に戻り,車に乗って,乙女の草原を目指しました。乙女の駐車場にたくさんの人がいて,のぼり旗が立てられていました。確か「川越天文同好会」とありました。草原の調査をする途中であいさつして話を聞こうと思って歩いていたら,どんどん帰り支度をされ,帰られてしまいました。

 草原に多くて目立ってるのはゴマナ,ノコンギク,アキノキリンソウ,ノハラアザミ,タムラソウなどです。この日は気がつかなかったのですが,翌日行ったら,セイタカトウヒレンやモリアザミが咲き始めていました。ハバヤマボクチやオヤマボクチの花は,ついにひとつも見つけることができませんでした。

 森の中では,実の付いているヒトツバカエデを見たり,カケスの羽根の散乱を発見したりしました。とても有意義な半日でした。
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3.【活動案内】(再掲)
●第13回草刈りボランティア● 11月23日金・祝)


 今年で13回目となる乙女高原の草刈り作業。刈り取った草を焼山の琴川ダム残土処分場に持ち込んで,そこを「第2乙女高原」に誘導するという「藁撒き」プロジェクトは継続。
 また,キッズボランティアとして「ブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかけましょう」も継続です(子どもたちの参加は任意です。これに参加してもよし,大人と一緒に草刈りをしてもよし・・・です)。安心してお子さん連れでご参加ください。
 晩秋の高原でいい汗,かきましょう。

■今年の最重要注意事項
・一般参加の皆さんは手刈りのみにしてください。
(刈り払い機使用は,恩賜林組合の皆さんなど,主催者がお願いした方のみとします)

・林道への路上駐車は厳禁です。できるだけ相乗りで来てください。
(刈り草をゴミ収集車に入れる作業をしなければならないので,
 路上駐車が一番困ります)

・「午前中の作業終了→記念写真→昼食」という流れにする。
(今までは昼食後に記念写真を撮っていましたが,今年は午前の作業終了後です。
 作業を時間で区切りますので,ご承知おきください)

■日 時 11月23日(金・祝) 少雨決行 ※荒天の場合25日(日)
     午前9時半から午後2時
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,飲み物,軍手,雨具,おわん・はし(豚汁用),
     お持ちの方は,かま,なたなどの道具。
■参加費 無料(主催者負担で保険に加入)
■内 容 草刈りと,刈った草の運び出し。ロープ回収,草原内のゴミ拾い
     キッズボランティア,豚汁作りなど

※11月18日(日)午前10時ロッジ集合で,草刈りの下見と準備を行います。
 ご都合をつけて,ご参加ください

※草刈りちらし(PDF)
http://fruits.jp/~otomefc/kusakari2012.pdf (表面)
http://fruits.jp/~otomefc/kusakari2012ura.pdf (裏面=詳細情報)

※去年の草刈りの様子(TBSテレビ『風の言葉』ユーチューブ2分の動画)
http://www.youtube.com/watch?v=uJ2YOJSOMbI
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