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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第282号 2013.1.2.
  発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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  ▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】1月1日の乙女高原
    2.【活動案内】2月2日 第12回乙女高原フォーラム
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0.【ニュースニュース】
●1.あけましておめでとうございます。今年も乙女高原と乙女高原ファンクラブと乙女高原メールマガジンをよろしくお願いします。
 このメールマガジンも配信を始めてから丸12年が経過しました。乙女高原ファンクラブのほとんどすべてのイベントを報告していますし,乙女高原での観察記録も100日分以上になりました。サイトからその全部を読めるようにはなっていますが,このままだと読みにくいし,せっかくの記録が埋もれてしまいそうなので,配信開始から11年分のメールマガジンの記事をジャンル分けし,不必要な部分はカットし,関連の写真も付けて,整理・編集して本にまとめることにしました。名付けて『乙女高原大百科』。今年の秋には刊行できると思います。ご期待ください!!

●2.2月2日(土)の乙女高原フォーラム。ちらしをいっぱい作りました。配布にご協力いただける方は,ぜひ,ご連絡を。何部でもお送りします。
http://fruits.jp/~otomefc/forum2013.pdf

●3.乙女高原フォーラムのスタッフにぜひ立候補してください。大勢の皆さんのご協力がなければ,ファンクラブの活動は成り立ちません。こんな係があります。なお,スタッフにはお弁当を用意させていただきます。
・会場係(机や椅子を並べる,ステージ設定,会が始まったら温度調節など)
・パソコン(プロジェクターとの接続。トラブル対応など)
・受付(資料の準備,受付,入会の受付など)
・湯茶・接待(お昼のお茶の準備,茶話会の準備など)(→2)
※立候補してくださる方は,事前にご連絡ください。

●4.乙女高原フォーラムに関連して,山梨市民会館ロビーで『ようこそ乙女高原へ』展[を開催します。乙女高原に関するいろーんなものを展示しようと考えています。1月14日(月・祝)からフォーラム開催当日の2月2日までです。こちらもぜひご覧ください。
 なお,展示作業を1月14日午前10時30分から行います。お手伝いいただける方はぜひ来てお手伝いください。作業は午前中で終わります。お昼を食べて(ファンクラブ負担で)解散予定です。
※立候補してくださる方は,事前にご連絡ください。

●5.今年度の総会は3月10日(日)午後2時から牧丘総合会館にて。今から予定に入れておいてください。世話人改選があります。乙女高原を守る活動を続けて行くためには,皆さんのご協力が欠かせません。特に,世話人の皆さんのご協力があってこそです。立候補をぜひお願いします。

●6.総会のあとに毎年行っている座談会。毎回,乙女高原の自然を守っていく上でのヒントになるようなお話を「話題提供者」にお願いしています。今回,どなたに話題提供者をお願いするか・・・? 他薦自薦ありましたら,ぜひぜひご連絡を。

●7.乙女高原が『モニタリングサイト1000 里地調査 一般サイト』といして登録されたことは前回ご報告しました。『モニタリング・・・』とは,里地里山の自然環境の全国的な変化を早期にとらえるために,全国レベルで里地里山の生態系モニタリング調査をしようというプロジェクトで,環境省と日本自然保護協会が共同で運営するものです。
http://www.nacsj.or.jp/project/moni1000/
今後,乙女高原では(とりあえず)カエル類(アカガエル類の産卵)の調査を5年間継続します。興味のある方,ご協力いただける方は,ぜひ,ご連絡ください。「とりあえず」と書いたのは,もう少しマンパワーがあったら,もっとほかの調査にも取り組みたいからです。調査員には運営団体負担で保険が掛けられます。ご協力いただける方はお早めにご連絡くださいね。

●8.乙女高原案内人の皆さんには12月30日にお知らせを発送しました。2012年の1年間を振り返ってのひとことと,フォーラムについてです。着いてない方がおりましたら,ご連絡ください。

●9.次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は2013年1月23日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。

●10.朝日新聞山梨版に,乙女高原ファンクラブ代表世話人としてのウエハラのインタビュー記事が載りました。4段+αの結構大きな記事です。ネットでも読むことができます。
http://www.asahi.com/area/yamanashi/articles/MTW20121219200640001.html

●11.(再掲)アナウンサーの草野満代さんなどをお招きして、1月12日(土)に県立文学館で木質バイオマスのシンポジウムを開催するそうです。詳細は、下記URLをご参照ください。
http://www.pref.yamanashi.jp/ringyo/baioshinpo.html

●12.前回の座談会で話題提供者として,山梨県のシカ対策についてお話しいただいた小俣さんからの情報です。どうぞお気軽に御参加くださいとのことです。
    野生鳥獣シンポジウム
日 時:平成25年1月19日(土) 13時00分開場、13時30分開演
場 所:笛吹市スコレーセンター多目的ホール(笛吹市石和町広瀬626−1)
※展示・相談
1基調講演
 @狩猟による地域活性化の取り組み 井戸 直樹(森のたね代表)
 A狩猟が果たす野生動物管理への役割 羽澄俊裕
   ((株)野生動物保護管理事務所代表取締役)
※展示・相談
2パネルディスカッション 狩猟者の確保と集落を鳥獣害から守るために
 コーディネーター;羽澄俊裕
 パネリスト;井戸直樹,小尾民司(北杜市林政課長),
       有泉大(鳥獣保護管理捕獲コーディネーター)
※展示・相談コーナーの内容
○狩猟免許取得相談窓口
○ジビエ料理試食(スモーク、竜田揚げ,ステーキ、ジャーキーなど)
○猟具・パネル展示(くくりワナ、箱ワナ)
○模擬狩猟体験(シューティング・シミュレーターを使って、本番さながらに画面上で銃猟の体験をすることができます)
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1.【観察報告】
●1月1日の乙女高原●


 おだやかなお正月です。
 1日8時,地区の拝賀式に参列しました。そしたら,鉄砲を撃っているおじさんから声をかけられました。「最近はシカが少ないじゃんなー」やっぱり・・・と思いました。ぼくも昨年,乙女高原を歩いてみて,シカの気配(草が食べられているとか,糞がたくさん落ちているとか)をあまり感じることがなく,シカが少なくなったのでは?と感じていたからです。12月の寒さといい,すでに降雪があったことといい,今シーズンの冬,例年以上にシカは個体数を減らすのではないかと推測されます。

 暖かい日差しがいっぱいだったので,乙女高原に行くことにしました。
 途中,杣口の金桜神社に寄って,初詣です。今年1年間の活動が無事にできるようお参りしました。神社のわきのお宅でお守りなどを売っていたので,息子たちの学業成就のお守りを買っていきました。

 さて,途中から道が完全凍結です。車が滑って,そのまま止まらなくなるのではないかという恐怖を味わいました。これは危ないと車を置いて,歩いて乙女に向かうことにしました。ソレルブーツを履き,スノーシューも持って来ましたが,履物にはスパイク付きの長靴をチョイス。雪は積もっているけど何十センチというわけではなく,これだけ凍っているのだから,スパイク長靴がベストだと判断したのです。

 折り尺を取り出し,林道の雪の深さを計ってみたら,14センチでした。
 途中から遊歩道に入りました。シカの真新しい糞を2箇所で発見。十数個ずつ採取しました。「真新しい」と判断したのは,雪の「上」に落ちていたからです。一方の糞塊は,糞が自分の熱で雪を解かしたのか,雪の穴の中に入っていました。雪が降ったのはおそらく12月30日なので,昨日か今日(今朝)の糞ということになります。採取したのは,これを麻布大学の高槻研究室の学生さんに渡して,分析してもらうためです。シカは冬の間(しかも雪の積もった)何を食べて,あの大きな体を維持しているのでしょうか?

 草原に着きました。深さはそれほどではないにしても,雪は草原の全面に張りついています。雪の表面には,沙漠の風紋のような不思議な模様が付いています。いえ,これも立派な風紋だと思います。太陽が斜めから照らしてくれるので,余計,模様の陰影がはっきりし,不思議な形を浮き出してくれています。
 風紋の上にいろいろな動物の足跡。英語では一つ一つの足跡のことをフットプリント,足跡が続いているのをトラックと表現するそうです。日本語では「足跡」と一つのコトバしかありませんが,「足跡(フットプリント。場合によっては,トラックという意味合いも含む)」から動物を見分け,「足跡(トラック)」からその動物の行動を推測し,追いかけて狩りをする人々にとって,この2つのコトバを分けて使うことは重要・・・というよりごく自然なことです。その人たちがどんな(自然の)見方をしているかによって,コトバの多様性が違ってくるんだよなーと,なんか感心してしまいました。

 おっと。お正月だし,とりあえずこの雪では糞のサンプリングは無理だし,高原には誰一人いないので,いつもと違って,考え事をしながら歩いてしまいました。
 ヨモギ頭に到着。富士山がとても大きく見えます。ここは標高1700mもあるので,富士山のかなり下の方まで見えます。甲府盆地からだと雪をかぶった上の部分しか見えませんが(したがって,富士山は真っ白に見えます),ここからだと,雪のないすそ野の部分かなり見えます。雪が「テカテカ」と光っています。雪というより,氷に近いんだろうなあ,富士山の向かって左側斜面に雲が沸き上がっています。あんな中を歩きたくないないなあ。西風が強いんだろうなあ。雪が巻き上げられてるよ。
 なんにしても,今年の初富士です。何枚も写真に撮りました。フェイスブックに投稿しようと思います。

 雪が降ると,いろいろな「もの」や「こと」が,まるで「あぶり出し」のように見えてきます。その一番は足跡ですが,草木のたねたちもそうです。雪がなかったら,「木々はこんなにたくさんのたねを生産して,ばらまいていたのか!」ということに気づけないと思います。雪の上にたくさんのシラカバやダケカンバのたねが散らばっていました。ときには,カエデのたねが草原の中で見つかることも。「えっ,どこから飛んできたの?」さすがはタケコプターのように高速回転しながら落ちてきて落下速度をコントロールし,その間に風に飛ばされるというたねだけあります。遠くまで飛ばされてきたんでしょうね。

 湿地の谷地坊主を見ながら,草原を後にしました。前回見た谷地坊主は髪の毛がツンツンしたヘビーメタルのロックンローラーみたいでしたが,今回は雪によって整髪され,きれいなおかっぱ頭でした。

 この日の自然観察の様子は以下のブログで写真を見ることができます。
http://blog.goo.ne.jp/otomefc/d/20130101
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2.【活動案内】(再掲)
 ●第12回乙女高原フォーラム●


 乙女高原ではたくさんの植物たちがくらしています。静かに,ひっそりと花を咲かせているように見えますが,とんでもない。さまざまなアイテムを身につけ,知恵と工夫どころか,いろいろな策略まではりめぐらし,ときには昆虫まで利用しながら,たくましく生きています。そんな植物たちのあっとおどろく私生活を少しでものぞき見することができたら…。きっと高原の景色も今までとは少し違って見えてきますよ。
たくさんの写真を見せてもらいながら,多田さんのお話を聞きましょう。
http://fruits.jp/~otomefc/katudou.html

日 時 2013年2月2日(土)午後1時〜3時30分
場 所 山梨市民会館 3階「千鳥の間」
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
テーマ 高原の植物たちのオモシロ私生活
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
ゲスト 多田 多恵子(ただ たえこ)さん
     (立教大、東京農工大、国際基督教大の非常勤講師)

 【多田多恵子さんのプロフィール】
東京生まれ。東京大学卒、理学博士。専門は植物生態学。いつもワクワクしながら植物の繁殖戦略および虫や動物とのさまざまな関わりを追いかけている。立教大、東京農工大、国際基督教大で非常勤講師として教える一方で、広く子供や大人に自然の面白さや科学する楽しさを伝えたいと観察会や講演などでも活躍中。著書に「種子たちの知恵」(NHK出版)、「身近な木の実・植物の種・図鑑&採集ガイド」(実業之日本社)、「身近な草木の実とタネハンドブック」(文一総合出版)、「葉っぱ博物館」、「街路樹の散歩みち」(以上、山と溪谷社)、「野に咲く花の生態図鑑」(河出書房新社)、「したたかな植物たち」(SCC)、絵本に「びっくり まつぼっくり」(福音館)など多数。

※1月14日から,会館ロビーにて「ようこそ乙女高原へ」展[を開催します。
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