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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第527号 2023.12.30.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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▲▼▲ もくじ ▼▲▼
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1. 【活動報告】12月の乙女高原の自然
2.【活動案内】1月の自然観察交流会 1月6日(土)
3.【活動案内】第21回乙女高原フォーラム 1月21日(日)
4.【活動案内】第5回乙女高原案内人養成講座2024
■乙女高原自然観察交流会
■街の駅やまなし「乙女高原展」 書籍 ユーチューブ動画
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0.【ニュースニュース】
●1.2023年、今年も乙女高原と乙女高原ファンクラブがいっぱいいっぱいお世話になりました。ありがとうございました。来年2024年もよろしくお願いします。
●2. 1/21(日)は乙女高原フォーラムです。乙女高原の植物たちは、いったいどこから、どんな経緯でやってきたのか、温暖化が進む地球上で、どうなっていくのか、ゲストの岩科さんとともに探ります。ぜひ、おいでください→3
●3. 来年度は16年ぶりに「乙女高原案内人養成講座」を開催します。年末にようやくその教科書の原稿が仕上がり、印刷屋さんに入稿しました。A4判270ページという立派なものです!! これも今までの乙女高原での取り組みがあったからこそです。出来上がりを楽しみにしていてくださいね。また、受講されていない方は、ぜひ、受講を考えてください→4
●4. (再掲)山梨市駅の北口を出て、信号を渡ってすぐの「街の駅やまなし」で、乙女高原展をしています。シーズン40のテーマは「草花たちのライフ・ステージ」。一つの草花について3~5枚の写真で、異なるライフ・ステージの姿を紹介しています。花の時期は知っていても、地面から出たばかりの芽や果実の様子を知らない…ということは多いのではないでしょうか? 「ポストカードタイプ乙女高原カレンダー2024」と連動した展示になっています。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20231130
●5. (再掲)1/6(土)は乙女高原自然観察交流会です。9時に「道の駅はなかげの郷まきおか」集合。集まった皆さんで相談して車で乙女高原に向かいます。「ケガと弁当は自分持ち」です。自然観察交流会について、詳しくはこのメールの一番下の方をお読みください→2
●6. 2023年度第7回の乙女高原連絡会議・乙女高原ファンクラブ世話人会は1/18(木)午後7:00から山梨市役所牧丘支所(旧牧丘町役場)です。ご都合がつく方は、ぜひのぞいてみてください。
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1.【活動報告】●12月の乙女高原の自然●
※乙女高原へ通じる林道は冬季通行止めになっています。車では乙女高原に行けません。
●12月10日の乙女高原●
サワラ林のあたりで車載温度計を見ると9℃。暖かすぎると思いました。柳平まで行くと、金峰山に雪はないし、乙女湖にまったく氷はありません。
乙女高原まで直行し、まず、ロッジ玄関前の百葉箱の気温データを回収し、パソコンを持って「展望台」まで登り、同じく気温データを回収しました。乙女高原では2010年からデータロガーを利用して1時間おきの気温を2箇所で測定しています。一回の設定で85日間は連続計測できるので、データ回収は2か月に一回で十分です。1年分が回収できたら、その年の平均気温や最高気温等をまとめています。
ちなみに、前回の交換時10月3日から今日までの最高気温は19.0℃、最低気温-6.5℃、平均気温は6.0℃でした。
気温データを回収したら、家で充電してきたバッテリーを使って、草原の草刈りをしました。今年の「草刈りボランティア」は大勢が集まってするのが3年ぶりということもあって、刈った箇所の確認や刈ってないところの連絡等が不十分で、刈り残しが出てしまいました。11/28に刈ろうと思って行ったら、同じことを考えている方がいたという話はメルマ525号に書きました (角田さんです)。今日もさらに残った刈り残しの草刈りをしました。バッテリーが切れたところで作業終了。ダケカンバ西、草刈り終了。
今度は先週、自然観察交流会で塚田さんや大堀さんから教えていただいたコケ観察の復習・・・いや、残り勉強をしました。塚田さんや大堀さんがコケ名を書いて、残してくれたアイスキャンディーがあるコケはいいのですが、そうでないコケはなんだか分かりません。これはもう、自然観察の基本に立ち返るしかありません。「スケッチ」です。気になったコケをルーペで見ては、絵を描いたり、メモを書いたりしました。
ちょっとした発見がありました。湿地の少し広まった所、谷地坊主の隣に、小鳥の羽根が散らばっていました。近づいてみました。どうも猛禽に殺られた跡です。風切り羽根と尾羽根を探して拾いました。風切り羽根の大きさを見れば、被害者(鳥)のだいたいの大きさが分かります。スズメよりは大きく、ヒヨドリやムクドリよりは小さいくらいのサイズでしょう。羽根は黒で、真ん中に既視感のある白い斑点があります。イカルで間違いないと思います。風切り羽根に比べ尾羽根が短めなのも、被害者がイカルであることを支持しています。こんなところで、誰に殺害されたんだろう? 宿題がまた一つ増えました。
昼食後は草原内も歩きました。このところ、ずっと雨が降っていないせいか、コケたちも縮れたりして、なんだか元気がなさそうです。でも、他の植物と違って、寒風の中でも緑を保っているのはすごいです。「これが塚田さんがおっしゃっていたカサゴケモドキかなあ」というコケを見つけたので、霧吹きでシュッ。ひからびていた葉がだんだん開いてきました。まるでダリアの花みたいです。ルーペで見ると、「ダリアの花びらの先」がツンツンしていました。
オケラのドライフラワーや、誰にも食べられていないマムシグサの真っ赤な実なども観察して、帰路につきました。
●12月19日の乙女高原●
いよいよ寒くなってきました。サワラ林の「カメバヒキオコシの氷華」がとてもきれいに「咲いて」いました。根元近くの茎が裂けて、そこから板状の氷が出てきます。板状の氷は、周囲のさまざまな条件からスーッと伸びたり、グニャッと曲がったり、ハート型になったり・・・と個性豊かです。思わず「ひとりひとりの」スナップ写真を撮っていたら、写真がいっぱいになってしまいました。
ボタンヅルの綿毛のたねたちもステキです。特に逆光で見ると、綿毛がモフモフと光っています。目を近づけて見ると、タンポポやアザミの綿毛と違って、一本スッと筋が伸びていて、その途中から小さな毛がいっぱい生えています。毛足の長い試験管ブラシのようです。
今回もまずは草原で草刈りをしました。1時間でバッテリー切れになるので、ちょうどいい区切りになります。今日でダケカンバ西の部分、終了しました。あとは自然観察。やっぱりコケに目が行きます。コケの緑に霜の白という組み合わせがとてもきれいでした。中にはコケの「蕾」(おそらくこれが造精器になるのでしょう)もありました。シャクジョウソウの咲いた跡も見に行きましたが、アキノギンリョウソウと同じく、実は天を向いていました。谷地坊主の近くの土手では、大きな霜柱を見ました。そっと取ってみると、長さが13cmもあります。しかも、「層」になっていないので、この13cmがおそらく一晩でできたんだろうと思います。いよいよ乙女高原は霜柱天国です。
ブナじいさんの近くの枯れ木がすごいことになっていました。まるで大工さんの仕事場です。地面にはかんなくずがいっぱい。幹は広い範囲で皮を剥がされ、穴を開けられていました。大人の腕、ひじから下が丸ごと入りそうな大きな穴です。穴に近づいてみると、のみでけずったような跡がいっぱい付いています。この跡は11/28にも確認していますが、そのときよりも白い、削られた面積が広がっていますし、地面のかんなくずも増えている感じでした。おそらくキツツキのしわざなのでしょう。また(まだ)来るかもしれません。そこで、センサーカメラを仕掛けることにしました。どんな映像が撮れるか楽しみです。
●12月25日の乙女高原●
今年、乙女高原までの途中で、木の伐り出しを行っているところがいくつもあるなあと思っていたら、今日、旧杣口林道の「山の神」のところに重機が入っているのを見ました。カエル池は奥の方が少し湿り気があってジワーッとしている感じがありました。十分寒いですが、相変わらず金峰山は雪をかぶってないし、乙女湖に凍ったところはありません。
今日もまず草刈りから始めました。今日はシカ柵から出て、谷地坊主の周辺を刈りました。また、駐車場の周囲が草ぼうぼうというのも見苦しいので、ここも草を刈って、土壌流失を起こしている遊歩道に敷き入れました。これで、今年の刈り取り作業を終了としました。刈っている最中に、カヤネズミの巣が見つからないかなあと思っていましたが、ありません。来年の宿題とします。
草刈り後、ブナじいに向かいました。センサーカメラからカードを取り出し、その場でパソコンで撮れた動画を確認しました。全部で600以上の動画が記録されていました。その全部に「何か」が映っていたわけではありません。基本的にセンサーカメラは動くものに反応しますから、木の幹に葉の影が映り、それが動くだけで作動してしまいます。バックに移り込んでいる木の枝が風でなびいても作動していました。一つ一つ動画を確認し、これらハズレ映像を削除していきました。ハズレが続くのですが、時々、アタリにも巡り合えます。そんなときはドキッとします。お昼を食べながらも削除作業を続け、家に帰ってからもやって、結局、アタリ動画は80個でした。アタリは全部アカゲラでした。中にはアカゲラが木くずを蹴散らしている動画があったり、幹に開いた穴に入り込んでいる動画もありました。枯れ木に開いた多数の大穴の犯人はアカゲラで確定です。ただし、動画80本とはいえ、連続して撮れている場合もありますので、センサーカメラを仕掛けた6日間のうち、アカゲラが訪れていたのは、12月20日10:44~11:36、11:52、12:42 ~13:26、22日の9:23~10:03、12:12、13:45~14:14の6回でした。一番長く滞在していたのは最初の52分でした。1時間近くもいたんですね。
小さなシカ柵近くのシカ柵出口のドアの可動部分が持ち上げられていました。いよいよ地面の中が凍って、持ち上げています。本格的な乙女高原の冬がやって来ていました。
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2.【活動案内】●1月の自然観察交流会● 2024年1月6日(土)
・9:00道の駅「花かげの郷まきおか」集合。乗り合わせで乙女高原へ
・弁当、観察用具等持参。
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3.【活動案内】●第21回乙女高原フォーラム● 1月21日(日)
日 時 2024年1月21日(日) 午後1時~3時30分
※スタッフ集合は11時半です。
スタッフにはお弁当を用意しますので,立候補される方は事前にご連絡ください。
場 所 夢わーく山梨(予定) ※駐車場は市役所跡地
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
参加費 無料
※後日ユーチューブ配信あり
■テーマ・・・乙女高原の植物たちはどこからきたのか
―その起源と温暖化の影響―
山梨県北部にある乙女高原は“高茎草原”と呼ばれている植生です。高茎とは、比較的背が高くなる草本のことで、乙女高原では、ヤナギラン、タムラソウ、ワレモコウ、シシウドなどがこれに相当します。しかし、このような草原は放っておくと、やがて森林になってしまいます。乙女高原付近では、ブナに代表される落葉広葉樹林になります。そのために、草原という植生を維持するためには、人間による管理が必要になります。今回は、このような草原に生育するさまざまな植物を紹介し、それらがどのようにして乙女高原に到達したかをお話しします。さらに、現在問題となっている地球温暖化、最近では地球沸騰化ともいわれていますが、それによってこれらの植物や草原にどのような影響があるかをわかりやすく解説します。
■ゲスト・・・岩科 司さん
山梨県一宮町生まれ。東京農業大学農学研究科・修了。農学博士。1984年、国立科学博物館筑波実験植物園に着任。2011年に同園長。現在、同名誉研究員。2013年から日本植物園協会会長、2020年から日本高山植物保護協会会長を歴任。ライフワークは、花に含まれるアントシアニンなどの色素成分の特定と花色発現の機構の研究。2018年から毎月第3月曜日のNHKラジオ深夜便・深夜便かがく部「ふしぎな植物園」に出演中。著書『花はふしぎ』講談社ブルーバックス2008など。
■ユーチューブでの動画配信について
・フォーラムの様子は地元のケーブルテレビ局・山梨CATVにより収録され、後日、放映されます。
・放映後、期間限定でユーチューブにより無料配信される予定です。
・㈱山梨CATV様のご配慮によるものです。同時配信ではありません。
・ユーチューブのアドレスは、追って乙女高原メールマガジン等でお知らせします。
※これまでの乙女高原フォーラムについてはこちらを
https://fruits.jp/~otomefc/otomeforum.html
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4.【活動案内】●第5回乙女高原案内人養成講座2024●
乙女高原を案内することによって乙女高原の自然を守る輪を広げようと、2003年から3年間に渡って開催し、2008年に第4回を開催後,16年間行われていなかった乙女高原案内人養成講座を開講します。乙女高原を知り,守り,そして伝えるノウハウが満載の講座です。これを機会に,ぜひ,乙女高原のことを知り,ファンになり,そして,乙女のことを伝えるメッセンジャー「インタープリター」になってください。
詳しい情報は1月以降に。
・募集定員 30名(申し込み多数の場合は抽選)
・募集開始 2024年1月の予定
・養成講座 2024年5月・6月・7月にそれぞれ1日ずつ計3日行う予定です。
全講座を受講された方は乙女高原案内人として登録できます。
・講義と実習を通して、自然観察の手法、案内の技術、自然保護の知識、乙女高原の地形地質・植物・動物・歴史などを学びます。
・詳しくは2024年初頭以降に、ちらしやホームページでご確認ください。
第1回 5月26日(日) 会場:山梨市民会館と万力公園
開講式 野外実習「インタープリテーション体験」
講義「インタープリテーション」「自然の保護」「乙女高原の歴史」
第2回 6月9日(日) 会場:乙女高原
実習「乙女高原の地形地質」「乙女高原の動物」
第3回 7月28日(日) 会場:乙女高原
実習「乙女高原の植物Ⅰ」「乙女高原の植物Ⅱ」
ワークショップ「今後の活動について 閉講/修了式
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■2023年度 第8期 乙女高原観察交流会■
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。
※今後の予定 【2024年】
⑩01月06日(土)集合:09:00・道の駅
⑪02月03日(土)集合:09:00・道の駅
⑫03月02日(土)集合:09:00・道の駅
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■街の駅やまなし・乙女高原展■
中央線山梨市駅すぐ北(北口から出て、すぐの信号を渡り、北に向かって歩いてください。郵便局の北です)の「街の駅やまなし」には常設の乙女高原コーナーがあります。
https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html
現在、シーズン40「草花たちのライフステージ」の展示をしています。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20230926
■『乙女高原の自然観察』■
A5判32ページ、オールカラーで、1ページに1テーマずつ記事を載せています。頒価300円。送料は1冊だと140円、2~8冊だと180円。送付を希望される方は、送料込みの金額をご送金ください。
■『乙女高原大百科』■
厚さ3cmという分厚い本。A5判602ページ(カラー194ページ)。頒価2000円。送料は1~2冊なら370円。送付を希望される方は、送料込みの金額を送金ください。
■「教えてうえちゃん いつでもどこでも自然観察・乙女高原スペシャル」■
山梨CATVが制作した動画がユーチューブ・チャンネルで公開されています。約1時間、植原が乙女高原の案内をします。乙女高原三昧の番組です。
https://youtu.be/g_9EuQ3A3f4
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